門/綱:運動性単細胞の藻類。葉緑体をもたず浸透性または摂食性の従属栄養を営むものもいる。 鞭毛は細胞前端部の消化道から1〜3本出ていて1本は片羽型(1列の側毛)。 中間期の核内で染色体が凝縮したまま。 緑色種は、道管基部付近に眼点をもつ。また、眼点に近接した鞭毛上に感光点(flagellar swelling, paraflagellar body)がある。
ペリクル(細胞表層の膜状外被)はラセン状に走る多数の帯状部(strips)で構成されており、 各々の接着部分が線条(striae)として観察される。
多くは葉緑体が三重膜からなる。クロロフィルa, b、β-カロチン、diadinoxanthin、 diatoxanthin、heteroxanthinなどのキサントフィルを含む。 葉緑体の含有色素は緑藻に似ているが消化道(gullet)など細胞構造が異なる。これらのことからミドリムシの 共生の相手は、緑藻植物 Chlorophyta だと推定されている。
貯蔵物質は主にデンプン類似のパラミロン(β-1,3-グルカン)をもち、 不等毛植物に似ている。 縦分裂で増殖し、有性生殖は知られていない。
多くは自由遊泳性で単体だが、パルメラ状の集落をつくるもの(Colacium)もある。Trachelomonas はロリカとよばれる外殻をもつ。 大部分は淡水性だが、一部海産のものもいる。
目:2本の鞭毛をもつが、1本のみが細胞外へ伸びる。 他は貯胞(reservoir)内にとどまる。 遊泳時,静止時ともに鞭毛全体が動く。 有色と無色の種がいる。ロリカをもつものもいる。1属は群体を形成する。
属:鞭毛は Euglenaと同様。葉緑体は小さく,円盤状。ピレノイドは一般にない。眼点は明瞭。 細胞体は硬く変形しない。扁平で葉状。しばしば ridgeや鰭状の構造をともなう。ねじれているものもいる。 シストはみられない。多くは淡水性。
種: 細胞長45-100μm,幅30-70μm。 後端部の突起は短く,やや曲がる。細胞体の片側が盛上がり,そこには明瞭な ridgeがあり,後端部まで伸びる (=縦に走る条線)。 縦方向にねじれる。パラミロン粒は通常1個で細胞の中央部にある。鞭毛の長さは細胞体とほぼ同じ。(Kudo, 1966)
References