研究資材データベース構築&公開ガイド
back 4-3. データ更新の際の留意点 forward

 Webサーバを構築する場合,始めから完全なものを作るのは無理である。当然ながら,最初は作り慣れていないし,デジタル化されている資材データの量も少ない。そのため,始めは比較的単純なファイル構成でサーバをスタートさせ,公開を続けながら,序々にデータを追加/更新していくことになる。とくに研究資材データベースの場合,最初はデータ量が少なくても,やがてはかなりの数のデータが公開されるようになるはずであるし,また,そうなるべきである。

ファイルの再配置,ファイル名の変更は極力避ける

 ところがそうなってくると問題になるのがファイルの再配置の必要性と,それに伴うトラブルである。データ量が少ない比較的初期の段階では,作成に慣れていないこともあって,すべてのファイル(htmlテキストと画像ファイルなど)を同じ階層(あるいは同じディレクトリないしフォルダ)に配置してしまいがちである。しかし,やがてデータ量が増えてくると,同じディレクトリに数十,数百のファイルを置くようになるが,こうなるとファイル名をつけるのも大変になるし,なにより数が多いために作業する際に,必要なファイルを見つけるだけでも大変な手間がかかってしまう。

 そこで,ファイルは,その種類,内容ごとに異なるディレクトリに仕分けし,場合によってはサブディレクトリといった異なる階層を用意してデータの配置がわかりやすいように工夫をした方がよいことに気づいてくる。場合によっては,よりわかりやすいようにファイル名も変えたいと思うようになるかも知れない。

 しかし,サーバを公開してからある程度時間が経過していると,サーバにあるデータは検索エンジンによって収集され,利用者の多くがその検索エンジンにある情報を元に,サーバへアクセスしてくるようになる。このため,不用意にサーバ内のファイルの配置を変えたり,位置は変えずともファイル名を変更してしまうと,とたんにそれまでアクセスできたファイルにユーザーがアクセスできなくなってしまう。これではせっかく時間をかけて認知度を上げてきた過程が無駄になってしまい,ふりだしに戻ってしまうことになる。

 以上のような事態に陥らないためには,データベース構築の比較的初期の段階で,将来ファイルが増えすぎた場合は,ディレクトリの追加,階層化等によって新規ファイルを追加できるようにして,従来からあるファイルの配置やその名前は変えずに済むように,あらかじめファイル配置を考えておいた方がよい。

サーバのアドレス変更も極力避ける

 同じ理由で,サーバのアドレス(Domain Name)も不用意に変えるべきではない。サーバ管理者の移動,大学や研究所の組織変えなどで,やむなくDomain Nameを変えざるをえない場合もあるが,その際は,情報センターにお願いして,旧Domain Nameでもアクセス可能なように,Domain Nameの読み替え(旧→新)を移行措置として実施してもらう方がよい。そして,その間に,新アドレス名の周知徹底をはかり,序々にユーザーが新アドレスでアクセスしてくるようになったのを確認してから旧アドレスの完全廃止をすればよい。

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