Stentor pyriformisの研究

手遅れのサンプル
現在の実験机の様子
八幡平1333サンプルの観察

2016.08.24撮影

手遅れ,八幡平1333,八幡平1204
昨年10 or 11月から5,6回1/2希釈法で継代培養できたが,次第に元気がなくなってきた。 8/10に 養命酒+1/50KCM に切り替えたが,元気は回復せず,数日前に結局死に絶えてしまった。


2016.08.24の実験室の様子(全景)
1枚目:実験机の左側:
奥にある左側の棚,左端のシャーレは田代平のサンプル。 一時は絶滅しかかったが 養命酒+1/50KCM に変えてから元気になった。 現在はだいぶ増えた。赤色の短いテープが貼ってあるシャーレが 養命酒+1/50KCM の培養液であることを示している。
奥にある右側の棚: シャーレが5,6枚ずつ重ねてある左側の3列が S. pyriformis浄土平(2015.10.10), 栂平(2015.10.10), 鳥子平(2015.10.10), 田代平湿原(2015.10.05) のサンプル。 右側2列は藻類色々。
棚の手前,実験テーブルの上に直に置いてあるのは, S. fuliginosus(奥にあるピンクの紙テープが貼ってあるもの)と S. amethystinus (手前の左2列)。
S. amethystinus は,最近までS. fuliginosusと思っていたもの。 遊泳時の細胞の形,静止時の形などが,奥のS. fuliginosusと明瞭に異なることから, S. fuliginosusではなく,S. amethystinusであることに気づいた。 ただし,まだ,最終確認はしていない。
他に安比高原から見つかった S. pyriformis もわずかだがS. fuliginosusの左側に置いてある。 まだ十分に増えていないが, 養命酒+1/50KCM で増えつつある。 他の条件(1/50KCMのみ,1/50KCM+フルボ酸)でも試したが,こちらはすべて死滅した。
2枚目:実験机の右側:
こちらは棚の上にあるシャーレはすべて S. pyriformis だ。
左側の棚の上段にあるのは,左側2列が, 田代山山頂湿原 のサンプル。左端手前の3つ重ねのシャーレは, 2004年(2014.8.31,採集者:月井栄三郎氏)採集のサンプル。2年前にもあちこちから S. pyriformis を採集したが, その中の唯一の生き残りだ。最近まであまり元気はよくなかったが,これも 養命酒+1/50KCM に変えたところ, ようやく元気になり現在細胞数を増やしつつある。 奥と2列目にあるシャーレは昨年(2015.10.13,採集者:月井栄三郎氏)採集したもの。 こちらも一時は元気に増えたが,次第に元気がなくなって数を減らしつつあった。 現在, 養命酒+1/50KCM で元気を取り戻しつつある。
右側の2列は, 昨年(2015.8.15)採集した 横田代 のサンプル。以前は フルボ酸+1/50KCM でそれなりに増えていたが, 養命酒+1/50KCM に変えたところ,増殖がさかんになり,現在,ほぼ満杯状態。
右側の棚の上にあるのは,すべて 昨年(2015.09.24)八幡平北西尾根 で採集した S. pyriformis だ。 ただし,採集時間(=地点)の異なるものがいくつかある(1204, 1245, 133x, 1333, ...)。

実験机の左側
1枚目:奥にある左側の棚
既述したように,左手前2つのシャーレの山が 田代平 (2015.08.30採集)のサンプル。 最近まで息も絶え絶えだったが,養命酒+1/50KCM に変えてから元気を取り戻し,だいぶ増えた。 ただし,細胞数は他に比べると,まだまだ少ない。
右側は藻類などを主に増やしている。 こちらは加えるフルボ酸を従来より増やして培養を試みている。 湿原に生息する藻類は,他よりフルボ酸の濃度を高めた方が良さそうだ。 フルボ酸を増やすと雑菌が増え難くなるので,接合藻などには好ましいと思われる。 ただし,あまり濃度を上げ過ぎると藻類じたいの分裂を阻害する恐れもありそうだ。 藻類の種類によって,最適なフルボ酸の濃度がありそうだ。。。
2枚目:奥にある右側の棚
左端の列。手前のシャーレの山のうち,上から3枚目までが 田代平湿原(2015.10.05) から採集したS.pyriformis。採集した時点で,細胞はあまり多くなかった。 その後,多少は増えたが,長い間息も絶え絶えだった。 しかし,他と同様,養命酒+1/50KCM に変えて以降,元気に増え出した。 ただし,まだまだ細胞数は少ない。気を抜くとすぐに絶えてしまいそうだ。
奥の2山は, 浄土平(2015.10.10) のサンプル。右に並ぶ鳥子平,栂平のサンプルと同様,養命酒+1/50KCM でかなり元気に増えている。
左から2列目(中央の列)は,上記のように 鳥子平(2015.10.10) のサンプルだ。 最近このサンプルを10匹ずつ別シャーレに移して,養命酒+1/50KCM で培養したところ, これまでで最も速い細胞分裂速度(約9日/回)で増殖した。
右端は 栂平(2015.10.10) のサンプル。 手前の一番上にフルボ酸+1/50KCM の条件で細胞分裂速度の測定を行っているシャーレがある。 これは4/13〜6/13の2ヵ月間に 42匹が 201匹に増えた。約5倍に増えたので,この間に2.35回分裂したことになる。 (累乗 - 高精度計算サイトを利用) 分裂に要した時間は,26日。だいぶ遅い。
他は養命酒+1/50KCM で培養している。

