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2013.06.01, Part IV

琵琶沼(北岸を東へ)

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:16
1枚目:中程まで来ると沼岸近くには ミツガシワMenyanthes trifoliata) の群生が現れる。 その先,池の中央付近はすでに湿原化しているらしく,あちこちにヤマドリゼンマイが育っている。 2枚目:少し望遠にして撮影。 3枚目:さらに望遠にして撮影。

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:17
1枚目:沼岸に立つ案内板,「この沼は天然記念物なのでミズゴケをとることを禁止します」と書かれている。 琵琶沼は「く」の字形をしているが, Webにある情報によると,沼の南側(南沼)はかつてミズゴケの採集場所として利用されていたらしい。 そのため南側では元の沼の状態に戻ってしまい,現在のようなヒメカイウが大群生を作るようになったのだろう。 北側(北沼)はミズゴケが残っていて湿原化が進行しているようだ。 同じ沼なのに北と南では植生がかなり異なるのはそのためらしい。
2枚目:これは3年前に撮影した角に立つ「琵琶沼湿原の植生図」 (2010.11.02,13:54撮影)。 1993年に調査した結果らしいが,不思議なことにここにはヒメカイウの名前がない。 現在は,あれほど大量にいるが,1993年当時は目立たなかった? 「ミツガシワ群落など」という部分にヒメカイウも含まれるということだろうか? 南沼の沼岸近くには「ヒツジグサ・ジュンサイ群落」が広がっているように描いてあるが, これまで見たところ「ヒツジグサ・ジュンサイ」の姿はない。 20年の間に植生もだいぶ変化しているようだ。

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:17-11:18
1枚目:「北沼」の中心付近の様子。 2枚目:やや望遠で撮影。 3,4枚目:望遠モードを最大にしてパノラマ撮影。 盛り上がった部分はミズゴケで,そこにヤマドリゼンマイやミツガシワの姿がある。 中心部には水たまりが残されているが,ここがやがて高層湿原に移行した際には,あの辺が池塘として残るのだろうか?

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:18
1〜3枚目:いつもの採集ポイントの前でパノラマ撮影。
当然ながらここもだいぶ水位が下がっている。 沼岸近くの落ち葉の上に足を置いてもさほど沈まない。それだけ干上がってから時間が経過しているのだろう。 その先は枯枝などの上に足を置いて,水のある場所まで手を伸ばして採集した。

琵琶沼,北岸沿い(山辺町),11:19
ここで採集(琵琶沼-02)
観察された生物: アスタシア(Astasia sp.), エントシフォン(Entosiphon), メノイディウム(Menoidium gracile), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), リピドデンドロン(Rhipidodendron), 小型鞭毛虫数種, 太陽虫の一種, ナベカムリ( Arcella vulgarisArcella sp.), ディフルギア( Difflugia claviformisD. penardiDifflugia sp.), トリネマ(Trinema sp.), パラコンディロストマ(Paracondylostoma setigerum), リトノタス(Litonotus sp.), コレプス(Coleps heteroacanthus), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), アスピディスカ(Aspidisca), レンバディオン(Lembadion bullinum), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), 棘毛類繊毛虫, デンドロモナス(Dendromonas), オフィオキチウム(Ophiocytium capitatum, バキュオラリア(Vacuolaria virescens), フタヅノクンショウモ(Pediastrum duplex), イカダモ( Scenedesmus quadricauda), ボツリオコッカス(Botryococcus braunii), ミクロスポラ(Microspora), アオミドロ(Spirogyra), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), ホシガタモ( Staurastrum johnsonii に似るが頂辺の中央が窪む,腕が下がる), ミカヅキモ( Closterium sp.), イボマタモ( Euastrum exile), アルスロデスムス( Arthrodesmus convergens), ミクロキスティス(Microcystis), ワムシ, ケンミジンコ, センチュウ,

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:20
ミズナラQuercus crispula,ブナ科 コナラ属) の実生。

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:20-11:21
ここが次の採集ポイント。さきほどと同様,遊歩道が沼岸近くを通る地点だ。

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:21
斜面側には見なれない木の葉が。これは??
これは ツノハシバミCorylus sieboldiana,カバノキ科 ハシバミ属) (2015.01.30追記)。

琵琶沼,北岸沿い第2の採集ポイントでパノラマ撮影(山辺町),11:21
ここはすぐ近くまで ミツガシワMenyanthes trifoliata,ミツガシワ科 ミツガシワ属) の群生が広がっている。

