湯沢市
苔沼湿原
Part I: 入口〜南東岸沿い
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2009.6.27 ウオッちず で位置確認

苔沼湿原の前でタクシーを降りる(県道51号 湯沢栗駒公園線,湯沢市川向,かわむかい),13:01
1〜4枚目:苔沼湿原の南東側を通る脇道(角に案内板がある)の前でタクシーを降りた(注)。 ここまで8500円也。 降りたところで左前右をパノラマ撮影。 1枚目:西側。こちらから来た。 2,3枚目:苔沼湿原へ向う脇道。乗車してきたタクシーがまだ停車中。 4枚目:東側。この先に五才沼(ござぬま,後出)がある。

注:駅からタクシーに乗車したのが12:25より少し前なので,ここに着くのに35ないし40分かかったことになる。 それで8500円はやや割高? ちなみに,先日,荒沢湿原(宮城県)へ行った際は,50分弱で8000円余。 その前の「山形県 県民の森」 の時は30分弱で6000円だった。 移動距離がわからないと正確な比較はできないが, タクシー料金は,秋田県の方が山形県よりも若干高めに設定されているようだ (参照)。

道路の反対側,桁倉沼側に立つ案内板(湯沢市川向),13:01
上段と同じ位置で後ろに立つ周辺案内図を撮影。 タイトルは「森と暮らしを守る治山事業」。

苔沼湿原入口と脇に立つ「コケ沼湿原植物群落」の案内板(湯沢市川向),13:02
1,2枚目:タクシーが去った後,あらためて苔沼湿原の南東沿いを通る未舗装道の入口をパノラマ撮影。 1枚目:角にある「コケ沼湿原植物群落」の案内(注)。 その下には「秋田県天然記念物 昭和43年10月15日指定」とある。

注:ここには「標高約580メートルに位置し・・・」と書かれているが, 国土地理院の地図で見るかぎり標高は約550ないし560mしかない。 この不一致の原因は不明。

苔沼湿原,入口を入るとすぐにこのような景色が広がる(湯沢市川向),13:02
1〜3枚目:未舗装道に入ってすぐパノラマ撮影。 苔沼は,「>」字形をしているが,その大半,とくに,ここに写っている南半分はほとんどが浮島(注1)で覆われている。 ただし,沼岸には, 先日(2009.5.10)訪れた山形県 県民の森にある 琵琶沼と同様,帯水域があり, 水域と岸辺の境界は明瞭(注2)。

注1:上段の「コケ沼湿原植物群落」の案内板にそう書かれているので,それにしたがった。 しかし,水深はそれほどなさそうなので,一部はすでに水底とつながって浮島ではなくなっているのかも知れない。
注2:よって,ここは(狭義の)湿原というよりは沼に近いが(あえて言えば,低層ないし中間湿原?,注3), 他では「苔沼湿原」という表記が多く用いられているので,ここでもそれに倣った。 実態としては,上記の琵琶沼とほぼ同じなので「湿原」を削って「苔沼」としてもおかしくはない,と思う。 国土地理院の地図等では「苔沼」のまま。
注3: 日本の重要湿地500では,ここの湿地タイプを「高層湿原」としてある。 たしかに泥炭層はたまっているのかも知れないが, 岸辺から見るかぎり,ミズゴケ類が主体の雨水だけで涵養されている貧栄養の湿原(=高層湿原)には見えない。 ここは北国ではあるものの標高がかなり低い(560m?)ので,典型的な湿原の姿からは外れてしまうのかも。

苔沼湿原,道路上に草の塊が・・・(湯沢市川向),13:03
しばらく進むと,道の真ん中に大きな草の塊があった。 これは牧草を刈取って円筒形に固めたもののようだ。 これがある理由がこのあとすぐにわかった。

苔沼湿原,湿原の東岸は牧草地?だった(湯沢市川向),13:04
1,2枚目:草の塊を過ぎたところで前方をパノラマ撮影。 沼岸に向って刈取りが終ったばかりの牧草地が広がっていた(注)。

注:苔沼湿原じたいは上記のように「秋田県天然記念物」に指定されているので, おそらく個人の所有ではないと思うが,牧草地は私有地のはず。 もしかすると,天然記念物に指定される前は沼じたいも私有地だったのかも・・・。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:04
刈取りが済んだ牧草地を歩いて沼岸へ。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:04
沼岸に近付いてパノラマ撮影。 沼岸が近付くと,(既述したように)前方の浮島と岸辺の間に帯水域があった。 牧草地は沼岸ぎりぎりまで迫っている。 そのため,もし農薬等が使用されていた場合,その影響が心配されたが杞憂だった(後述)。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:06
沼岸で採集道具をセット。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:07
1〜3枚目:沼岸から湿原をパノラマ撮影。 岸辺には帯水域があるが,沼のほとんどは浮島で覆われている。

