南会津町
黒岩湿原
Part III: 黒岩湿原〜戸板峠〜多々石林道
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2014.10.25 ウオッちず で位置確認

黒岩湿原,中央にある細長い池塘(南会津町),13:26
西側の縁を北へ向って少し進むと,このように草地と水際が混在していた。

黒岩湿原,中央にある細長い池塘(南会津町),13:27
1,2枚目:パノラマ撮影。
一時的に水位が上昇して水際が広がった可能性もあるが, 水底を見ると結構水垢がある。 かなり以前からこの辺も常時,水に浸っていることがわかる。

黒岩湿原,中央にある細長い池塘(南会津町),13:28
ここで 採集(黒岩湿原-02)
ここも ハタヒモ( Netrium digitusN oblongum) が目立ったが, 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium)と, 共生藻を持つアンフィトレマ(Amphitrema stenostoma) もいた。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, カリキモナス(Calycimonas physaloides), 小型鞭毛虫数種, ディフルギア( Difflugia bacillifera), ヘレオペラ(Heleopera), 共生藻を持つアンフィトレマ(Amphitrema stenostoma), 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), 小型繊毛虫数種, Chlorobotrys, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium idiosporum 大型), ハタヒモ( Netrium digitusN. oblongum), タテブエモ(Penium polymorphum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), ワムシ, ミジンコ, ケンミジンコ, ソコミジンコ, センチュウ,

黒岩湿原,北端からの眺め(南会津町),13:28
1〜3枚目:細長い池塘の北端から南を向いてパノラマ撮影。

黒岩湿原,北端部分(南会津町),13:28
池塘に近付くと,ここもやはり水際が草地に広がっていた。 ここでも採集したが,サンプリングチューブを撮影するのを忘れた (黒岩湿原-03)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena mutabilis), 小型鞭毛虫数種, 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), Chlorobotrys, ヒザオリ(Mougeotia), カメガシラモ(Tetmemorus laevis かなり短い), ミカヅキモ( C. idiosporum 大型), ハタヒモ( Netrium digitusN. oblongum), タテブエモ(Penium polymorphum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), ミジンコ, ケンミジンコ,

黒岩湿原,湿原の東縁中央付近からの眺め(南会津町),13:29
1〜3枚目:最初の地点の対岸まで移動してパノラマ撮影。 1枚目:池塘の南端。 2枚目:中央部。私が置いたザックが対岸にある。 3枚目:池塘の北端。

黒岩湿原,池塘の東縁(南会津町),13:29
ここでも 採集(黒岩湿原-04)
ここからは急に有殻アメーバが目立ち始めた。 高地の湿原に多い アミカムリ(Nebela)や, 比較的珍しいヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis) など,色々いた。
観察された生物: 小型鞭毛虫数種, 小型太陽虫, ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia bacillifera), ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis), アミカムリ(Nebela collaris), ヘレオペラ(Heleopera), Argynnia, 共生藻を持つアンフィトレマ(Amphitrema stenostoma), コレプス(Coleps), Chlorobotrys, ヒザオリ(Mougeotia), ツヅミモ( Cosmarium cucurbita v. latius), ハタヒモ( Netrium digitus多数, N. oblongum), メソテニウム(Mesotaenium macrococcum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), Achromatium oxaliferum, ミジンコ, ケンミジンコ,

黒岩湿原,池塘の南端からの眺め(南会津町),13:30
ここでも採集したのだが,またサンプリングチューブを撮影するのを忘れてしまった (黒岩湿原-05)。 ここには大型の クアドルレラ(Quadrulella) がいた。種名がわからない。
観察された生物: ミドリムシ(Euglena mutabilis), カリキモナス(Calycimonas physaloides), フセツボカムリ( Centropyxis aculeata), ナベカムリ(Arcella sp.), ヒアロスフェニア(Hyalosphenia papilio), 大型クアドルレラ(Quadrulella sp.), Argynnia, 共生藻を持つアンフィトレマ(Amphitrema stenostoma?両端がやや異なる), 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), Chlorobotrys, 珪藻各種, ハタヒモ( Netrium digitusN. oblongum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), ワムシ, ミジンコ,

黒岩湿原(南会津町),13:32-13:33
1枚目:湿原の北側を探索して戻ってきた栄三郎氏が池塘の近くに倒れていた鉄棒を発見した。 起こしてみると,鉄棒には何かの案内板が付いていた。半分は欠けている。
2枚目:半分だけ残った案内板には「自然」の2文字があった(注)。 後には何と書かれていたのだろう? スペース的にはあと3文字程度は書いてあったように思える。 わずかに残った字の左端部分は「観」かも知れない。 とすると「自然観察路」あるいは「自然観察池」などと書いてあった可能性がある。
いずれにしても,このようなものがここにあるということは,かつては,たくさんの人がここを訪れていたか, あるいは訪れることを期待して,このような案内板をここに立てたと推察できる。 とすれば,ここへ上がってくる遊歩道もあったはずだ。