左側の棚の手前,および,フナの水槽の上
1枚目:画面右上の4つの山が, S. fuliginosus(自然観察の里,岡崎市,2015.2.15,1228;奥にあるピンクの紙テープが貼ってあるもの)と S. amethystinus (手前の左2列;まだ断定できていない)。
2枚目:フナの水槽の上。
両者(八幡平 1333,八幡平 1204)とも従来はフルボ酸+1/50KCM で培養していたが,最近になってこれに養命酒を加えるようになった。 かつ,フルボ酸の濃度も倍(1.6 ml/1000ml → 3.2 ml/1000ml)にしてみた。 フルボ酸がやや多すぎるかと心配したが,今のところ問題なく増殖している。 左側,八幡平 1333
右側,八幡平 1204

実験机の右側:こちらにも2つの棚がある。
1枚目:左側の棚,
左から1,2列が 田代平湿原(2015.10.05) 既述したように,つい最近まで息も絶え絶えだったが, 養命酒+1/50KCM に変えたところ,次第に元気を取り戻した。現在,増えつつあるが,細胞数はまだまだ少ない。
右の2列は, 横田代 のサンプル。
2枚目:右側の棚,


フナの水槽の上にある 八幡平1333サンプル の観察
採集時の様子
採集から5日後の
サンプルの様子
1枚目:昨年の10/6から今年の6/16まで計7回,1/2希釈法で継代培養できたが, 6/16以降は徐々に弱ってきた。 そこで,8/11から養命酒+1/50KCMに変えたところ,元気を取り戻し,再び増殖しはじめた。 8/22にふたたび,1/2希釈ができるまでに増えた。
10cm径シャーレの全景。,1/2希釈して2日目のため,まだ十分には増えていない。


1枚目:顕微鏡モードで撮影。
2,3枚目:顕微鏡モード+ズームで撮影。どちらもピンボケ。

シャーレを直に実験テーブルに置いて反射光を使って撮影。
1,2枚目:顕微鏡モードで撮影。 3枚目:顕微鏡モード+ズームで撮影。

双眼実体顕微鏡の下に置いて撮影。
1枚目:顕微鏡の倍率を最大にして撮影。
2枚目:カメラ側もズームにしたが,うまくピントが合わない。

ふたたび実験テーブルに戻して撮影。
1枚目:そのまま。顕微鏡モードで撮影。
2,3枚目:フラッシュをたいてみたが,テーブルが反射してかえって良くない。

ライトボックスに載せて撮影。
1枚目:さきほどは水槽からそっと降ろして,そのまま撮影した。 そのため,シャーレの一部に集まっていたため,細胞数がよくわからなかった。 そこで,ライトボックスの上でシャーレをゆっくりと回転させ,細胞をシャーレの中央部に集めてみた。
2枚目:細胞がシャーレの壁から離れて中央部に集まった状態。これなら細胞数もおおよそ数えられるはず。
この程度なら NIH Image で細胞数を数えられるかも知れない(前からやってみようと考えているが,いまだ実行していない) ただし,細胞数がもっと増えると,細胞どうしが接触したり,重なったりするので,画像処理ではうまくいかないかも。
3枚目:カメラを近付けて撮影。
アイデア;透明なフィルムに物差をコピーしてライトボックスの上に置けば,サイズも簡単に測れるかも知れない。

カメラをギリギリまで近付けて顕微鏡モードで撮影。
シャーレをゆすった後なので,多くの細胞はゆっくりとシャーレの底を這い回っている。 ほとんどの細胞は,やや細長い三角錐の形をしているが,これは細胞が健康的な状態にあることを示している。 この時点で細胞が丸まっていると,かなりヤバイ状態だ( 健康な細胞も機械的刺激を受けた直後は丸まるが,健康であればすぐにこの形に戻る)。 1枚目:静止画。 2枚目:動画。
                ←動画(2.3 Mb)。
カメラをギリギリまで近付けて顕微鏡モードで撮影。
1枚目:静止画。 2枚目:動画。
                ←動画(2.8 Mb)。

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