研究資材データベース構築&公開ガイド |
4-4. 利用者との交流 |
いうまでもないことだが,ネットワークは情報の流れが双方向性である点が従来のマスメディアとは異なる大きな特徴である。したがって,データベースを公開する際には,一方的に情報を発信するだけでなく,利用者からの意見や要望を受信する体制をとっておくことが望ましい。それはたんに利用者へのサービスというだけに留まらない。利用者からの意見(批評)や要望を受けることによって,データベースをより役立つもの,実用性のあるものへと改良していくこともできるからである。
後述するように,現在のネットワークには,学術情報にとって不可欠な評価(品質管理)システムが欠けているが,このような利用者からの意見は,いわば公開された内容への評価でもある。したがって,これらの意見を取り入れることで,公開したデータベースをより学術的価値の高いものへと向上させることが可能となる。
ただし,従来の科学(情報媒体は印刷)における評価はいわゆる同僚評価(Peer Review)が主であるが,ネットワーク上で公開された学術情報については,専門家どうしの評価だけでなく,広く一般の眼からみた評価も行なわれることになる。
これは従来の科学にはほとんどなかった新しい特徴であり,このような形の評価には功罪両面があると思われる。
しかし,かりにマイナス面もあるとしても,学術研究が公的資金によって賄われている以上,社会への説明責任を果たすという意味で,一般からの評価に応えていくことが望ましい。
研究資材データベースの場合,もともと資材情報を利用してもらうために公開をするのであるから,利用者からの要望として一番多くあると予想されるのが,公開した画像等の資材データの二次利用願いである。
この他,利用者が増えるにつれ,利用者から届く質問や意見は,類似した内容のものが多くなる可能性が高い。その場合,個々の質問や意見に個別に返事を書いていたのでは対応しきれなくなるので,過去に届いた質問や意見の内容とそれへの対応をQ&A形式でまとめてweb page化しておくか,あるいは,掲示板形式の web pageを準備して,個々の利用者とのやりとりを他の利用者も閲覧できるようにおくのが良い。こうすれば,同じ内容の質問が繰り返されるのを減らすことができるはずである。
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