生物系素材情報のデータベース化に関する提案
生物科学系情報発信支援センターの設置について
月井雄二・木原 章・鵜川義弘 1997.6.6
要 約
インターネットは,従来のメディアでは不可能だった素材データの公開を可能にした。その好例がDNAデータベースである。だが,その他の生物系素材情報でデータベース化・ネットワーク公開されているものは数少ない。生物系素材情報は一般に画像等大容量かつ多様なデータによって構成されるため,それらをディジタル化・データベース化するのが従来は難しかったからである。しかし,近年のマルチメディア技術の急速な進歩により,そのような技術的障壁はいまや消えつつある。とはいえ,生物科学系の研究者ないし研究機関の多くは,いまだにディジタル化・データベース化を基礎とする情報発信技術に習熟していない。同時に,インターネット上には,学術情報を公開するために必要な環境条件(公開されたデータの評価システム,永続的な保存体制等)が十分に整っていない。これらの知的基盤整備の遅れも,研究者からの情報発信を妨げる要因となっている。
以上のような現状認識に基づき,我々は生物科学系研究者が自らの保持する素材データをディジタル化・データベース化してネットワークを介して情報発信することを支援する様々な技術の開発,支援体制作り等の知的基盤整備を行ないたい。
1 序 論 2 目指すべきもの 3 克服すべき課題 4 基本戦略 総合情報発信支援センターと分野別支援センターの役割分担 Web形式で公開されたデータの場合 論文投稿と分散型素材データベースの連携 DNA データベースとその他の生物系学術情報データベースの比較 5 扱うべきデータの内容 6 実施計画 情報発信支援センター構築に向けた実施計画 文 献