琵琶沼,北岸沿い第2の採集ポイント(山辺町),11:21
1,2枚目:やや望遠にしてパノラマ撮影。

琵琶沼,北岸沿い第2の採集ポイント(山辺町),11:21-11:22
1,2枚目:望遠モードを最大にしてパノラマ撮影。 今回はすでに花が終わっているが,4年前の5月初旬(2009.05.10)に訪れた際には白い花が咲いていた(下段)。


2009年05月の様子(2009.05.10,11:32撮影)。

琵琶沼,北岸沿い第2の採集ポイント(山辺町),11:22
1,2枚目:沼岸の様子。ここもだいぶ水位が下がっている。 沼岸近くは落ち葉の上に足を下ろせるので,その分採集しやすい。

琵琶沼,北岸沿い第2の採集ポイント(山辺町),11:23
ここで採集(琵琶沼-03)
観察された生物: アスタシア(Astasia sp.), エントシフォン(Entosiphon), カリキモナス(Calycimonas physaloides), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), リピドデンドロン(Rhipidodendron), クラスルリナ(Clathrulina elegans), サッカメーバ(Saccamoeba), コロトネベラ(Korotnevella), コクリオポディウム(Cochliopodium sp.), ナベカムリ( Arcella vulgarisArcella sp.), ディフルギア( Difflugia elegansD. oblongaDifflugia sp.), ペロミクサ(Pelomyxa) コレプス( Coleps heteroacanthus), ウロトリカ( Urotricha agilisU. platystomaUrotricha sp.), ウロスティラ(Urostyla), スチロニキア(Stylonychia), ディセマトストマ(Disematostoma bütschlii), レンバディオン(Lembadion bullinum), 棘毛類繊毛虫, デンドロモナス(Dendromonas), バキュオラリア(Vacuolaria virescens), ドゥセリエラ(Ducelliera tricuspidata), クロロモナス(Chloromonas), イカダモ( Scenedesmus quadricauda), ジクチオスフェリウム(Dictyosphaerium), キルクネリエラ( Kirchneriella contortaK. lunaris), Quadrigula, イトクズモ(Ankistrodesmus falcatus), サヤミドロ(Oedogonium), ヒザオリ(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), ミカヅキモ( Closterium dianae), ホシガタモ( Staurastrum connatumS. forficulatumS. iotanum), アルスロデスムス( Arthrodesmus convergensA. incus), オクトカンチウム( Arthrodesmus octocornis), ツヅミモ( Cosmarium amoenum, イボマタモ( Euastrum praemorsum 初観察), 未同定の糸状藻, ワムシ, ケンミジンコ, イタチムシ,

琵琶沼,北岸沿い(山辺町),11:24
コシアブラEleutherococcus sciadophylloides, syn. Acanthopanax sciadophylloides,ウコギ科 ウコギ属)

琵琶沼,北岸沿い(山辺町),11:25
動物の糞らしいものが落ちていた。 これまでこの琵琶沼周辺ではクマの糞らしきものは一度も見かけたことはなかった。 これがクマの糞かは不明だが,ここで動物の糞を見たのは初めてだ。 靴でひっくり返してみると,毛らしきものの塊だった。 糞だとすれば,主にほ乳動物を捕食している動物の糞だろう。 クマではない可能性が高い。

琵琶沼,北岸沿いを東へ(山辺町),11:25-11:26
これは クルマバソウAsperula odorata,アカネ科 クルマバソウ属)
最近もどこかで撮影したような記憶がある(花は咲いていなかったが)。 さてどこだろう??
葦毛湿原だった(下段,2013.08.11追記)。 だがしかし,こちらはクルマバソウではなさそうだ。葉の外形は似ているが,表面の様子がことなる。 また,実の形はまったく異なる(2015.01.31追記)。


2013年04月の様子(2013.04.27,13:37-13:38撮影)。

琵琶沼,北東端近くまで来た,これまで同様,ここでUターン(山辺町),11:26
1枚目:「琵琶沼湿原の植物」。左隣に琵琶沼の地図もあった(はず)。


2011年11月の様子(2011.11.02,11:30撮影)。

琵琶沼,北東端近く(山辺町),11:26
沼側に標柱が倒れている。 これは以前から倒れていた(はず)。 おそらく南端に(一昨年まで)立っていた 「山形県指定,天然記念物,琵琶沼」の標柱と同じものだろう。 ただし,この標柱?は,書かれている字を探したが見当たらなかった。地面側を向いているのかも。

Part V: 琵琶沼(北岸沿いを西へ〜西岸沿いを南へ)
2013.06.01, 11:26 - 11:41