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2008.06.15, Part II

宮床湿原(1)

宮床湿原に到着(南会津町),10:43
1枚目:坂を上がりきると,道が二叉に分かれている場所に出た。ここは湿原の南西端。 左側に案内板が3つ立っている。 2枚目:「宮床湿原の植生」。 3枚目:「宮床湿原案内図」。この図は左が北。 ピンぼけになってしまったが,この図には,南郷スキー場へ向う道の他に,南を通る山神林道へ向う道も描いてある。 また,この図では湿原を周回する遊歩道と湿原内に敷設された木道を横切る水路(小清水へ通じている)が描いてある。

宮床湿原,木道入口へ(南会津町),10:44
1枚目:左側。湿原西縁を通る遊歩道。 2枚目:右側。湿原南縁を通る遊歩道。 ここは左(北)へ。

宮床湿原,木道入口へ(南会津町),10:46
1枚目:湿原の西縁を北に向かって進む。 2枚目:この辺?で右にカーブ。湿原の北縁沿い?に変わる。 3枚目:途中,茂みの隙間から湿原が垣間見れた。 4枚目:案内図にあった小清水へ通じている水路を越える(丸太を並べた橋を通る)。

宮床湿原,木道入口に到着(南会津町),10:47
湿原の北西端が近付くとまた看板が現れた(注)。ここが木道の入口。

注:この位置がはっきりしない。 先にあった案内図では湿原北西端よりもやや南に下がったところに入口が描いてあるが, 国土地理院の地図を見るとほぼ北西端か,それよりもさらに進んだ位置(すなわち北縁を東に進んだ位置)に木道入口が描いてある。 どちらが正しいのか?それともどちらも多少とも位置がずれているのか?・・・。

宮床湿原,木道入口(南会津町),10:47
1枚目:遊歩道側。 2枚目:右を見ると奥の湿原に向って木道が続いていた。1本のみ。 画像には写っていないが,木道の途中にある案内板の近くには数名の家族連れがいた。 また,この後,続々と私の後からも訪問客がやってきた。 そのため,1本しかない木道はやや混雑した。 事前の調査では,この宮床湿原は訪問客の少ない湿原として紹介されていたのだが・・・。 今日は日曜で久しぶりの好天,さらに,今はワタスゲのシーズンということでたまたま訪問客が多かったのかも。 いずれにしても今後は木道の整備(2本にするか, 長野県白馬村にある 親海湿原のようにバリアフリーの桟橋状の木道にするか)が必要だろう。

宮床湿原,木道入口(南会津町),10:49
なにはともあれ自転車を案内板の支柱にワイヤーキーでくくりつけて木道へ。

宮床湿原,木道へ(南会津町),10:49
木道に入ると,少し先に既述した案内板があり,その側に3(4?)名の家族連れがいた。 狭い木道のためすれ違うのが大変。

宮床湿原(南会津町),10:49-10:50
入口近くの茂みの脇で咲く ニッコウキスゲHemerocallis middendorffii var. esculenta)。 しかし,ここ以外ではニッコウキスゲの花はほとんどみかけなかった。

宮床湿原(南会津町),10:50
1〜3枚目:湿原が見渡せる位置で,まずは周囲をパノラマ撮影。 この辺は高層湿原ということだが,ワタスゲやレンゲツツジ,ニッコウキスゲ,それに潅木が混在していた。

宮床湿原(南会津町),10:50
1枚目:案内板に近付くが,家族連れはまだ記念撮影をしていたので,追い越させてもらった。 ワタスゲEriophorum vaginatum)。

