亜綱:主に脊椎動物寄生で、消化管とそれに付属する腺の上皮細胞にすむ。 成熟ガモントは小さく、細胞内に寄生する。グレガリナ類にみられるような連接はふつう起こらない。 生活環は、一般に、メロゴニー、ガメトゴニー、スポロゴニーの各時期からなる。 中間宿主をもつもの(heteroxenous)と、とらないもの(homoxenous)がいる。
ニワトリコクシジウム(Eimeria)、ウマニクホウシムシ(Sarcocystis)、 トキソプラズマ(Toxoplasma)、マラリヤ病原虫(Plasmodium)などがよく知られている。
目:亜綱と同じ。亜目:メロゴニーをもつ。
雌雄のガモントは独立に発育し、連接はしない。ミクロガモントは多数のミクロガメートをつくる。 接合子(zygote)は運動性がない。スポロゾイトは、オーシスト内のスポロシスト内にある。 中間宿主をとるものと、とらないものがいる。
30属以上が知られている。約半数はせきつい動物に寄生し、中にはヒトおよび家畜に病害を与える ものもいる。とくに古くからコクシジウム症の病原体して研究されてきたのが Eimeria属と Isospora属である。前者はオーシスト内に4個のスポロシストを形成する(各スポロシスト には2個のスポロゾイトが含まれる)。後者はオーシスト内に2個のスポロシストを形成する(各 スポロシストには4個のスポロゾイトが含まれる)。一方、Toxoplasma, Besnoitia, Sarcocystisは胞子虫に形態が似ているが、生活環の特徴 からコクシジウムの仲間であるとされている。宿主組織内につくるシスト状の構造は、メロゴニーで あることがわかっている。 ニワトリコクシジウム(Eimeria)、ウマニクホウシムシ(Sarcocystis)、 トキソプラズマ(Toxoplasma)などがよく知られている。
アピコンプレックス門 Apicomplexa Levine, 1970
胞子虫綱
コクシジウム亜綱 Coccidiasina Leuckart, 1879
コクシジウム目 Eucoccidiorida Leger et Duboscq, 1910
アイメリア亜目 Eimeriorina Leger, 1911
Informations
Subdivisions
属名 | 種名 | 宿主 | |
Spirocystidae科 | Spirocystis | ||
Selenococcidiidae科 | Selenococcidium | ||
Dobelliidae科 | Dobellia | ||
Aggregatidae科 | Aggregata | ||
Angeiocystis | |||
Merocystis | |||
Pseudoklossia | |||
Grasseella | |||
Ovivora | |||
Selysina | |||
Caryotrophidae科 | Caryotropha | ||
Dorisiella | |||
Cryptosporidiidae科 | Cryptosporidium | felis | ネコ(中間宿主なし) |
meleagridis | シチメンチョウ小腸粘膜 | ||
Pfeifferinellidae科 | Pfeifferinella | ||
Lankesterellidae科 | Lankesterella | ||
Atoxoplasma | |||
Schellackia | |||
アイメリア科 Eimeriidae |
Tyzzeria | perniciosa | アヒル小腸粘膜上皮 |
ニワトリ コクシジウム属 Eimeria |
tenella ニワトリ盲腸コクシジウム |
ニワトリ&野鶏 Gallus gallus, G. sonnerati, G. lafaietti, G. varius | |
adenoeides | シチメンチョウの小腸下部と盲腸粘膜 | ||
tsunodai | ニホンウズラ(Coturnix coturnix japonica) の盲腸と直腸 | ||
stiedai ウサギ肝コクシジウム |
アナウサギ(Oryctolagus cuniculus)、 ノウサギ類(Lepus americanus, L. europaeus, L. timidus)、 ワタオウサギ(Sylvilagus floridanus, S. nuttalli) | ||
bovis | ウシ、スイギュウ、バンテンの 回腸、結腸 | ||
leuckarti | ウマ、ロバの小腸 | ||
scabra | ブタの空腸、回腸 | ||
ahsata | ヒツジ、オオツノヒツジ(Ovis canadensis)、 ムーフロン(O. musimon)、アイベックス(Capra ibex sibirica)、 ヤギの空腸、回腸 | ||
Mantonella | |||
Cyclospora | |||
Caryospora | |||
Isospora | felis | 中間宿主:マウス、ラットなど 終宿主:ネコ | |
canaria | 終宿主:カナリア | ||
belli | ヒト | ||
Diaspora | |||
Dorisa | |||
Wenyonella | philiplevinei | アヒルの小腸中〜下部および直腸の粘膜上皮 | |
Octosporella | |||
Hoarella | |||
Sivatoshella | |||
Pythonella | |||
Barrouxia | |||
Goussseffia | |||
Skrjabinella | |||
Sarcocystidae科
Sarcocystinae亜科 |
ウマニクホウシムシ属 Sarcocystis |
cruzi | 中間宿主:ウシ、終宿主:イヌ、オオカミ、 アカギツネ、アライグマ |
Frenkelia | glareoli | 中間宿主:ヤチネズミ類(Clethrionomys glareolus, C. rufocanus, C. rutilus)、タカネネズミ(Arvicola sapidus)、終宿主:タカの一種ノスリ(Buteo buteo) | |
Arthrocystis | |||
Sarcocystidae科
Toxopalsmatinae亜科 |
トキソプラズマ Toxoplasma |
gondii | 中間宿主:ヒトや各種の哺乳類、鳥類 終宿主:ネコ、ボブキャット(Lynx rufus)、オセロット (Felis pardalis)、ピューマ(F. concolor)、 ジャガランディ(F. yaguaroundi) |
Hammondia (=Toxoplasma) |
hammondi =gondiiに類似 |
ネコを終宿主とする。中間宿主が必須 | |
Besnoitia | besnoiti | 中間宿主:ウシ、ヤギ、ヒツジ、インパラ、 ウシカモシカ、クーズー。終宿主:イエネコ、リピアネコ |
References