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2010.06.13, Part VI

宮床湿原(4)

宮床湿原(南会津町),11:50

宮床湿原(南会津町),11:51
1,2枚目:パノラマ撮影。 前方にまた橋(2枚目)が現れた。 ここは湿原の南東端。橋の下の水路は,湿原から溢れた水が外へ出る場所のようだ。 流れ出た水は沢を下って東にある鹿水(かなみず)川へ注いでいる(国土地理院の地図による)。 既出した湿原の案内図によれば,橋の少し先で,左に「普通林道 山神・界線」へ通じる遊歩道が分岐しているはずだが,,。 薮に覆われていてそれらしい道は見当たらない。 ただ,画面を見てわかるように,左側は木々も少なく開けているように見える。 おそらく,かつては沢沿いに左へ進む分岐があったが,ほとんど歩かれていないため現在は道がわからなくなっているのだろう。 春先,葉が生い茂る前に来れば,確認できるかも知れない。 3枚目:参考までにここにも湿原南西端にある案内図(前回撮影)を示しておく。案内図の左が北。

注:後になって気付いたが,橋の手前に狭い通路があるのに気付いた(1枚目の左端)。 道があるのを意識せずに撮影したため,画面にギリギリ端になってしまったが, あきらかにこれは人が歩く通路だ。現在歩いている遊歩道に比べるとかなり道幅が狭いが・・・。
もしかすると,これが「普通林道 山神・界線」へ通じる遊歩道なのかも知れない。 しかし,地図や案内図では,橋の先に遊歩道があるように描いてある。 この通路は橋の手前なので,案内図等と一致しない。 「普通林道 山神・界線」へ通じる遊歩道とはまったく関係ない可能性もある。 山中には地図にない道があったり,地図に描いてある道が実際にはなかったりすることはよくあるので, この画像だけではなんとも判断ができない。 機会があれば確かめてみたい。
前回(2008.6.15),この宮床湿原から駒止湿原へ向かうためのルートを検討したが, その際,ここから「普通林道 山神・界線」へ出られれば,南の国道を通らずに駒止湿原へ到達できること発見した。 林道を南下(鹿水川沿いを遡上)すると,途中で尾根(標高1080m)を越えて玉川林道へ入るのだが, そこを南下すれば駒止湿原のすぐ脇へ出ることができる。 こちらのルートの方が距離的には短い。また,山の中を通るので,駒止峠越えのような大きなアップダウンをしなくて済む (標高850〜1080 mの間を移動する。駒止峠越えの場合は,標高550〜1130 mとかなりの標高差がある。 なにより移動距離が長い。おそらく2倍程度)。 しかし,事前の調査によると,玉川林道へ至る途中が荒れていて通行困難なのと, 玉川林道じたいも未舗装で結構荒れているらしいので,自転車で通るのは困難と判断し,結局,南の国道を通って, 駒止峠越えをするルートを選んだ。

宮床湿原(南会津町),11:51
1枚目:橋の脇で大きく葉を広げたミズバショウLysichitum camtschatcense)。 2枚目:橋の縁にある丸太の上にあった動物の糞。 最初はクマの糞かと思ったが,道のまん中ではないこと(これまではほとんどすべて道の中央にある大きな石の上などにあった), また,糞の中に動物の毛のようなものが混じっていることからクマではないかも知れない。 肉食系のキツネやイタチ?かも。

宮床湿原(南会津町),11:52
橋の先に立つ注意書き。 ここで周回路は大きく右に折れ,西向きとなる。 左の笹薮を見ると,なんとなくかつては通路があったようにも見える。目の錯覚? 間違っていなければ,ここが上記の「普通林道 山神・界線」へ通じる遊歩道の分岐だったはず。

宮床湿原(南会津町),11:52-11:53
足下ではミヤマニガイチゴRubus microphyllus var. subcrataegifolius) が咲いていた。

宮床湿原(南会津町),11:53-11:54
目の高さにタニウツギWeigela hortensis)の蕾みがあった。

宮床湿原(南会津町),11:56
1,2枚目:パノラマ撮影。周回路を西〜西北西に進むと, 途中に「相思相愛の樹」と書かれた標柱があった。右を見ると,2種の木が密着していた。相思相愛。

