土岐市駅〜陶史の森バス停〜せせらぎ公園〜雲五川せせらぎ公園大駐車場〜東縁を通る車道〜四阿〜織部の道〜小湿地〜雲五川 砂防ダム南西端〜河川広場〜泉林の池・トンボの湿地〜雲五川支流源流付近〜野鳥の森沿い〜ホタルの里〜雲五川支流にある砂防ダム沿い〜白磁の道〜安土の道〜粉引の道〜ちびっこ広場〜志野の道〜黄瀬戸の道〜青磁の道〜黄瀬戸の道〜不老マレットゴルフ場沿い〜陶史の森バス停〜土岐市駅 (10:06 - 14:53)
Part I: | 土岐市駅〜陶史の森バス停(土岐市) 2014.02.01, 10:06 - 10:26 |
Part II: | せせらぎ公園〜雲五川せせらぎ公園大駐車場(土岐市) 2014.02.01, 10:27 - 10:41 |
Part III: | 東縁を通る車道〜四阿〜織部の道(土岐市) 2014.02.01, 10:41 - 10:53 |
Part IV: | 織部の道〜小湿地〜雲五川 砂防ダム南西端(土岐市) 2014.02.01, 10:55 - 11:03 シシガシラ? |
Part V: | 砂防ダム南縁〜河川広場〜泉林の池・トンボの湿地〜(土岐市) 2014.02.01, 11:03 - 11:16 |
Part VI: | 雲五川支流沿いを遡上する(土岐市) 2014.02.01, 11:16 - 11:26 ソヨゴ? |
Part VII: | 雲五川支流源流付近〜野鳥の森沿い〜ホタルの里(土岐市) 2014.02.01, 11:26 - 11:35 |
Part VIII: | ホタルの里〜雲五川支流にある砂防ダム沿いを南へ(土岐市) 2014.02.01, 11:35 - 11:47 リョウブ |
Part IX: | 雲五川支流〜白磁の道を南へ(土岐市) 2014.02.01, 11:48 - 12:02 コバノミツバツツジ, ホウ,ズミ,シシガシラ |
Part X: | 白磁の道〜安土の道〜粉引の道(土岐市) 2014.02.01, 12:02 - 12:16 ?? |
Part XI: | 粉引の道を北へ(1)(土岐市) 2014.02.01, 12:18 - 12:30 ??, ウラジロ?,シデコブシ,イヌツゲ?, リョウブ,シシガシラ |
Part XII: | 粉引の道を北へ(2)(土岐市) 2014.02.01, 12:30 - 12:40 シシガシラ, トウカイモウセンゴケ/モウセンゴケ? |
Part XIII: | 粉引の道(3,ちびっこ広場西縁を北へ)(土岐市) 2014.02.01, 12:41 - 12:47 ヒツジ |
Part XIV: | 粉引の道〜宮ノ洞川周辺の遊歩道へ(土岐市) 2014.02.01, 12:48 - 12:59 シシガシラ, ?? |
Part XV: | 志野の道を北へ(土岐市) 2014.02.01, 13:00 - 13:16 トウカイモウセンゴケ/モウセンゴケ? |
Part XVI: | 志野の道〜黄瀬戸の道〜青磁の道(土岐市) 2014.02.01, 13:16 - 13:39 モミジバスズカケノキ |
Part XVII: | 青磁の道〜黄瀬戸の道〜不老マレットゴルフ場西縁を北へ(土岐市) 2014.02.01, 13:40 - 14:00 |
Part XVIII: | 不老マレットゴルフ場沿い〜陶史の森バス停〜土岐市駅(土岐市) 2014.02.01, 14:00 - 14:53 |
追加: | 採集したサンプルの観察(千代田区) 2014.02.02-02.05 |
今回は岐阜県南部にある「陶史の森」を訪れた(注1)。
東海地方を訪れたのは,今年に入ってすでに4度目(
2014.01.12,
2014.01.19,
2014.01.23,
2014.02.01)だ。
明日の日曜日は全国的に天気が崩れるとの予報が出ていたので,晴れの予報が出ていた前日の土曜日に出かけることにした。 しかし,晴れてはいるものの,空全体に薄く霞みがかかった状態で,ちょうど春先に多い空模様だった(注2)。 こういった時は,どういう訳か色彩の乏しい写真が多くなる。今回もそうだった。 肉眼では結構色鮮やかに見えても,撮影した写真はあまりパッとしないものばかりだった。 「陶史の森」は,ネットにある画像を見るかぎり,人造の水路や遊具などの写真が多く,あまり有望な採集地には思えない。 にもかかわらず,ここに行くことにしたのは,とあるHPに「ここは湿地だらけ」という一文があったためだ。 