古沼(みなかみ町), 10:43
1,2枚目:突き当りには様々な案内板やら標柱がある。だいぶ汚れている。
古沼(みなかみ町), 10:44
1〜4枚目:さらに近付いて左〜前〜右をパノラマ撮影。
既述したように,タクシーの運転手によると昨日はだいぶ雨が降ったとのことで,沼の水位がだいぶ上がり,
柵を越えて水が溢れていた。
昨年(2007.10.21)干上がりかけていたのとは大違い。
ちなみに下段が昨年の様子。
なお,昨年は日射しがあったので色がくっきりとしているが,今回はすでに日射しが弱いため色彩が乏しい。
2007.10.21, 12:38撮影
古沼(みなかみ町), 10:44
水辺の様子。水は澄んでいる。
ここは柵の外側。本来であれば水がない場所だが,このように水際が柵を越えた位置にある。
古沼(みなかみ町), 10:47
1枚目:ザックから採集道具を出してセット。
2枚目:あまり原生生物は期待できないが,と思いつつ,とりあえず採集(古沼-1)。
しかし,結果は予想外。原生生物がたくさんいた。
ということはこの柵の外側にある水が長期間滞留していた可能性を示唆する。
ということは・・・(以下,後述)。
観察された生物:
クリプトモナス(Cryptomonas),
スポンゴモナス(Spongomonas intestinum),
リピドデンドロン(Rhipidodendron),
ミドリムシ(
Euglena schmitzii,
E. spirogyra,
Euglena sp.),
ウチワヒゲムシ(
Phacus circulatus?,
P. torta),
トラケロモナス3種(Trachelomonas),
アニソネマ(Anisonema),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.),
太陽虫の一種,
サッカメーバ(Saccamoeba),
未同定の裸性アメーバ,
ナベカムリ(Arcella),
ディフルギア(
Difflugia),
トリネマ(Trinema sp.),
モナス(Monas guttula),
シヌラ(Synura),
バキュオラリア(Vacuolaria virescens),
珪藻各種,
クラミドモナス(
Chlamydomonas capensis,
Chlamydomonas sp.),
キルクネリエラ(Kirchneriella contorta),
Quadrigula,
アステロコッカス(Asterococcus superbus),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium ehrenbergii,
P. nodosum,
P. trabecula),
ミカヅキモ(
Closterium angustatum, 注,
C. dianae,
C. gracile,
C. idiosporum or C. pronum ?,
C. ralfsii,
C. setaceum,
C. striolatum,
C. toxon),
ホシガタモ(
Staurastrum lunatum,
S. pseudosebaldi,
S. teliferum),
イボマタモ(
Euastrum affine,
E. binale?,
E. exile ?),
アワセオオギ(Micrasterias apiculata),
Sphaerozosma,
チリモ(Desmidium coarctatum),
ゴンフォスフェリア(Gomphosphaeria ),
Aphanothece,
ワムシ,
古沼(みなかみ町), 10:48
1〜3枚目:同じ位置から再度前方をパノラマ撮影。色彩が・・・。
古沼(みなかみ町), 10:49-10:50
1〜3枚目:沼の東方向をパノラマ撮影。この時,東側に日射しが落ちてきたため,急に明るくなった。
色彩も急変する。
古沼(みなかみ町), 10:50-10:51
1〜3枚目:これまで東側の岸辺は乾燥していたので採集しなかったが,
今回は柵の近くまで水があったので近付いて採集することにした(古沼-2)。
結果は以下のようで,今回は非常にたくさんの原生生物が観察できた。
ここはこれまでは水位の上下変動が激しく,そのためもあってか原生生物はあまり観察できなかったが,
今回は違った。
考えられる理由は,今年は例年になく雨量が多く,しかも継続して降ったため,
沼の水が干上がることがなく長期間水位が安定していたのかも知れない(注1)。
そのため,もともと生息していた原生生物が繁殖して数が増し,観察できるようになったのだろう。
注1:気象庁の気象統計情報を見ると,
群馬県みなかみ町では,
2005年6〜9月の降水量は99, 333, 230, 142 mm(平均201 mm),
2006年6〜9月の降水量は131, 354, 46, 217 mm(平均187 mm),
2007年6〜9月の降水量は236, 184, 183, 166 mm(平均192 mm)
だが,
今年2008年6〜9月の降水量は229, 207, 451, 116 mm(平均251 mm, 去年の1.3倍)
と多かったことがわかる。
この降雨量の差が影響していると思われる。
注2:この後訪れた大峰沼でも例年にない変化があった。岸辺の水垢の量が例年になく少なかったのだ。
大峰沼には堰があり,水位が一定以上になると外の水路に溢れ出る構造になっている。
今年は雨が多かったため多くの水垢(ここに原生生物がたくさんいるのだが)が流し出されてしまった可能性が高い。
観察された生物:
クリプトモナス(Cryptomonas),
ゴニオモナス(Goniomonas),
カラエリヒゲムシ(Salpingoeca)?,
ミドリムシ(
Euglena sp.),
ウチワヒゲムシ(
Phacus acuminatus,
P. circulatus?,
P. torta,
P. undulatus),
トラケロモナス(
Trachelomonas volvocina),
エントシフォン(Entosiphon),
アカントキスチス(
Acanthocystis sp.
