研究資材データベース構築&公開ガイド
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 公開された研究資材情報は,どのような形で利用されるだろうか?研究資材データベースを構築する上で最初に考えなければならないのは,誰にどのように利用してもらいたいか,もらえるか,である。

 資材データベースの用途は,主に2つのタイプに分かれる。それは,1)専門知識の学習など,情報の取得のみを目的とする受け身的な利用と,2)データベースで公開された画像やその他の資材情報を他の研究,教育,あるいは企業活動などに役立てるという積極的な利用である。

 の場合は,一般のWebPageを利用するのと基本的には同じである。資材データベースとしての特徴が発揮されるのはの積極的な利用ができる,という点にある。ただし,そのためには,後述するように,データを提供する側にも資材データとして利用可能なように十分に質の高いデータを準備する必要がある。

 (積極的な利用)の場合,まず考えられるのは公開された画像等の二次利用である。すなわち,公開された画像をダウンロードし,それを学会発表用のスライドやポスター,あるいは印刷物やCD-ROM, WebPageの一部として利用する等である。それは研究や教育など非営利活動が目的の場合もあれば,商用目的で利用される場合もあろう。いずれの場合も,著作権に十分に配慮する必要があるが(後述),必要とする画像がネット経由で簡単に手に入るようになれば,研究,教育,企業活動等さまざまな社会活動が促進されるはずである。

 より積極的な活用法としては,公開された画像や計測データを専門の研究や教育活動のための素材情報として利用することが考えられる。たとえば,研究面では,様々な生物の標本画像とその分類学的記載が公開されれば,専門家以外の人々が生物種の同定に役立てることができるだろう。複数のサイトで公開されているデータを収集し,それらを比較・分析して新たな発見を目指すといったこともできるはずである。
 一方,教育面では,分類に限らず,手軽に様々な生物,ないしそれが示す生命現象を見ることで自然への理解を深めることもできる。すなわち,バーチャルな自然観察の場としてネット上の資材情報を役立てることもできるはずである。

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