1000種以上が記載されているが、すべて寄生性。膠胞子虫綱は変温動物(おもに魚)に寄生し、 放線胞子虫綱は主に環形動物に寄生する。生活環は、栄養生殖期、胞子形成期、および胞子期 からなる。 胞子は多核の状態から生じるのが特徴である。1個または2個以上の 極嚢 (polar capsule)と胞子原形質 (sporoplasm)をもつ。胞子膜は1個〜3個、ときには4個以上の殻(valve) をもつ。各極嚢内には極糸(polar filament) が1本、ラセン状に収まっている。微胞子虫(Microspora)と 粘液胞子虫(Myxozoa=膠胞子虫&放線胞子虫)をあわせて 極嚢胞子虫門(Cnidosporidia)と呼ぶこともある。 (「五つの王国」)
極糸をもつ点では微胞子虫と似ているが、微胞子虫では極糸の放出により宿主の腸管内上皮細胞に侵入する が、粘液胞子虫の極糸は宿主内での胞子の固定用として利用される。
「粘液胞子虫は、特異な胞子を形成し、その胞子を介して、硬骨魚や環形動物に寄生する微細な生物である。 粘液胞子虫は、一般的に原生生物に属する一つの門として扱われているが、その胞子が多細胞であることや、 胞子に存在する極嚢と呼ばれる構造が刺胞動物の刺胞に似ていることから、後生動物と類縁性があるのでは ないかともかんがえられていた。
Smothersらは、粘液胞子虫の18S rRNAの分子系統解析を行い、粘液胞子虫が後生動物の一員であること を示した。しかし、期待された刺胞動物との類縁性は否定され、驚くべきことに三胚葉性動物群のクラスター に含まれることがわかった。
・・・中略・・・
体制の単純なニハイチュウ類が退化した三胚葉性動物であると示唆されたことを考慮すると、粘液胞子虫 においても、寄生生活に対する高度な適応の結果、信じられないような形態の退化が生じた可能性が高い。」 (上島、「科学」、Vol.66, No. 4, p.269, 1996)
ということでこのグループは、原生生物ではない可能性もある。
ただし、一方の微胞子虫 は同じ分子系統解析の結果、原生生物の中でも原始的なグループとされている。
極嚢胞子虫門 Cnidosporidia
粘液胞子虫目 Myxosporida
放線胞子虫目 Actinomyxida
粘液胞子虫門 Myxozoa Grasse, 1970
875種
LINKS
Subdivisions
膠胞子虫綱 Myxosporea
粘液胞子虫類 |
ツムガタムシ目 Bivalvulida 双殻類 |
Ceratomyxa, Chloromyxum (コイシノウネンエキムシ), Coccomyxa, Leptotheca, Myxidium (ウナギツムガタムシ), Myxobolus, Myxoproteus, Myxosoma, Sphaeromyxa, Sphaerospora (フナタマホウシムシ) | |
ロクノウホウシムシ目 Multivalvulida 多殻類 |
Hexacapsula (ロクノウホウシムシ), Trilospora | ||
放線胞子虫綱 Actinosporea | スファエラクチノミクソン目 Actinomyxida アクチノミクサ類 |
Sphaeractinmyxon, Tetractinomyxon, Triactinomyxon |
References