棘の先端が漏斗状 初観察,
スファエラストルム(Sphaerastrum),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.,
サッカメーバ(Saccamoeba),
マヨレラ(Mayorella),
コロトネベラ(Korotnevella),
ナベカムリ(Arcella gibbosa),
フセツボカムリ(Centropyxis),
スピロストマム(Spirostomum ambiguum),
ディセマトストマ(Disematostoma),
バキュオラリア(Vacuolaria virescens),
珪藻各種,
イカダモ(Scenedesmus),
Quadrigula,
キルクネリエラ(Kirchneriella contorta),
アステロコッカス(Asterococcus superbus),
サヤミドロ(Oedogonium),
ヒザオリ(Mougeotia),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium trabecula),
ミカヅキモ(
Closterium angustatum, 注,
C. cynthia,
C. dianae大中小あり,
C. gracile,
C. idiosporum or C. pronum ?,
C. intermedium,
S. iotanum,
C. lunula,
C. ralfsii,
C. setaceum,
C. toxon),
ツヅミモ(
Cosmarium quadrifarium,
C. ornatum,
C. portianum),
ホシガタモ(
S. connatum,
S. hantzii,
S. iotanum,
S. lunatum,
S. pseudosebaldi,
S. sebaldi?,
S. teliferum,
S. sexangulare),
イボマタモ(
Euastrum affine),
タテブエモ(Penium margaritaceum),
アワセオオギ(
Micrasterias apiculata,
M. papillifera,
M. rotata),
Sphaerozosma,
チリモ(
Desmidium coarctatum,
D. swartzii),
古沼(みなかみ町), 10:53
1,2枚目:さらに東端まで移動して採集(古沼-3)。
観察された生物:
クリプトモナス3種(Cryptomonas),
ウチワヒゲムシ(
Phacus circulatus?),
ペラネマ(Peranema),
アメーバ・プロテウス(Amoeba proteus),
ポリカオス(Polychaos sp.),
ディスクアメーバ(Discamoeba sp.),
コクリオポディウム(Cochliopodium),
ナベカムリ(
Arcella gibbosa),
トゲフセツボカムリ2〜3種(Centropyxis),
ディフルギア(
Difflugia penardi,
Difflugia sp.),
ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis),
アミカムリ(Nebela collaris?),
ユーグリファ(
Euglypha sp.1
長い棘が縁に6本,先端が膨らむ初観察,
Euglypha sp.2),
トリネマ(Trinema sp.),
ディアフォロドン(Diaphoropodon),
ディプロフリス(Diplophrys sp.),
コレプス(Coleps),
コンディロストマ(Condylostoma),
アスピディスカ(Aspidisca),
小型繊毛虫数種,
珪藻各種,
イカダモ(
Scenedesmus sp.),
Ankistrodesmus,
キルクネリエラ(Kirchneriella contorta),
サヤミドロ(Oedogonium),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium nodosum),
ミカヅキモ(
Closterium angustatum,
C. dianae,
C. intermedium,
C. lunula,
C. ralfsii,
C. toxon),
ホシガタモ(
Staurastrum pseudosebaldi),
イボマタモ(
Euastrum affine,
E. sinuosum),
アワセオオギ(
Micrasterias rotata),
コエロスフェリウム(Coelosphaerium),
ミジンコ,
古沼(みなかみ町), 10:55
採集を終え,登山道に戻ろうとしたところ,岸辺の黒土が抉られていた。
後述するように,これはもしかするとイノシシの仕業かも・・・。
黒土を見て,現在行なっている実験を思い出し,そのサンプルとして使用するために少々採らせてもらう。
古沼(みなかみ町), 10:56-10:57
これはセアカツノカメムシ(Acanthosoma denticauda)。
大峰山登山道へ戻る(みなかみ町), 10:58
上述の沼岸の土もそうだが,古沼と登山道の間の遊歩道の土があちこちで掘り返されていた。
この場所はいつも湿っていて,時にぬかるむが,今回はさほどぬかるんでもいないのに,道の中央部が深く抉られていた。
ヒトの足跡にしてはおかしい。もしかするとイノシシ?の仕業?
大峰山登山道(みなかみ町), 11:00
登山道へ戻り再び坂を上がる。
大峰山登山道(みなかみ町), 11:02
1,2枚目:前方に人の姿が見える(2枚目)。
今回は秋真っ盛りということもあり,登山者が多い。
大峰山登山道(みなかみ町), 11:02-11:03
1〜3枚目:これは??()。
一部の葉が黄色に変化して目立っていた。
大峰山登山道(みなかみ町), 11:05
途中にある傾斜が急なS字カーブ。ここだけ舗装してある。
日射しがなくなったためピンぼけ。
大峰山登山道(みなかみ町), 11:07
1,2枚目:まもなく大峰沼。
登山口から上り始めたのが10:30。今回は古沼にやや長めに滞在したため,ここまで来るのに40分ほどかかった。
ちなみに前回は,同様に古沼に立寄ったにもかかわらず,25分(12:27-12:53)しかかかっていない。
しかし,5度目ということもあってか,今回は登山口からここまでアッという間に着いた感じがした(注)。
注:もしかすると,体調が良かったのも影響しているかも知れない。登っていく際にほとんど疲労を感じなかったので,
その分,時間が短かく感じたのかも。あるいはボーッとしていて時間感覚がなかった?
今回の歩行ルートを標高差のみ示すと,,
登山口(標高870m)→大峰沼(標高1000m)→登山道の途中まで(標高1179m)
登山道の途中(標高1179m)→大峰沼(標高1000m)→登山口(標高870m):ここまで309mの登り降り
登山口(標高870m)→上毛高原駅(標高438m):432mの下りのみ
下る途中で立寄った溜池(3ケ所)までの往復で計100m(40+20+40)。
ということで登りが計409m(309+100),下りが計841m(309+432+100)となる。
歩いた時間は5時間20分(10:30〜15:50)。
杖は,標高1179m地点から大峰沼へ降りる際に若干使っただけで,他では使わなかった。
だが膝に疲労感はあったものの痛みは発生しなかった。
替りに太ももの筋肉痛になった。
Part III: | 大峰沼(北岸〜西岸〜南岸) 2008.10.12, 11:07 - 11:25 |