宮床湿原(南会津町),11:57
1枚目:その近くで採集(宮床湿原-7)。 この辺は湿原の南東端。 宮床湿原は北西から南東にかけて若干だが傾斜しているようだ。 そのため木道の入口があった北西側は高層湿原で,南東へ向けて徐々に標高が下がるため, 相対的に水位が上昇し,高層湿原から中間湿原,そして,低層湿原へと変化しているようだ。 2枚目:既出したが,参考までに前回(2008.6.15)撮影した「宮床湿原案内図」をここにも示しておく。 ここは湿原から水が外へ出る出口近くなので,雪解け時などはかなりの水流があるのだろう。 原生生物はあまり多くない。 また,日当たりが悪いせいか木道周辺に多くいたアワセオオギはまったくいない。他の藻類も同様。 観察できたのは,ほとんどが鞭毛虫や肉質虫など腐食性の環境に生息する種類。
観察された生物: 小型鞭毛虫数種, アクチノスフェリウム(Actinosphaerium), ディフルギア( Difflugia bacilliferaD. elegans), Pontigulasia, クアドルレラ(Quadrulella symmetrica), ユーグリファ(Euglypha cristata), トリネマ(Trinema sp.), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), 小型繊毛虫数種, ドゥセリエラ(Ducelliera tricuspidata), バキュオラリア(Vacuolaria virescens), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), イタチムシ, センチュウ,

宮床湿原(南会津町),11:58
1枚目:周回路沿いには色々な草木が育ちつつあった。 これはクルマバツクバネソウ(Paris verticillata)? かと思ったが,どうも葉脈の様子が異なる。 前回は今回と逆向きで西側の周回路を歩いたが,そこでもこれを見かけた。 どうやらクルマバハグマPertya rigidula,キク科コウヤボウキ属)というらしい。 2,3枚目:これは前回撮影したもの(2008.6.15,11:20撮影)。

宮床湿原(南会津町),11:59
1,2枚目:パノラマ撮影。 湿原の南縁を西北西に向かって歩く。 この辺の道沿いは,浅い水たまり,あるいは,ほとんどぬかるみに近い状態が続く。

宮床湿原(南会津町),11:59
ふたたび道端の水辺で採集(宮床湿原-8)
観察された生物: ペラネマ(Peranema), 小型鞭毛虫数種, トリネマ(Trinema sp.), スチロニキア(Stylonychia), ロクソフィルム(Loxophyllum), ツリガネムシ(Vorticella), 小型繊毛虫数種, 未同定の藻類, ウシケノリ(Bangia), イタチムシ,

宮床湿原(南会津町),12:00-12:01
少し行くと,水際にニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)? がいた。周囲が薄ぐらいのと,10倍ズーム+デジタルズームで撮影したので,モザイク画像のようになってしまった。 今回は,このニホンカナヘビをここだけでなく,この後訪れた矢ノ原湿原でもたくさん見かけた。

宮床湿原(南会津町),12:02
1枚目:湿原の南縁に沿って歩く。 2枚目:右を見るとあちこちで大きく葉を広げたミズバショウ)が目に入った。

宮床湿原(南会津町),12:03
ふたたびニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)?に遭遇。

宮床湿原(南会津町),12:06
このチョウはヤマキマダラヒカゲNeope niphonica月井栄三郎氏による同定)

宮床湿原(南会津町),12:06-12:07
ここでも採集(宮床湿原-9)
観察された生物: アスタシア(Astasia kathemerios), カリキモナス(Calycimonas physaloides), 小型鞭毛虫数種, マヨレラ(Mayorella), ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia oblongaD. pyriformis), ディプロフリス(Diplophrys sp.)かその仲間, キロドントプシス(Chilodontopsis), プロロドン(Prorodon sp.), ウロトリカ(Urotricha), コレプス(Coleps heteroacanthus), ミクロトラクス(Microthorax), 棘毛類繊毛虫, 小型繊毛虫数種, 珪藻各種,

宮床湿原(南会津町),12:08-12:09
これは??

Part VII: 宮床湿原(5)〜大曽根湿原入口
2010.06.13, 12:09 - 12:57