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2011.05.15, Part XVI

親海湿原

親海湿原,木道へ入り,湿原北側を東へ進む(白馬村),14:34
既述したが,形は木製のようだが,色がおかしい。プラスチック製のようだ。 角材の表面の木目を見ると,パターンが同じ。木の型を取って整形したのだろう。


3年前の様子(2008.06.01,14:01撮影)。 この時,木道の両側は乾いていた。

4年前の様子(2007.06.04,14:19撮影)。 この時もほぼ乾いていた。

5年前の様子(2006.05.08,14:22撮影)。 時期的には今回と同じなので,あたりは水浸し状態。
親海湿原 親海湿原

親海湿原,今回は北側にも水があった(白馬村),14:34
3,4年前は6月だったので,湿原の北側はほぼ乾いていた。 しかし,今回は水があった。 雪解けから間もないのが主な原因だろう。昨日(5/14)の夕方,雨が降ったことも多少影響しているはず。

親海湿原,右に折れて南向きとなる(白馬村),14:34
1,2枚目:パノラマ撮影。 2枚目:前方を見ると,木道は途中から本物の木製になっているのがわかる。従来のまま。

親海湿原,木道を南へ(白馬村),14:35
1枚目:右に折れてすぐ撮影。 5年前(2006.05.08)と比べると,同じように湿原の北側にも水があるとはいえ,やや少なめだ。 替りに青々とした草が目立つ。わずか1週間の差なのだが・・・。天候が暖かくなっている?温暖化?
前方を見ると,大勢の訪問者が湿原を出て列をなして山裾の周回路へ入っていった。 どうやら団体のようだ。ガイドが付いていて説明をしていた。 この後も新しい?団体が木道へ入ってきた(後述)。 今回は結構賑やかだ。その原因は後でわかった。ミツガシワMenyanthes trifoliata)だ。
2枚目:まずはここで採集(親海湿原-1)。 過去の記録によれば,湿原の北側はこの後乾燥するので,その影響で原生生物は少ない。 3年前も今回と同様,北側の原生生物相は貧弱だった。
観察された生物: 小型繊毛虫数種, トリボネマ2種(Tribonema), 珪藻各種, ミカヅキモ( Closterium abruptumC. dianae), ネンジュモ(Anabaena), ワムシ, ケンミジンコ,


3年前の様子(2008.06.01,14:04-14:05撮影)。

4年前の様子(2007.06.04,14:20撮影)。

5年前の様子(2006.05.08,14:23-14:24撮影)。
親海湿原 親海湿原

親海湿原(白馬村),14:36
湿原の中央が近付くと,あたりにミツガシワMenyanthes trifoliata)が目立ち始めた。


3年前の様子(2008.06.01,14:08撮影)。 湿原北側では花は終わり実ができていた。

4年前の様子(2007.06.04,14:23-14:24撮影)。

5年前の様子(2006.05.08,14:26撮影)。 今回より1週間前だったが,花はまったく無かった。
親海湿原 親海湿原

親海湿原,木道脇で採集(白馬村),14:37
これまでの経験上,ミツガシワMenyanthes trifoliata)が生えている場所では原生生物が多いはずだが,ここはどうだろうか? 1枚目:水底を見ると水垢がたくさんある。有望だ。 2枚目:ここで採集(親海湿原-2)。 予想通り結構いた。 周囲にある単子葉はカキツバタIris laevigata)の葉だ。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.小型), キロモナス(Chilomonas paramecium), エントシフォン(Entosiphon), 小型太陽虫, ディフルギア( Difflugia), 共生藻を持つラッパムシ(Stentor fuliginosus), ウロトリカ(Urotricha), レンバディオン(Lembadion lucens), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), 小型繊毛虫数種, トリボネマ(Tribonema elegans), 珪藻各種, ヒザオリ2種(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), ミカヅキモ( Closterium baillyanumC. idiosporumC. ehrenbergiiC. striolatum), ツヅミモ( Cosmarium quadratum), アワセオオギ(Micrasterias thomasiana), チリモ( Desmidium swartzii), ユレモ(Oscillatoria), ケンミジンコ, カイミジンコ,

親海湿原,湿原中央付近(白馬村),14:38-14:39
日射しが弱いので色が出ない,,,。残念。 替わりに4年前の画像を下段に示す。


4年前の様子(2007.06.04,14:26-14:28撮影)。

親海湿原(白馬村),14:39
あたり一面,ミツガシワMenyanthes trifoliata)で覆われていた。

親海湿原(白馬村),14:40-14:41
1〜3枚目:上と同じ位置でカメラを木道付近まで下げて西側を撮影。 青空がないので色が鮮やかにならない。残念。 4枚目:下を見ると,ミツガシワMenyanthes trifoliata)の太めの地下茎?が見えた。

