3 素材情報データベースとしての原生生物情報サーバ
3-3 原生生物情報サーバの内容紹介
図3-4 「研究資料館」メニュー メインは「I. Images」の部分だが,この他にデータ量は少ないが実験マニュアルなどを収録した「II. DataBook」がある。 研究資料としては上記の2つのメニューがあるだけだが,関連情報として,このデータベースのファイル構成を説明した「III. データベースの構造」や,データ提供者のリスト「Contributors」などがある。著作権についての留意事項もある。 |
データベースのメイン部分である「I. Images」を選ぶと図3-5の画面が現れる。上記のように,ここでは各画像のタイトルを種ごと,テーマごと,マニュアル関連などに分けてそれらのタイトルを一覧表示している。各タイトルをクリックすると,図3-6のようにサムネイル画像の一覧が現れる。各画像には簡単なコメント(生物種または属名,解説,撮影条件,撮影者名)が英文で添書されている。
図3-5 「Protist Images」:画像資料のリスト 研究資料館では原生生物に関する各種の画像が,種または属名ごと(I. 種別),テーマごと(II. テーマ別)に分けて,各々の項目名がリスト表示されている。各項目をクリックするとその画像一覧が表示される(図3-6)。この他,実験マニュアルに関係するもの(III. マニュアル)等もある。現在はすべての項目を一括表示しているが,今後さらに項目が増えた場合は,サブメニュー化する予定である。すでに,一部の項目(Acanthamoeba, Amoeba proteus, P. caudatum)は,内容が多すぎるためサブメニューを作ってある。各サブメニューを開くと,さらに細分化された項目の一覧が表示される。 |
図3-6 画像一覧の例 これはゾウリムシ(Paramecium caudatum)のサブメニューにある交配反応(mating reaction)に関する画像の一覧である。 各サムネイル画像を選ぶと,その 2 x 2 倍, 4 x 4 倍,8 x 8 倍, 16 x 16 倍の画像のいずれかを選ぶ画像サイズの選択画面が現れる。 ただし,CD-ROM版では,容量の関係から16 x 16 倍の画像は除かれている。 |
これらの画像をクリックすると,4段階(サムネイル画像の 2 x 2, 4 x 4, 8 x 8, 16 x 16)の大きさの画像のいずれかを選択する画面が現れる。図3-7はそのうちで 8 x 8倍の画像を選んだ時の画面である。なお,CD-ROM第二版ではデータベース全体のファイルサイズが CD-ROMの容量(640 M bytes)を超えてしまったため,最大サイズの画像(16 x 16)ファイルは除いてあり,表示できなくなっている。
図3-7 8 x 8 倍拡大画像の画面 |
画像の種類については,生きた原生生物を顕微鏡撮影したものが多いが,その他には,核などを観察するために固定・染色した標本の画像や,様々な実験器具の扱い方を紹介した画像などもある。
GIFアニメと呼ばれる連続撮影した画像を同一画像ファイルにまとめて一定間隔で連続表示するものもある。これはアメーバ細胞の分裂など動きのある現象を見るのにはわかりやすいと思われる。
この他には,系統樹を作成する際に使用した核DNAを鋳型としたPCR反応産物(Random Amplified Polymorphic DNA; RAPDと略す)の電気泳動像も収納してある。これは画像がたくさんあるため,論文では泳動結果を元に作成した系統樹のみを公表し,画像そのものは論文には公表していないことによる。同じプライマーを用いて同種の実験を将来行なう場合の参考になると期待される。もしくは直接データとして再利用することも可能であろう(図3-8)。
図3-8 RAPDの電気泳動画像 ゾウリムシの大核DNAを鋳型としてRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)を各系統間で比較する実験を行なった。論文には,その結果としての系統樹のみを掲載したが,ProtistCDには,その論文の基礎データとなった各RAPDの電気泳動像を収録した。 RAPDに用いたprimerの配列も示してあるので,これらの情報があれば第三者が再現性をテストしたり,これを参考にして実験をすることもできる。 |
この後は,「研究資料館」以外のメニューについて簡単に紹介する。