野鳥の森出入口近く,遊歩道の南にある池(東成瀬村),12:26
潅木地帯を抜けるとすぐ目の前に池があった。
池の奥には湿原が広がっているのがここからもわかる。
本当はあの湿原にある池塘へ行きたいのだが,,,。
池の周囲は潅木地帯で囲まれて縁を歩くのも大変そうだ。
最初,右側から池の縁を進んでみたが,途中,池に覆い被さるように生えた潅木を乗り越えて先に進もうとしていると,
突然,大きなハチ(おそらくクマバチ?かスズメバチ?)が私の周囲をブンブン飛び回りだした。
どうやら近くにハチの巣があるようだ。
警戒して私を追い払おうとしているのだろう。
慌てて引き返した。
野鳥の森出入口近く,遊歩道の南にある池(東成瀬村),12:27
どうにも湿原へは行けそうにないので,池の縁で採集して引き上げることにした。
池端は遠浅になっておらず,深く落ち込んでいた。水深は30 cm以上ある。
この辺はなんとなく人工的な雰囲気がする。遊歩道を敷設する際,この辺は湿地だったので土盛りをしたのだろう。
その結果としてこのような池ができた可能性が高い。
仕方がないので池端から生えた草の間にピペットを入れガサガサして水垢を吸い込んだ
(野鳥の森出入口近くの池)。
上段の画像でもわかるが,池底は全体に白い泥で覆われていて,所々に青黒いものがあった。
これは,近くにある
大仁郷湿原(下段)の水底とよく似ている。
大仁郷湿原の原生生物叢はかなり貧弱だが,同じ条件だとするとここも期待できそうにない。
結果は予想通り。原生生物はほとんどいない。
ただし,初めて見る糸状藻類がいた。
葉緑体はヒザオリのように板状だが,短く中央に括れがある。
観察された生物:
ディフルギア(
Difflugia bacillifera),
小型繊毛虫数種,
珪藻多数,
ヒザオリ(Mougeotia),
未同定の糸状藻(板状葉緑体,ヒザオリに似るが短い,p2個),
ワムシ,
大仁郷湿原の水底(2011.08.20,13:36撮影)。
入口近くは白い砂。黒いヘドロ状のものがあちこちにある。
大仁郷湿原の水底(2010.08.10,13:28撮影)。
湿原の北側,一面白い泥で覆われている。
野鳥の森出入口近く,遊歩道の南にある池(東成瀬村),12:29
立ち去る前に前方(南側)の湿原を望遠撮影。
あそこなら原生生物も豊富かも知れないのだが,,,。残念。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:32
途中にある小さな沢。
さきほどの池から溢れた水が北へ向って流れ出しているようだ。
若干だが,これまでより水量が多いように見える。
2011年08月の様子(2011.08.20,12:13-12:14撮影)。
2010年08月の様子(2010.08.10,11:15撮影)。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:35
1,2枚目:そろそろ次の目的地が近付くはずだ。
今回は,さきほどの池の南側の湿原の他,もう一ケ所,航空写真に写っていた遊歩道沿いの湿原を確認したかった。
それは,遊歩道の右手(北)にある縦長の湿原だ。
航空写真ではたくさんの池塘が写っているので,できればそこへ近付いてみたかった。
3枚目:GPSで現在地を確認。
等高線の様子でわかるが,右手(北)は結構傾斜している。
このGPSの地図もそうだが,国土地理院の地図でもこの先に小さな湿地が描いてあるが,
航空写真によると,実際はもっと広く縦長の湿原だ。湿原の北半分には無数の池塘がある様子が写っている。
野鳥の森,左に湿原に通じる遊歩道がある場所(東成瀬村),12:35
1〜3枚目:パノラマ撮影。
1枚目:「熊出没注意」の看板の位置がまた変わっていた。
2011年08月の様子(2011.08.20,12:16撮影)。
2010年08月の様子(2010.08.10,11:17撮影)。
「熊出没注意」と「栗駒 野鳥の森案内」(東成瀬村),12:36
赤ラインのルートは通行困難と書いてあるが,こちらから湿原に向ったことはない。
しかし,最初にここを訪れた時(2005.07.24,写真なし)は,大仁郷湿原側(野鳥の森案内図の左上)から野鳥の森へ向ったのだが,
(道標が倒れていたため)途中の分岐で道を間違えて,図の上にある赤ラインのルートへ入ってしまった