親海湿原,湿原の南側では木道は大きくS字状に屈曲を繰り返す(白馬村),14:42
S字状=右折〜右折〜左折〜左折

親海湿原(白馬村),14:42-14:43
1枚目:藻塊があった。 2枚目:ここで採集(親海湿原-3)。 藻塊があるとつい原生生物が多いのではと期待してしまうが,実際は逆のことが多い。 ここも同様。糸状藻の正体はアオミドロ(2種)。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.小型), 渦鞭毛虫の一種, マヨレラ(Mayorella), ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia elegans), サイフォデリア(Cyphoderia ampulla), アスピディスカ(Aspidisca), ディセマトストマ(Disematostoma minor), 小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), トリボネマ(Tribonema), 珪藻各種, サヤミドロ(Oedogonium), ヒザオリ(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra側面接合), ミカヅキモ( Closterium dianaeC. intermediumC. moniliferum), センチュウ,

親海湿原,右折した後,南〜西をパノラマ撮影(白馬村),14:44
これまでの記録から,湿原の南側は北側に比べてミツガシワMenyanthes trifoliata)の成長が遅い。 今回も南側のミツガシワの多くはまだ花が咲いていない。

親海湿原(白馬村),14:44
上と同じ位置で採集(親海湿原-4)。 今回の採集では,ここが一番原生生物が多かった(種数)。 湿原の北端は夏になると干上がるのに対して,南側は長期間(秋以降は未確認だが)水があるのが主な理由のはず。 ここは湿原の中央付近で水流が淀んでいることも幸いしているだろう。 この後,現れる水路沿いにはあまりいない。水流があると流されてしまうためだ。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.小型), アニソネマ(Anisonema), アクチノスフェリウム(Actinosphaerium), アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), コアノキスチス(Choanocystis), スファエラストルム(Sphaerastrum), サッカメーバ(Saccamoeba), マヨレラ(Mayorella), ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia pyriformis), アミカムリ(Nebela lageniformis), ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis), ディプロフリス(Diplophrys sp.), リトノタス(Litonotus dusarti ?), ラクリマリア(Lacrymaria olor), ウロトリカ(Urotricha), ホロフリア(Holophrya), メソディニウム(Mesodinium), コレプス(Coleps), ナスラ(Nassula), ディセマトストマ(Disematostoma minor), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), ツリガネムシ(Vorticella convallaria), 未同定の繊毛虫, シヌラ(Synura), トリボネマ(Tribonema regulare), タルケイソウ(Melosira), 他の珪藻各種, ヨツメモ(Tetraspora), ミクロスポラ(Microspora), ヒビミドロ(Ulothrix), クレブソルミディウム(Klebsormidium), サヤミドロ(Oedogonium), ツルギミドロ(Draparnaldia glomerata), ヒザオリ3種(Mougeotia), アオミドロ2種(Spirogyra), ミカヅキモ( C. dianaeC. ehrenbergiiC. idiosporumC. intermediumC. leibleiniiC. moniliferumC. ralfsiiC. striolatum), ツヅミモ( Cosmarium margaritiferumC. pachydermum), ホシガタモ( S. punctulatum, イボマタモ( Euastrum oblongum), アワセオオギ(Micrasterias denticulata), ハタヒモ(Netrium digitus), ワムシ, イタチムシ,

親海湿原,再度右折する(白馬村),14:45

親海湿原,右折した後の様子,この先で左折する(白馬村),14:46

親海湿原,左折すると木道に沿って水路?が続く(白馬村),14:46
2,3枚目:角の部分でウキクサが生育していた。 水路?で採集しようかとも思ったが,これまでの記録だとこの辺は原生生物が少ないのを思い出し,止めた。


4年前の様子(2007.06.04,14:28-14:29撮影)。

親海湿原,木道の途中で南〜西〜北をぐるりと撮影(白馬村),14:47
1枚目:湿原の南側。前方が最後の左折点。 2枚目:西側。前方に耕作地がある。耕作地に向ってかつての水路跡らしき溝が続いている。 3,4枚目:北側。前方をみると再び団体がやってくるのが見えた。20人以上いる(別グループも混じっているかも知れないが)。 女性のガイドが周囲の草花について熱心に説明していた。辺りが静かなのでよく聞こえる。

親海湿原,最後の左折点を過ぎた後(白馬村),14:48
1,2枚目:ここでもミツガシワMenyanthes trifoliata)が咲いていた。
3枚目:ここで採集(親海湿原-5)。 水路になっているためか,原生生物は少ない。
観察された生物: クリプトモナス( Cryptomonas ovataCryptomonas sp.), アニソネマ(Anisonema), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), デンドロモナス(Dendromonas), ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia oblonga), メタキネタ(Metacineta mystacina), ホマロズーン(Homalozoon sp.小型), コレプス(Coleps), ウロネマ(Uronema), シヌラ(Synura), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium intermediumC. leibleinii), ワムシ, ケンミジンコ, イタチムシ,

親海湿原(白馬村),14:49
1枚目:中央の葉だけの植物は? 2枚目:ネコノメソウChrysosplenium grayanum)もわずかに咲いていた。 3枚目:ミツガシワMenyanthes trifoliata)。

Part XVII: 親海湿原〜姫川源流自然探勝園〜姫川沿いを北へ
2011.05.15, 14:50 - 15:12