苔沼湿原(標高約580m,湯沢市川向),13:07-13:08
1,2枚目:沼岸の右と左で採集(苔沼湿原-1,-2)。 結構いた。
観察された生物: Gymnodinium, キストディニウム(Cystodinium), ミドリムシ(Euglena mutabilis), ウチワヒゲムシ( Phacus pyrumPhacus sp. やや湾曲した長楕円形,中央に溝あり 初観察), エントシフォン(Entosiphon), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), 小型鞭毛虫数種, アカントキスチス( Acanthocystis penardiAcanthocystis sp. ? penardiに似るが棘の種類が多い,共生藻も大きめ 初観察), ラフィディオフリス(Raphidiophrys sp.), サッカメーバ(Saccamoeba), トゲフセツボカムリ( Centropyxis aculeataC. constricta), ディフルギア( Difflugia acuminataDifflugia sp.), Lesquereusia, ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema sp.), ウロトリカ(Urotricha), プロロドン(Prorodon sp.), クリスチゲラ(Cristigera phoenix), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), ストケシエラ(Stokesiella), マルロモナス(Mallomonas), 珪藻各種, クラミドモナス(Chlamydomonas sp.), クンショウモ(Pediastrum boryanum), イカダモ( Scenedesmus sp.1Scenedesmus sp.2), コエラストルム(Coelastrum reticulatum), Quadrigula, キルクネリエラ(Kirchneriella), クルキゲニア(Crucigenia quadrata ?), ボツリオコッカス( Botryococcus braunii), ゲミネルラ(Geminella), ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), オニノカナボウ(Triploceras gracile), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), カメガシラモ(Tetmemorus brebissonii), ミカヅキモ( Closterium dianae ? 帯がある, libellulaC. lunulaC. setaceum), アルスロデスムス( Arthrodesmus extensus v. elongatusA. octocornis), ツヅミモ( Cosmarium contractumC. decoratum ?, C. dianaeC. pseudoquinariumC. quadrifariumC. setaceumC. striolatumCosmarium sp.), イボマタモ( Euastrum ansatum var. pyxidatum), ホシガタモ( Staurastrum connatumS. gracileS. polymorphum v. groenbladiiS. punctulatumS. subavicula), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ( Penium cylindrusP. rufescens), Bambusina brebissonii Achromatium oxaliferum ケンミジンコ, ミジンコ, ワムシ, イタチムシ,

苔沼湿原(湯沢市川向),13:09
1,2枚目:同じ位置から望遠撮影。 1枚目:少し興奮してシャッターを押したせいか,ピンぼけ。 2枚目:浮島にはすでに潅木も育ちつつある。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:10-13:11
1枚目:いったん道路に戻り,さらに奥へ。 2枚目:晴れてはいるが,うすく霞みがかかった状態のため青空にならない。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:11
1〜3枚目:パノラマ撮影。北端部が見えてきた。 沼の北側には浮島のない場所がある。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:12
ほどなく前方に大きな機械と,さらにその奥にトラックが停まってなにやら作業をしているのが見えた。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:12-13:13
1〜3枚目:そのトラックの全体が見えたところで,再度,パノラマ撮影。 ここからは沼の北端部(1枚目)がよく見える。 3枚目:トラックの上には女の子がいた。 その先にはクレーンがあり,さきほど見たのと同じ大きな牧草の塊がトラックの荷台に乗っていた。 この後,私が沼岸に近付こうとすると「写真撮影ですか?」と声をかけてきた。。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:13
1,2枚目:ほぼ同じ位置から沼と反対側の斜面をパノラマ撮影。 丘の上では,牧草を刈取りながら円筒形に固める装置(ロールベーラー, Roll Baler というらしい)を付けたトラクターが大きな音をたてて作業をしていた。 周囲には,円筒形に丸められた牧草の塊がいくつもあった。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:13
1,2枚目:パノラマ撮影。 さきほどと同様,斜面を降りて沼岸で採集をしようとしたが,,,。

苔沼湿原(湯沢市川向),13:14
1,2枚目:沼岸が近付いたところで再度,パノラマ撮影。 ここは牧草地と沼の間に潅木地帯というか草木が生い茂り,沼岸に近付くことができなかった。 右(沼の北東岸)を見ると,ここにも岸辺には帯水域が続いていた。 そこで北東岸へ近付いてみた。

Part II: 北東岸沿い〜入口 2009.06.27, 13:15 - 13:43

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