原始大核綱 ; 異毛綱 ; 旋毛綱
01 02 03 04コルポダ綱 ; 層状咽頭綱 ; 梁口綱
05 06 07 08貧膜口綱 ; 前口綱 ; リトストマ綱
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1; Loxodes sp.3 (x 400), 2; Blepharisma americanum (ブレファリスマ), 3; Sentor sp. (ラッパムシ), 4; Euplotes woodruffi, 5; Colpoda steinii, 6; Cyrtophoron sp., 7; Chilodonella cucullulus, 8; Paramecium caudatum (ゾウリムシ), 9; Opercularia sp., 10; Vorticella campanula (ツリガネムシ) 11; Prorodon sp., 12; Amphileptus sp.,
繊毛虫の基本的特徴は、その名前のとおり細胞表面にはえた 繊毛にある。ただし、繊毛の形や 数・大きさは種によって様々であり、中には数が少なかったり、小さくてちょっとみただけでははっきり しないものもいる。
また、細胞内に機能の異なる核が複数存在するのも大きな特徴である。 よく知られたゾウリムシなどでは栄養核である 大核と生殖核として機能する 小核を持つ(小核の数は必ず しも一つずつではない。種によって異なる)。また、他の種では、かならずしも大小核という大きさで 区別できる核があるとはかぎらないが、みかけ上は同じでも機能面で分化した核をもつ。
細胞表層(cortex)にある kinetids の構造の違いが 分類に利用されている。このほか、細胞膜下にアルベオラ (Alveole)と呼ばれる空胞があることや、 放出体(突出体)として 毛胞(trichocyst)をもつが、 類似のアルベオラ構造をもつ渦鞭毛虫、 アピコンプレクサと分子系統学的 に単系統(共通の祖先から生じたグループ)であることが示唆されている。 そのため、繊毛虫、渦鞭毛虫、アピコンプレクサをまとめて アルベオラータと呼ぶ。
核の分裂様式についてみると、細胞分裂と同調している場合が普通だが、中にはそうでない 複雑な分裂様式をもつものもいる(記載種数 約8000種)。
Metakaryota上門
アルベオラータ門 Alveolata
繊毛虫亜門 Ciliophora Doflein, 1901
(Hausmann & Hülsmann「Protozoology」2nd ed.)
繊毛虫門 Ciliophora Doflein, 1901
繊毛虫類 Ciliates
(「五つの王国」;「An Illustrated Guide to the Protozoa」;「生物学辞典」)
Small (1976)は、口部域の微細構造の違いから繊毛虫門を キルトフォラ( Cyrtophora)と ラブドフォラ(Rhabdophora)の2亜門に分けた。 その後、Small & Lynn (1981) は皮質(cortex)と核の特徴に基づいて第3の亜門である ポストキリオデスマトフォラ(Postciliodesmatophora)を 置いた。
ただし、これらはまだ完全なものではなく今後とも再編成される可能性は残されている。 (Small & Lynn, 1985, Phylum Ciliophora Doflein, 1901, In: An Illustrated Guide to the Protozoa より)
↓
: Lynn D.H. (1996)は、その後の研究成果(主に分子系統学分野)を取り入れ,繊毛虫の分類を再編した。 主な変更は,旋毛綱にあった異毛亜綱を綱に格上げし旋毛綱から独立させ,残った旋毛綱には,かつて梁口綱に移動させ た下毛類亜綱(Hypotrichia)を戻したことにある(ただし,棘毛亜綱とは分離したまま)。
これにともない,キルトフォラ,ラブドフォラ,ポストキリオデスマトフォラといった亜門の区別をなくした。 また,原始大核綱(Karyorelictea)のトラケロネマ目,ロクソデス目をそれぞれ亜綱に格上げし,さらに原始異毛亜綱, プロトクルジア亜綱の2亜綱を新設して4亜綱とした。 (Lynn, D.H., 1996, Systematics of Ciliates, In: Hausmann & Bradbury (eds.), CILIATES Cells as Organisms より)
注:ただし,すべての研究者が上記の Small & Lynn (1985),そして,Lynn D.H. (1996)の分類体系に従って いるわけではない。Carey (1992)の「Marine Interstitial Ciliates」では, 旧来の分類体系(Levine et al., 1980)をそのまま採用している。
2000年に刊行された「The Illustrated Guide to the Protozoa, 2nd ed.」では,以下のような変更があった。
1)上記のプロトクルジア亜綱は原始大核綱から旋毛綱へ移された。
2)異毛綱にあったメトプス目 (被甲類),ディスコモルファ目(櫛口類;歯口類),ファコディニウム目の3目も同様に旋毛綱に移された。
3)梁口綱にあったゾウリムシ目が貧膜口綱へ移された。繊毛虫は「生きた化石」か?