注:上には「福」の字がある。おそらく「福島県」と書かれていたのだろう。 ネットで検索すると,ここは私有地だという説もあるが, 少なくとも,この案内板が立てられた頃は,ここ(黒岩湿原)は県有地だったと思われる。

黒岩湿原(南会津町),13:34
踏跡を辿って湿原の南側を探索してみることにした。 このように,踏跡はかなり明瞭だ。
人が歩いた跡ならば,池塘の近くを通るはずだが,この踏跡は池塘から離れた場所を一直線に通っている。 やはり栄三郎氏がいうように,これは獣道のようだ。

灌木地帯の先にも小さな湿原があった(南会津町),13:36
しかし,踏跡は灌木ないし樹林帯の中までは続いていなかった。

黒岩湿原を去る(南会津町),13:39
湿原に着いたのが 13:23 頃だったので,わずか16分の滞在だった。

多々石林道へ戻る(南会津町),13:43, 13:45
1枚目:上がってきた沢を目指してふたたび薮漕ぎを開始。 2枚目:往路で栄三郎氏が目印にした笹の葉を撮影。 元きたルートを辿っていることが確認できた。

多々石林道へ戻る(南会津町),13:46, 13:54
1枚目:ここが沢の源流部だ。この少し先から水がわき出していた。 2枚目:沢を降りる。 沢登りには40分弱(12:40頃〜13:17)かかったが, 下りにかかった時間はおよそ30分(13:46〜14:14)だった。
既述したように,両側からは木の枝や,笹が行手を遮っていた。 太い枝はかがんで通過したが,細い枝や笹はすべてを避け切れず顔面に当ることが多かった。 そのため,途中でメガネが落ちてしまった。 幸い,沢の水中に落ちたのでメガネのレンズが割れることはなかった。 岩に当たればレンズが割れてしまっただろう。やれやれ。
薮漕ぎでメガネを落としたのはこれで2度目か3度目だ。 記憶しているのは, 2011.11.02 に山形県県民の森を訪れた際, はんのき夫婦沼 から板橋沼西岸沿いを北へ薮漕ぎした時だ。 この時も幸いレンズが割れることはなかった。 今度から薮漕ぎをする際は,メガネをテープで顔に固定しよう。

多々石林道脇の崩壊地(南会津町),14:14
1,2枚目:パノラマ撮影。 先行する栄三郎氏は,往路で下った急斜面を登って多々石林道へ戻った。 2枚目:氏が最後の1m以上ある段差をジャンプして上がるところ。
私はジャンプして上がれる自信はないので,脇の斜面をよじ登って林道へ上がることにした。 こちらは木や笹がたくさん生えているので,傾斜は急だが,それらに掴まることで比較的楽に上がれた。

多々石林道から黒岩湿原方向を眺める(南会津町),14:22, 14:24
2枚目:黒岩湿原付近を望遠撮影。
林道に戻ったところで小休止。遅い昼食を食べた。
気づくと,腕や手,指のあちこちにかすり傷ができていた。 一応,長袖を着ていたのだが,手首近くが露出していたため,かすり傷がついてしまったようだ。 次回から,薮漕ぎをする際は,手首までしっかり袖で覆い,手袋をしよう。

戸板峠へ戻った(南会津町),14:40
紅葉した カラマツLarix kaempferi,マツ科 カラマツ属) が西日に当ってきれいだ。

多々石林道を戻る(南会津町),14:43, 14:48, 14:53
1枚目:岩だらけの荒れた道を下る。 3枚目:ヘアピンカーブの手前にある切り通し部分を通過。

多々石林道を戻る,紅葉が鮮やかだ(南会津町),14:57-14:58

多々石林道を戻る(南会津町),14:58

多々石林道を戻る(南会津町),14:59
1枚目:舗装道近くの工事現場まで戻った。

舗装道へ戻った(南会津町),15:02
この後は,那須塩原駅に戻ることになるが,今日は土曜日で紅葉シーズンなので塩原方面は混雑していることが予想された。 そこで復路は那須町を経由して那須塩原駅へ向うことになった。 途中,栄三郎氏が今年ハッチョウトンボの生態写真を撮るために,最近まで繁く通った,という湿地へ立寄る予定。

目 次 へ 2014.10.25, 11:50 - 15:02
目次多々石林道〜戸板峠〜黒岩湿原黒岩湿原〜戸板峠〜多々石林道

HOME | 研究資料館 | 採集の記録 | 採集地ごとの生息情報 | 福島県の他の地域