ビン沼に到着(加美町),10:29
1〜3枚目:ほどなく前方に水辺が現れた。
ここがおそらくビン沼のはず(注)。
注:国土地理院の地図等には,この近辺にはビン沼しか描かれていないが,
ガイドブック(日野・葛西著,南とうほく花の湿原,無明舎,2002)には,ビン沼の北西側に「葦毛沼」という沼が描いてある。
この時はそれに気づかず,葦毛沼については確認しなかった。
ビン沼,岸辺に近付いてパノラマ撮影(加美町),10:29-10:30
1〜3枚目:浮島はないが,右から沼の中心に向って草が育っている。
水深はさほどなさそうだ。
ビン沼,岸辺で採集(加美町),10:30-10:31
1,2枚目:岸辺はふかふかの状態。近付くと靴が枯草の中に沈んでしまう。
3枚目:そこで採集(ビン沼-1)。
観察された生物:
クリプトモナス(Cryptomonas),
リピドデンドロン(Rhipidodendron),
スポンゴモナス(Spongomonas),
フセツボカムリ(
Centropyxis aculeata,
C. ecornis),
ディフルギア(
Difflugia sp.),
アミカムリ(Nebela collaris),
ユーグリファ(
Euglypha acanthophora,
Euglypha sp.),
トリネマ(Trinema enchelys),
Paulinella chromatophora,
スピロストマム(Spirostomum teres),
コレプス(Coleps hirtus),
ディセマトストマ(Disematostoma minor),
Tetraedriella,
Pseudostaurastrum,
珪藻各種,
クンショウモ(Pediastrum tetras),
イカダモ(Scenedesmus quadricauda),
ゲミネルラ(Geminella),
ミカヅキモ(Closterium idiosporum),
ホシガタモ(
Staurastrum connatum),
ミジンコ,
クマムシ,
ビン沼,隣でミツガシワが群生していた(加美町),10:31
1枚目:今度は,右にある沼の中心に向って突き出している草地近くで採集してみることにした。
2枚目:これは??()。
ビン沼,ミツガシワの群生(加美町),10:31-10:32
草地の先ではミツガシワ(Menyanthes trifoliata)が群生していた。
ビン沼,ミツガシワ(加美町),10:32
ミツガシワ(Menyanthes trifoliata)。
ビン沼,ミツガシワの近くで採集(加美町),10:32
これまでの経験上,ミツガシワの周辺には原生生物が豊富な場合がほとんどだったので,
期待しつつ採集(ビン沼-2)。
しかし,予想に反してここの原生生物相は貧弱だった。
これは意外。
既述した様に,荒沢湿原周辺は地滑り地帯なので,このビン沼は出来てからさほど時間が経っていないのかも知れない。
また,標高がさほどないのも原因しているかも。
後でわかるが,原生生物が比較的多くいた田谷地沼でも,高地の湿原に多いネベラ類や,
大型の接合藻類(アオミドロを除く)がほとんど,ないし,まったくいなかった(注)。
観察された生物:
クリプトモナス(Cryptomonas),
スファエラストルム(Sphaerastrum),
ナベカムリ(Arcella sp.),
ユーグリファ(Euglypha tuberculata),
コレプス(Coleps hirtus),
小型繊毛虫数種,
シヌラ(Synura),
珪藻各種,
クンショウモ(Pediastrum tetras),
フタヅノクンショウモ(Pediastrum duplex),
コエラストルム(Coelastrum sp.),
アオミドロ(Spirogyra),
イタチムシ,
ワムシ,
注:
とあるHPによると,田谷地沼の泥炭層はわずか1mほどの厚さとのこと。
これは前回訪れた山形県 県民の森にある琵琶沼(標高約600m)の11m以上あるという泥炭層とは比較にならない。
琵琶沼には多数の原生生物がいたが,田谷地沼の原生生物相がさほどではないのが,
これである程度うなずける。
仮に泥炭層の厚さと原生生物の種数がおおよそ比例するとすると,
このビワ沼の泥炭層はかなり薄い(=沼ができてからあまり時間が経過していない)可能性がある。
果たして本当のところはどうだろうか?
ビン沼,立ち去る前に再度パノラマ撮影(加美町),10:33
1〜4枚目:このように外観的には非常によいのだが・・・。
ビン沼(加美町),10:33
ジュンサイ(Brasenia schreberi)。
これは他の沼でも育っていた。
ただし,こればかり?他の水草は目につかなかった。
ビン沼,も一度パノラマ撮影(加美町),10:33-10:34
ビン沼,青空が爽やか・・・(加美町),10:35
これはコナラ(Quercus serrata)?
林道 葡萄沢線に戻る,林床には様々な植物が(加美町),10:36-10:35
往路でみつけたレンゲツツジの大きな株を頼りになんとか道路へ戻った。
1枚目:これはおそらくウリハダカエデ(Acer rufinerve,カエデ科 カエデ属),
2枚目:??()。
林道 葡萄沢線を東へ(加美町),10:38-10:40
2枚目:次に訪問を予定していたサギ沼は,前方の町道滝庭線との合流点の近くにあるが,
この時は,タクシーを降りた上田谷地の入口近くにあると勘違いしていた。
そのため,このまま舗装道を下ってしまった。
Part III: | 上田谷地入口〜サギ沼 2009.05.24, 10:42 - 10:55 |