実際,訪れた「陶史の森」は,水辺のほとんどは砂防ダムによってできた池だが,園内に整備された遊歩道のうち, 傾斜地を通るルートは斜面から浸み出す水によってあちこちが湿地化していた(注3)。 ただし,遊歩道沿いの湿地の原生生物相はやはり貧弱だった(一部豊富な場所もあった)。 原生生物がもっとも多かったのは,雲五川,および,宮ノ洞川,あるいはそれらの支流に敷設された砂防ダムだった。 しかも,その原生生物相は平地のものではなく,高地の湿原に近い(注4)。 平地ではほとんど見かけることのない アミカムリ(Nebela) がたくさんいたことがそれを示している。 なかには,比較的希な大型の クアドルレラ(Quadrulella) もいた。 大型のユーグリファ(Euglypha brachiata) もいた。 もっとも驚いたのは,これまで標高1000m以上の高地でしか観察したことのない,共生藻を持つ アンフィトレマ(Amphitrema stenostoma,注5) がいたことだ。 陶史の森の標高は最高で300m,アンフィトレマがいた砂防ダムの標高は250m以下だ。 市街地に近いこのような場所で観察できたのは今回が初めてだ。 以上のように,今回は全体的に有殻アメーバが多かったが,これは季節がら,といえるだろう。 今回,藻類は少なかったが,春秋に来れば,緑藻類などがもっと豊富に見られるかも知れない。 注1:土岐市を流れる土岐川の支流に肥田川があるのだが, 陶史の森は,その肥田川の支流である宮ノ洞川と雲五川,および,その流域を自然公園化している。 注2:天気は崩れかかっていたものの,気温は異常に高かった。 アメダスによると,隣接する多治見市の気温は, 土岐市駅に着いた午前10時は 7.1℃だったが,その後急激に上がり,午前11時 10.4℃。 午後02時には 15.8℃(今日の最高気温,この時の風速は 1.6m/s)まで上昇した(注2の注)。 夜明け前は氷点下だった(午前06時 -2.3℃,風速 0.0m/s)ので,半日で 18℃も上昇したことになる。 予報では,最高気温 12℃程度となっていたので,用心してこれまでと同様,真冬用の服装をして出かけたのだが, これでは非常に暑かった。 そのため,復路は「陶史の森」から駅まで1時間半ほど歩く予定だったが,あまりの暑さに歩く気力を無くした。 往路と同様,タクシーを利用してしまった(片道 2000円前後で比較的安かったのも理由)。 注3:一部にはロープ柵で囲まれ立入禁止になっている場所もあった。 とくに説明はなかったが,貴重な湿地(鉱質土壌湿原?)として保護されているようだ。 注4:陶史の森の標高は,最高地点でも250m前後しかない。山としてはかなり低い方だ。 現在,周囲は住宅地に囲まれている。 山の斜面がなだらかなので,仮に今後,開発が進めば,将来的には全体が丘陵地の住宅街に変わってもおかしくない場所だ。 しかし,このことが原生生物相を豊かにしている原因でもあるだろう。 傾斜がゆるやかなので,宮ノ洞川,雲五川の支流沿いには草が生え,大量の落ち葉が積もっていた。 支流沿いは川というより湿地に近い。 このため,外からやってきた原生生物の多くが流されずに定着し,時とともに種数が増えたと思われる。 傾斜の急な渓流ではこうはいかない。 注5:これまでに アンフィトレマ(Amphitrema stenostoma) が観察できた場所は以下の通り。すべて標高 1000m以上だ。 八幡平北西尾根(八幡平市,標高 1550-1600m) 大仁郷湿原(R342沿い,須川高原,東成瀬村,標高 1050m) 千沼ヶ原(雫石町,標高 1340-1370m) 月山旧参道沿い(鶴岡市/庄内町,標高 1390-1400m) 東十郎(吾妻山連峰,米沢市/北塩原村,標高 1860m) 弥兵衛平湿原(吾妻山連峰,米沢市,1820-1830m) 浄土平南の小湿原(福島市,標高 1570m) 田代山湿原(南会津町,標高 1930-1970m) 熊沢田代・広沢田代(桧枝岐村,標高 1985m) 横田代(片品村,標高 1860m) 小松原湿原(十日町市,標高 1510-1570m) 稚児池湿原(志賀高原,山ノ内町,標高 2010m) 注2の注:そういえば,毎年,多治見市は熊谷市と夏の最高気温を争っているのだから,当然といえば当然なのかも知れない。 ちなみに,この日の所沢の最高気温は 11.3℃(午後03時)。 こちらはほぼ予報通り。 名古屋は 13.9℃(午後03時)。こちらはやや高め。 |