宮床湿原(南会津町),10:51
追い越した後,湿原名の入った案内板を手前にして前方(東)を撮影。 木道の先にも人影が見える。

宮床湿原(南会津町),10:51-10:52
案内板のすぐ先に水路らしき場所があった。 これが,先に見た「宮床湿原案内図」に描かれていた湿原内を通る水路だろう。 水流はあまりなさそうなので,とりあえず 採集(宮床湿原-1)。 採集している間に,後から湿原内に入ってきた団体(7,8名?)が私を追い越していった。 木道は1本だがやや幅広なのでギリギリですれ違うことができる。
観察された生物: アメーバ・プロテウス(Amoeba proteus), ディフルギア2種(Difflugia sp.), 未同定の糸状根足虫, ユーグリファ(Euglypha acanthophora?), ウロレプタス(Uroleptus), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), 珪藻各種, ブルボケーテ(Bulbochaete), ヒザオリ2種(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium dianaeC. pronumC. ralfsiiC. striolatumClosterium sp.), ツヅミモ2種(Cosmarium sp.), ホシガタモ(Staurastrum alternans v. subalternans?), ハタヒモ(Netrium digitus), アワセオオギ(Micrasterias denticulata), ワムシ, クマムシ,

宮床湿原(南会津町),10:52-10:53
ほぼ同じ場所の木道の反対側でも 採集(宮床湿原-2)
観察された生物: 太陽虫の一種, バンピレラ(Vampyrella), サイフォデリア(Cyphoderia ampulla), ウロレプタス(Uroleptus), フロントニア(Frontonia depressa), ディセマトストマ(Disematostoma minor), 珪藻各種, エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ボツリオコッカス(Botryococcus sudetica), ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium dianaeC. ralfsiiC. striolatumClosterium sp.), ツヅミモ(Cosmarium sp.), ホシガタモ(Staurastrum alternans v. subalternans), ハタヒモ(Netrium digitus), ワムシ,

宮床湿原(南会津町),10:54
少し行ったところにわずかな水たまり?があった。 表面にあるわずかな水(ないし泥)をピペットですくうようにして 採集(宮床湿原-3)。 原生生物がたくさんいた。
観察された生物: ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.), ヘレオペラ(Heleopera), アミカムリ(Nebela sp.), フセツボカムリ( Centropyxis aculeata), ディフルギア( Difflugia bacillariarumD. oblonga), バンピレラ(Vampyrella), ラッパムシ(Stentor igneus, 共生藻類有り), コンディロストマ(Condylostoma), プロロドン(Prorodon), ツリガネムシ(Vorticella convallariaV. microstoma), ディセマトストマ(Disematostoma minor), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), シュードコニレンバス(Pseudocohnilembus), 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), 共生藻を持つプラチオフリア(Platyophrya similis), ヒカリモ(Chromulina), シヌラ(Synura), 珪藻各種, Asterococcus, エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ボツリオコッカス( Botryococcus braunii), Botryococcus sudetica, ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium ehrenbergiiP. minutumP. trabeculaP. nodosum), カメガシラモ( Tetmemorus granulatusT. laevis), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. baillyanumC. dianaeC. pronumC. intermediumC. ralfsiiC. rostratumC. striolatumClosterium sp.), ツヅミモ( Cosmarium contractumC. pseudopyramidatumCosmarium sp.), イボマタモ( Euastrum ampullaceumE. didelta), トゲツヅミモ(Xanthidium armatum), アワセオオギ( Micrasterias apiculataM. ceylanicaM. denticulataM. rotataM. truncata), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ(Penium polymorphum), ネジモ( Spirotaenia condensataS. obscura), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), ネンジュモ(Anabaena), Hapalosiphon, ワムシ, イタチムシ2種,

宮床湿原(南会津町),10:55
ワタスゲEriophorum vaginatum)と レンゲツツジRhododendron japonicum)。

宮床湿原(南会津町),10:56
1枚目:振り返って入口方向を撮影。やや傾いてしまった。 ヤマドリゼンマイ?Osmundastrum cinnamoneum)。 2,3枚目: タテヤマリンドウGentiana thunbergii var. minor)。 小さいのでマクロ撮影をしようとしても,なかなかピントが合わない。

宮床湿原(南会津町),10:57-10:58
1枚目:モウセンゴケDrosera rotundifolia)がわずかにあったので撮影しようとしたら, 2枚目:木道の脇にセミの死骸があった。 これはおそらくエゾハルゼミTerpnosia nigricosta)。

Part III: 宮床湿原(2)
2008.06.15, 10:58 - 11:12