(=アクラシス綱 Acrasea / フサハリガイ亜綱 Guttulinia)
アクラシス類は腐植土壌中,植物遺体中,糞中などに単細胞アメーバの状態で生息し,細菌や菌類を捕食して 増殖する。アメーバ細胞は一つの葉状仮足を出し,運動速度が速く,細胞の前後の区別が明瞭である(リマックス型)・ 飢餓状態になると,集合して,柄も胞子も細胞性の子実体を形成する。しかし,いずれの細胞も発芽してアメーバに なりうる。Acrasis,Pocheina属では,条件によりむち型鞭毛を有する細胞になる。細胞性粘菌は、 変形菌、 葉状根足虫類ネグレリア、 微胞子虫、 キネトプラスト、 ミドリムシ、 ディプロモナス とともに分子系統学的に原始的な真核生物(クラウン生物群以外の生物;注)と考えられている。
ちなみに、アピコンプレクサは繊毛虫、渦鞭毛虫と単系統を形成する アルベオラータ群に含まれる。注:ミトコンドリアをもつ生物の多くは生物進化上ほぼ同時期に出現したことが化石と 分子系統学から示唆される。この短期間に分岐した生物群を「クラウン生物群」という。
ミトコンドリアをもたない微胞子虫、ネグレリア,ディプロモナス(これらをアーケゾアという)や, ミトコンドリアをもつ細胞性粘菌、キネトプラスト,ミドリムシ(メタゾア)は, クラウン生物群よりも前に分岐しているため,これらを Basal Eukaryotesと呼ぶことがある。
Metakaryota上門
Heterolobosa門 Heterolobosa
アクラシス綱 Acrasea
(Hausmann & Hülsmann「Protozoology」2nd ed.)
細胞性粘菌門 Acrasiomycota
アクラシス綱 Acrasea
(「五つの王国」)
アクラシス門 Acrasea
(「Handbook of Protoctista」)
アクラシス菌門 Acrasiomycota
(「生物学辞典 第4版(原生動物界の菌類)」)
有毛根足虫門(肉質鞭毛虫門) Sarcomastigophora Honigberg & Balamuth, 1963
肉質虫亜門 Sarcodia Schmarda, 1871
根足虫上綱 Rhizopodea von Siebold, 1845
動菌綱 Mycetozoea
フサハリガイ亜綱 Guttulinia Olive, 1970
(「生物学辞典 第4版(原生生物界に属する動物)」;「An Illustrated Guide to the Protozoa」)
アクラシア綱 Acrasea Shroter, 1886
(「原生動物図鑑」)
Subdivisions
(「Ainsworth & Bisby's Dictonary of Fungi」 8th ed.)
アクラシス菌綱 Acrasiomycetes
アクラシス菌目 Acrasiales =フサハリガイ目 Guttulinida |
アクラシス科 Acrasiaceae | Acrasis |
コプロミクサ科 Copromyxaceae | Copromyxa | |
Fonticulaceae | Fonticula | |
Guttulinaceae | Pocheina (=Guttulina), Guttulinopsis |
References
<変形菌門, 動菌類で掲載>
<タマホコリカビ門, 細胞性粘菌類で掲載>