原生生物と日本産アリ類の広域画像データベース

3 素材情報データベースとしての原生生物情報サーバ
3-3 原生生物情報サーバの内容紹介

原生生物図鑑

 初期画面に戻って,「原生生物図鑑」を選択すると図3-9の画面が現れる。既述したように,ここでは「研究資料館」にある画像の中から原生生物の分類に関連したものを選び,これらと様々な分類関連の文献ある記載情報を組み合わせて,各分類群ごとに区分して紹介している。「原生生物情報サーバ」へアクセスしてくる利用者の多くが,専門外の人々であるため,原生生物の基礎的な知識をある程度整理して紹介することも利用を促進する上で必要であろうとの判断に基づいてこのメニューを作成した。

図3-9 「原生生物図鑑」初期画面
 原生生物の分類等基礎知識が不足している利用者のために作った新規メニュー。研究資料館にある関連の画像と,原生生物の分類を扱った書籍を参考にて作成した。
 詳しくは本文参照。

 サブメニューのうち「はじめに」の部分ではそのような趣旨説明を行なっている。「原生生物学入門」はまだ大部分が未完成だが,基本的な用語の説明や原生生物の進化に関する最新の情報を図解してわかりやすく説明している。

 「図鑑を開く」を選ぶと,図鑑の第一画面が現れる(図3-10, 3-11)ここでは原生生物全体の概略を代表的な種の画像とともに表形式で示している。各生物群の名前をクリックすると,その生物群の解説画面へ移動することができる。

図3-10 「原生生物の世界」-1
 原生生物図鑑のメインメニュー。原生生物界全体の構成を簡単にまとめたWebPageである。
 各生物群の名称をクリックするとそのさらに細部を紹介した様々なWebPageへと移動する。
 代表的な種の画像については,他と同様,クリックすれば細部を拡大して見ることができる。
 各画像の説明にある種名等を選ぶと,各種,あるいは属の解説画面が現れる。

 原生生物の分類は,細胞内共生などによって新しい生物群が出現しているため,複雑に入り組んでいる。また,いまだに分類学者の間で意見がまとまっていないために,同一の生物群に異なる名称(例:岩波生物学辞典)が与えられている場合もある。

 そのため,分類は単純な分岐形式でまとめることができないが,WWWの内部リンク機能を活用して上記の分類の現状をありのままに紹介した分類図鑑を作ることができた。

 図鑑では,門・綱・目・科・属・種ごとに解説しているが,各解説ごとに関連する画像と分類群の特徴,インターネット上で関連する情報を扱っているサイトのURL,その分類群の内部構成(門の場合は,その中の綱・目の名前と,そこに含まれる代表種の学名など),および,参考文献がある。もちろん,すべての属,種を網羅するしているわけではないが,「研究資料館」にある115種については,極力種または属レベルまで上位分類群から降りてこれるようにしてある。今後も新しい種の画像が入手でき次第,画像とその分類学的記載を追加していく予定である。

 また,画像のない生物群についても,できるかぎり学名だけは盛り込むことにしている。学名だけでそれが何という種類の生物かわからずに困った経験は誰しもあると思うが,これは,そのような際に後述する全文検索機能を使うことで,その学名の生物が所属する生物群を探し出すことができるようにするためである。

 「図鑑を開く」の下にある「名前検索」がその全文検索メニューである(図3-12)。ここでは, WarpSearchと呼ばれる Macintosh上で稼働するWWWサーバソフト(WebSTAR or MacHTTP)用の cgiプログラムにより,サーバ上のテキストファイルの全文について検索を行なうことができる。日本語の検索も可能である。検索語を入力して検索を実行すると,サーバにあるhtmlファイルの中で,検索語を含むものを探しだして,その合致数(各htmlファイルに含まれている検索語の数)とともにhtmlファイルのURLを一覧表示してくれる。そこで,各htmlファイル名をクリックすることで直接その分類群の解説画面へ移動することができる,というしくみである。

図3-12 「名前検索」画面
 詳しくは本文参照。

 ただし,この「名前検索」はサーバソフトと連携して機能する cgiであるため,CD-ROM版単独では利用できない。ネットワーク経由でのみ利用可能である。

#後述するように,現在は,原生生物情報サーバの内容は,アリのデータベースと同様に,外部のサーチエンジン機能をもつWebSiteに収録されているため,「名前検索」メニューを使わなくても,それらの外部にあるサーチエンジンを利用して検索してふたたび「原生生物情報サーバ」へ戻ってくることも可能である。

 図鑑メニューの最後にある「用語解説」は,図鑑の解説中にでてくる様々な学術用語を解説した用語集である(図3-13)。図鑑の解説文中にあるそれらの用語とリンクが張ってあるため,不明な用語があった場合は,それをクリックすればこの「用語解説」へ移動して説明を読むことができる。

図3-13 「用語解説」画面
 「原生生物図鑑」の一番下には図鑑の中にある解説文等にある専門用語を解説したメニューがある。ここでABC順,あるいはアイウエオ順に見ていくこともできるが,各解説画面中からこの用語解説へのリンクも張ってある。そのため,各解説画面にある専門用語をクリックして用語解説を表示させることもできる。