繊毛虫類 にみられる有性生殖法。
合体(copulation)では2個の配偶子の合一により1個の接合子となるが, 接合では接着した2つの細胞は核交換(後述)の後,分離して2細胞に戻る。細胞質の融合は起きない。
接合する2細胞を接合体(conjugant)とよぶ。
ゾウリムシ (Paramecium caudatum)の場合は,両接合体は 囲口部(peristome)で接着する。 接合の途中で各々の大核は崩壊して消失する。小核は2回の分裂(減数分裂)により4個となり,そのうちの3個は消失し1個だけが残る。 残った核はふたたび分裂して(これは通常の有糸分裂)2個になり,1個は静止核としてその 接合体に残るが,他方は移動核として接着部を経て相手の細胞内に入る。同時に,相手からも 移動核が入ってくる結果,移動核の交換が起こる。その後,移動核と静止核が融合して受精核 となる。
その後,2つの接合体は分離するが,受精核は3回分裂して8つとなる。3回目の分裂は細胞の両端(先端部と 後端部)に向かって分裂が起こるが,後端部に移動した核が将来の大核となり,先端部が小核になるという 核分化が起こる。 (参照: Nuclear events during/after conjugation by K. Mikami )
接合は一般に同形接合(isogamous conjugation)だが,ツリガネムシでは大小の差が明瞭で 異形接合(anisogamous conjugation)とよばれる。
Stylonychia, Metopusなどでは接合中に細胞が融合することがあり,これを全接合(total conjugation) という。