最近,琥珀の化石の研究から,2億2000〜2300万年前にすでに現在と変わらない多くの原生生物がいたことがわかってきた (Schoenborn et al., 1999)。その中には,いくつかの繊毛虫も含まれている。 ゾウリムシ,テトラヒメナやキルトロフォシスなどである。 有名なカブトガニは2億年前から変わらずにいることで「生きた化石」と呼ばれているが,カブトガニがそうであるなら, ゾウリムシなどの繊毛虫も生きた化石といえる(そして,他の多くの原生生物も・・・)。
Subdivisions
原始大核綱 Karyorelictea | トラケロネマ亜綱 Protostomatia | トラケロネマ目(原口類) Protostomatida
Trachelonema, Tracheloraphis |
ロクソデス亜綱 Loxodidia | ロクソデス目 Loxodida
Loxodes, Remanella | |
Protoheterotrichia亜綱 | Protoheterotrichida目
Geleia | |
異毛綱 Heterotrichea |
異毛亜綱 Heterotrichia |
ラッパムシ目 Heterotrichida
Blepharisma, Spirostomum |
クリーブランデラ目 Clevelandellida
Clevelandella | ||
プラギオトマ目 Plagiotomida
Plagiotoma | ||
リクノフォラ目 Licnophorida
Licnophora | ||
ペリトロムス目 Peritromida
Peritromus | ||
旋毛綱 Spirotrichea |
プロトクルジア亜綱 Protocruziida |
プロトクルジア目
Protocruzia |
少毛亜綱 Oligotrichia |
コレオトリカ目 Choreotrichida
Favella, Strombidinopsis | |
ハルテリア目(少毛類) Oligotrichida
Halteria, Strombidium | ||
下毛類亜綱 Hypotrichia |
ユープロテス目 Euplotida
Aspidisca, Diophrys, Euplotes, Uronycia | |
棘毛亜綱 Stichotrichia | アンフィシエラ目(棘毛類) Stichotrichida
Oxytricha, Parauostyla, Pleurotricha, Pseudourostyla, Stylonychia | |
被甲亜綱 Armophorida ? | メトプス目 Armophorida
Caenomorpha, Metopus | |
櫛口亜綱 Odontostomatida ? | ディスコモルファ目(櫛口類) Odontostomatida
Discomorphella | |
ファコディニウム亜綱 Phacodiniida ? | ファコディニウム目 Phacodiniida
Phacodinium | |
コルポダ綱 Colpodea |
キルトロフォシス目 Cyrtolophosidida | |
ブリオフリア目 Bryophryida
Bryophrya | ||
コルポダ目 Colpodida
Colpoda | ||
フクロミズケムシ目 Bursariomorphida
Bursaria | ||
層状咽頭綱 Phyllopharyngea 吸管虫 |
層状咽頭亜綱 Phyllopharyngia |
キルトス目 Cyrtophorida
Chilodonella |
アンキストロコマ目(有吻類) Rhynchodida | ||
漏斗亜綱 Chonotrichia |
キロドコナ目(外生胚類) Exogemmida | |
アクチニコナ目(内生胚類) Cryptogemmida | ||
吸管虫亜綱 Suctoria |
ハリヤマスイクダムシ目(外生芽類) Exogenida
Ephelota, Ophyryodendron | |
ボンボリスイクダムシ目(内生芽類) Endogenida
Tokophrya | ||
ハナエダスイクダムシ目(外転芽類) Evaginogenida | ||
梁口綱 Nassophorea ゾウリムシ、Euplotes |
ナスラ亜綱 Nassophoria |
ナスロプシス目(単膜類) Synhymeniida |
ナスラ目 Nassulida | ||
ミクロトラクス目 Microthoracida | ||
レプトファリンクス目 Propeniculida
Pseudomicrothorax | ||
貧膜口綱 Oligohymenophorea テトラヒメナ、 ツリガネムシ |
ゾウリムシ亜綱 ? Peniculia |
ゾウリムシ目 Peniculida
Paramecium |
膜口亜綱 Hymenostomatia |
ミズケムシ目 Hymenostomatida
Colpidium, Glaucoma, Tetrahymena | |
アンキスツルム目(有スクチカ類) Scuticociliatida
Pleuronema, Uronema | ||
周毛亜綱 Peritrichia |
ツリガネムシ目(固着類) Sessilida
Carchesium, Opercularia, Vorticella | |
レイオトロカ目(遊泳類) Mobilida | ||
無口亜綱 Astomatia |
アノプロフリア目 Astomatida | |
隔口亜綱 Apostomatia |
メタコリニア目 Apostomatida | |
クロミジナ目(欠口類) Astomatophorida
Chromidina | ||
ピリサクトリア目 Pilisuctorida | ||
プラギオピラ亜綱 Plagiopylia |
プラギオピラ目 Plagiopylida
Plagiopyla | |
前口綱 Prostomatea |
ホロフリア目 Prostomatida
Holophrya | |
シオミズケムシ目 Prorodontida
Prorodon, Urotricha | ||
リトストマ綱 Litostomatea |
毒胞亜綱 Haptoria |
シオカメウズムシ目(毒胞類) Haptorida
シオカメウズムシ(Didinium), Lacrymaria |
アンフィレプツス目(側口類) Pleurostomatida | ||
アクチノボリナ目(咽頭類) Pharyngophorida
Dileptus, Trachelius | ||
毛口亜綱 Trichostomatia |
パランチディウム目(有口庭類) Vestibuliferida | |
エントディニウム目 Entodiniomorphida |
References