ソーセージ状の巨大アメーバ。体長100μm〜4mm。単一仮足で前端部は半球状。その外縁が小波状に 突出してゆっくり漸進する。まれに体側から1〜2本の仮足を出すこともある。
核はあるが(多核;数個〜数百個;球形で直径 5〜18μm)、 染色体、 小胞体、 ゴルジ体、 ミトコンドリア、 中心粒をもたない。 知られているのは Pelomyxa palustris を含む4種のみだが、そのユニークな特徴からきわめて 原始的な真核生物であると考えられている。
ミトコンドリアをもたないが、細胞内には核の周辺に集まるタイプと細胞質に散在するタイプの 二種類の共生細菌がいて、ミトコンドリアの替わりをしていると思われる。
注:ミトコンドリアをもつ生物の多くは生物進化上ほぼ同時期に出現したことが化石と 分子系統学から示唆される。この短期間に分岐した生物群を「クラウン生物群」という(Knoll 1992)。
ミトコンドリアをもたない微胞子虫、 ネグレリア、 ディプロモナスや、ミトコンドリアをもつ 細胞性粘菌、 キネトプラスト、 ミドリムシなどは、 クラウン生物群よりも前に分岐しているため、 これらを Basal Eukaryotesと呼ぶことがある。
カリオブラステア門 Caryoblastea
(「Handbook of Protoctista」;「五つの王国」)
有毛根足虫門(肉質鞭毛虫門) Sarcomastigophora Honigberg & Balamuth, 1963
肉質虫亜門 Sarcodia Schmarda, 1871
根足虫上綱 Rhizopoda von Siebold, 1845
葉状仮足綱 Lobosea Carpenter, 1861
裸性葉状根足虫亜綱 Gymnamoebia Haeckel, 1862
ペロミクサ目 Pelobiontida Page, 1976
(「生物学辞典」;「An Illustrated Guide to the Protozoa」)
無殻アメーバ亜綱 Gymnamoebia Haeckel, 1862
ペロミクサ目 Pelobiontida Page, 1976
(「原生動物図鑑」)
Subdivisions
カリオブラステア綱 Caryoblastea
ペロミクサ目 Pelobiontida | Pelomyxa (ペロミクサ) | palustris, belevskii, schiedti, binucleata |
References