研究資材データベース構築&公開ガイド |
6. 印刷できない新しい情報の扱い |
動画や音声は,学術雑誌等の印刷メディアでは扱えない情報である。このため,従来,動画や音声が学術情報として扱われることはなかったが,これは動画や音声そのものが学術研究には役立たないということを意味する訳ではないのは勿論である。ようは,学術雑誌に記載できないというだけにすぎない(その意味では,従来の学術雑誌は主に白黒印刷であったため,色情報も学術目的には使われてこなかったといえる。たんに色の種類を表す用語のみが記載されていたにすぎない)。
むしろ,研究の現場では生物の動きやそれが発する音は従来重要な情報として利用されてきたはずである(たとえば,形態が単純で固定標本を作るのも困難な原生生物では,種を同定する際にはその動きが重要な判定基準となる,等)。だが,それらはたんに研究者の脳に記憶されるのみで,他の情報媒体に書き写すことができなかったため,研究者の間で動画や音声をやり取りすることができず,結果として学術情報と見なされてこなかったのである。 しかし,デジタルメディアであれば動画や音声も扱えるので,それらをデータベース化すれば,学術情報として十分に役立つはずである。したがって今後は,動画や音声のデータベース化がさかんになっていくものと期待される。
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