(当時はこのような案内図は無かった)。
そのため, 野鳥の森の湿原地帯には到達できずに,北側を通るこの遊歩道へ出てしまった。
やむなくそのまま東へ進んで,さきほどの赤川を渡って国道342号へ出て須川温泉に戻った。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:36
少し先にかつて橋があった場所がある。
距離的にはそこが北側の湿原(の南端)にもっとも近いのだが,航空写真では間が樹林帯で遮られている。
一方,ここを西に進むと,湿原からはやや距離があるが,
途中の樹木がまばらで湿原の南端近く(よりやや北)に出られるように見える。
たしかに2枚目の写真を見ると,前方の樹木はまばらで葉がなければ先が見通せそうだ。
しかし,遊歩道の右は急傾斜で,かつ,密生した潅木で覆われている。
人が出入りしたような場所がないかと探したが,どこにも斜面を下っていけそうな場所は無かった。
少し先にある窪地(東成瀬村),12:37
この辺がかつて通った際(2005.07.24,写真なし),崩落した橋があった場所だ。
現在は埋め立てられているが(地下に土管が埋設されているかも?),
窪地になっているので雪解け時や雨の多い時期には,左から水が流れ落ちるのだろう,
晴れていても常に湿り気がある。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:37
ここがかつて沢があった場所の西端だろうか?
狭い溝にかかる板を渡ると,そこから先は比較的乾いた道になる。
一面が草で覆われている。
上と同じ位置で北側を撮影(東成瀬村),12:38
遊歩道の北側。航空写真によれば,ここが北側の湿原にもっとも近い場所なのだが・・・。
木々の間から遠くに湿原らしい場所がチラリと見えたような見えないような。。。
手前は深い薮だし,その先は急傾斜で潅木が密生している。とても降りていけそうにない。
諦めた。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:40
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:42
湿原へ通じる2番目の分岐(東成瀬村),12:43
従来はここで左に入り,野鳥の森湿原へ向ったが,今回は,さきほど出入口近くの池を探索するのにしばらく時間を費やしたのと,
厳美渓からここまで強い日射しを受けてかなりバテていたので,今回はパスした。
この後は,このまま遊歩道を西へ進んで,遊歩道の北側に広がる湿原の様子を観察することにした。
画像でわかるように,木道右側の草がきれいに刈られていた。
ここへ来るまで,そしてここから先も遊歩道周辺の草や小枝が(おそらく草刈り機で)刈られていた。
毎年この時期に,歩きやすいように遊歩道の草刈りが行われるのだろう。
しかし,一ヶ月もすると下段の画像(2011.08.20,2010.08.10)のように,また木道周辺は草で覆われてしまう。
ということは,この道は手入れをしないまま数年も放置すれば,草木が繁茂して通れなくなってしまうだろう。
御苦労様です。
2011年08月の様子(2011.08.20,12:21撮影)。
2010年08月の様子(2010.08.10,11:25撮影)。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:44
1〜3枚目:パノラマ撮影。
分岐を過ぎて少し坂を下ると,このように開けた景色となる。
木道が敷設された「野鳥の森湿原」は左の高台にある(1枚目)。
また,右(2,3枚目)にも,遊歩道沿いに植栽されたと思われる潅木地帯の先に東西に細長い湿原が広がっている。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:45
木道は刈られた草で覆われている。
野鳥の森北側の遊歩道を西へ(東成瀬村),12:45
右側にある東西に細長い湿原が見え出した。
湿原の西側(画像では奥になる)には池塘が点在する。のだが・・・。
前出の案内図にある通り,この湿原は立入禁止になっている。
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