レトルタモナスの二重型と考えられている。 細胞には1〜2本の 核鞭毛糸(karyomastigont)がある。 各々の核鞭毛糸には1〜4本の鞭毛(したがって計8本の鞭毛)と 1個の核(したがって計2個の核)およびそれに附随する小器官からなる。 2個の核鞭毛糸をもつものは左右対称である。ふつう鞭毛のうちの 1本は後方に向かい、細胞口と関連している。
ミトコンドリア、ゴルジ体をもたない。分裂の際、核内に紡錘糸ができる。
シストを形成する。 寄生性または自由生活性。 ジアルジア属(Giardia)は吸盤(sucker)によって、ヒトやサル、ブタなどの腸管粘膜に 付着する。これが大量増殖すると宿主の消化を妨げ、出血性下痢(ランブリア赤痢)となる。
エンテロモナス亜目(Enteromonadina)とディプロモナス亜目(Diplomonadina)からなる (注;目にする場合もある;下記参照)。
ディプロモナスは、 細胞性粘菌、 変形菌、 葉状根足虫類ナエグレリア類、 微胞子虫、 キネトプラスト、 ミドリムシ、 とともに分子系統学的に原始的な真核生物(クラウン生物群以外の生物;注)と考えられている。
注:ミトコンドリアをもつ生物の多くは生物進化上ほぼ同時期に出現したことが化石と 分子系統学から示唆される。この短期間に分岐した生物群を「クラウン生物群」という。
ミトコンドリアをもたないPelobionta、微胞子虫、ネグレリア、ディプロモナス(これらをアーケゾアという)や、 ミトコンドリアをもつ細胞性粘菌、キネトプラスト、ミドリムシ(メタゾア)などは、 クラウン生物群よりも前に分岐しているため、これらを Basal Eukaryotesと呼ぶことがある(?)。
Dimastigota 亜界 Hülsmann & Hausmann, 1994
Tetramastigota上門 Tetramastigota Hülsmann & Hausmann, 1994
レトルタモナス門 Retortamonada Grasse, 1952
ディプロモナス綱 Diplomonadea Wenyon, 1926
(Hausmann & Hülsmann「Protozoology」)
真正鞭毛虫門 Zoomastigina
ディプロモナス Diplomonads
(「五つの王国」)
有毛根足虫門(肉質鞭毛虫門) Sarcomastigophora Honigberg & Balamuth, 1963
鞭毛虫亜門 Mastigophora Diesing, 1866
動物性鞭毛虫綱 Zoomastigophora Calkins, 1909
ヒゲハラムシ目 Diplomonadida Wenyon, 1926
エンテロモナス科(Enteromonadidae)
Hexamitidae科
(「An Illustrated Guide to the Protozoa」;「生物学辞典」)
ディプロモナス目 Diplomonadida Wenyon, 1926 emend. Brugerolle, 1975
エンテロモナス亜目 Brugerolle, 1975 emend. Kulda et Nohynkova, 1978
ディプロモナス亜目 Wenyon, 1926 emend. Brugerolle, 1975
(「原生動物学入門」;「原生動物図鑑」)
Giardia
Subdivisions
ディプロモナス綱
エンテロモナス目 Enteromonadida エンテロモナス科 Enteromonadidae |
Caviomonas | hominis |
Enteromonas | hominis | |
Trimitus | hominis | |
ディプロモナス目 Diplomonadea Hexamitidae科 |
ヘキサミタ属 Hexamita |
free-living or endozoic: inflata, intestinalis, salmonis, periplanetai, cryptocerci, meleagridis, muris |
トレポモナス属 Trepomonas |
free-living or endozoic: agilis | |
Trigonomonas | free-living or endozoic: | |
ヤツヒゲハラムシ属 Giardia (ランブル鞭毛虫) |
parasitic: lamblia, intestinalis, muris, caviae, agilis | |
Octomitus | parasitic: | |
Spironucleus | parasitic: |
References