採集地で出会った生き物達 |
コウキクサ Lemna minima
ウキクサ科 アオウキクサ属 |
沼の原湿原(妙高市),
2010.05.09, 10:25
木道脇に大量のウキクサを発見。
ミジンコウキクサ(Wolffia globosa,長さ0.3-0.8 mm)かと思ったが,
葉状体が大きすぎる。
また,ミジンコウキクサには根は無いらしいが,これには先端に丸みのある根が1本ずつある(4枚目)。
どうやら,これはコウキクサ(Lemna minor,長さ3-4.5 mm)のようだ。
4枚目の画像から葉状体は指紋の5, 6本分の長さがある。
私の指紋6本は幅約3 mmなので,大きさから云ってもコウキクサにほぼ間違いない。
このような高地の湿原でウキクサを見たのは初めて。
高地といってもここの標高は820〜840 m なので平地で見かける植物も進入しやすいのかも知れない。
ここはもともと耕作地として利用されていた場所なので,その影響もあるのかも。
沼の原湿原(妙高市),
2010.05.09, 10:25
コウキクサで覆われた水面から顔を出したミツガシワ(Menyanthes trifoliata)の新芽。
沼の原湿原(妙高市),
2011.09.29, 10:22
前回と同じ場所で前回同様,
コウキクサ(Lemna minor,長さ3-4.5 mm)が水面を覆い尽くしていた。
沼の原湿原(妙高市),
2015.05.17, 12:28-12:29
1枚目:これは何だろう?小さく,細長い葉がたくさん浮かんでいる。
初めて見た。
なにげなく撮影しただけなので,この時撮影した画像はこれだけ。
手にとるなどして,もっと詳しく撮影すればよかった。残念(注)。
3枚目: 下記のように,12:21に採集したサンプルの中に,この種名不明の植物が数個体混入していた。
これをHyponexを含む培地に移して10日後(2015.05.27)の様子がこれ。
詳しくは画像をクリック。
色々調べた結果,やっとそれらしいものが見つかった。
ウキゴケ(カヅノゴケ,カズノゴケ,Riccia fluitans,ゼニゴケ目 ウキゴケ科 ウキゴケ属)
というらしい。
2枚目:隣には,前回もあった
コウキクサ(Lemna minor,長さ3-4.5 mm,ウキクサ科 アオウキクサ属)が群生していた。
注:前頁,12:21に採集したサンプル(沼の原湿原-04)中に
大量のアオミドロとともにこのウキクサ?が数個体混じっていた(現在,培養中)。
中央に筋が入った帯状の葉で,途中で分枝する。先端の中央部が若干窪んで2つに分かれている。
実体顕微鏡で観察すると,葉の下(後半部)から直接細かな根が出ていた。
ウキクサの特徴だ(注2)。
ということでしばらくの間,ウキクサ類を調べたが,なかなか似たものが見つからない。
しかし,2015.05.28になって「floating plant」で検索したところ,やっと見つかった。
注2:よく見ると水面に顔を出しているのは先端部だけ。後方は水没している。
Wikipediaには「水中に生育するときは仮根を持たないが,陸上に生育するときはまばらに仮根をつける」
とあるが,この画像にあるものにはしっかり仮根がある。
湿原なので湿った土壌に近いのかも知れない(水位が下がれば水ではなく湿った土壌になるはず)。
あるいは,Riccia fluitansではなく別の種かも知れないが,,(注3)。
注3:ウキゴケの仲間には,コハタケゴケ,ハタケゴケ,イチョウウキゴケ,カンハタゴケなどがあるらしい。
コハタケゴケの可能性もあるが,どちらかといえば,ウキゴケ(カヅノゴケ)に近い。
ウキゴケは絶滅危惧種だそうだ。
沼の原湿原(妙高市),
2015.05.17, 12:33
この辺にも
コウキクサ(Lemna minor,長さ3-4.5 mm)
がたくさんいる。
見沼自然公園(さいたま市緑区南部領辻),
2011.03.19, 12:51
これはミジンコウキクサ(Wolffia globosa)?かと思ったが,
短いものの根がある。ミジンコウキクサには根がないらしいので,どうも違うようだ。
私の指紋は2本で 1 mm弱なので,葉のサイズは 2 x 1 mm程度。
ヒナウキクサよりはあきらかに小さい。
コウキクサ(Lemna minima)のようだ。
ただし,昨年(2010.5.9),
沼の原湿原(斑尾高原,妙高市)
で見たものに比べてより小さく形が整っている(下段)。
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