南会津町(旧南郷村) |
宮床湿原 |
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南郷スキー場の南,標高850mに位置する湿原。
駒止峠をはさんで南東には駒止湿原がある。
駒止湿原ほど知名度は高くないが,動植物の豊かさでは引けをとらないばかりか,むしろ勝るほど。
原生生物相に関しては,完全にこちらの方が上。
この違いの原因として,次のようなことが考えられる。 駒止湿原は沢の源流部に位置しており,湿原内のあちこちに水路がある。 池塘は見当たらずほとんどが高層湿原(ないし比較的乾いた草原)である。 安定した水環境がないため,原生生物が定着しにくいといえる。 これに対して,この宮床湿原は,西から東にかけて高層湿原,中間湿原,低層湿原が並ぶという多様な環境からなる。 西側には水路があるものの水流はほとんど認められないし,東側にはやや干上がりかけてはいるが,池塘も多数存在する。 これらの条件が幸いして宮床湿原には多くの原生生物が生息していると思われる。 今回(2008.06.15)だけで120種の原生生物(珪藻を除く)が観察できた。 これは一度の観察結果としては,過去最高の値である(注)。 種組成としては,他の地域では比較的希なアワセオオギ( Micrasterias)が, 種類数,細胞数ともに非常に多かった。他の接合藻類(ミカヅキモ等)も豊か。 一方,ツヅミモ,ホシガタモ類は比較的少なめ。 また,今回,初観察となる種もいて,ここの原生生物相の豊かさを示していた。 これからも何度か訪れてみたい湿原である。 ただし,近くを通る公共交通機関がなく,アクセスが不便な点が難。 観察された原生生物名一覧(現在 233 種*) * 月井栄三郎氏の 採集(2009.5.30)により新たに27 種が追加された(122→150)。 *2010.6.13 の採集により,新たに 36 種が追加された(150→186)。 * 月井栄三郎氏の 採集(2011.9.24)により,新たに12 種が追加された(186→198)。 * 月井栄三郎氏の 採集(2012.6.7)により,新たに 6 種が追加された(198→204)。 * 月井栄三郎氏の 採集(2012.7.20)により,新たに 17 種が追加された(204→221)。 * 月井栄三郎氏の 採集(2013.6.2)により,新たに 12 種が追加された(221→233)。 注:その後,唐津市の 樫原湿原で二度目のサンプリング(2008.9.9)を行なったところ,この日のサンプルだけで170種が観察できた。 よって現在は第二位。 |
2008.06.15
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2010.06.13
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