大町市八坂(旧八坂村)
唐花見湿原
からけみ しつげん
Part I
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2007.06.04 ウオッちず で位置確認

タクシーで唐花見湿原入口へ (大町市八坂,旧八坂村),10:31
前回同様,信濃大町駅からタクシーに乗車し唐花見湿原へ(運賃1900円)。 1〜4枚目:駐車場&休憩所前の道路側から湿原方向をパノラマ撮影。 5枚目:反対側に立っている看板。「鷹狩山展望台 森林まなび公園 →」 鷹狩山というのは湿原から 1 km ほど北にある山(標高 1164 m)。ちなみに唐花見湿原の標高は 945 m。


唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:31
前回(2006.5.8)ここへ来た時はあたりは静けさに包まれていたが, 今回はいたるところでエゾハルゼミTerpnosia nigricosta)がやかましいくらいに鳴いていた。

        ←音声(エゾハルゼミ)

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:32
1枚目:湿原の案内図。 2枚目:その隣に湿原へ降りる小道がある。休憩所の先にトイレもある。

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:33-10:35
1枚目:数段の階段を降りて,林内を進むと, 2枚目:すぐ前方に湿原内に敷設された木道が見えてくる。 3枚目:桟橋状の木道へ入る。

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:35
木道へ入ってすぐの地点から周囲をパノラマ撮影。 昨年(2006.5.8)に比べると6月ということでさすがに周囲には緑が多い。枯れ草も目立つが・・・。 よく見ると昨年最初に採集した木道入口近くには水がない。 乾ききっている訳ではないが,湿った「土」の状態でこれでは採集できない。 1ヶ月遅れということで雪解け水が徐々に乾燥して,湿原の水位が下がってしまったのだろうか? それとも今年は冬場の雪が少なかったために最初から水位が低かったのだろうか?

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:36
木道をしばらく歩き,湿原の中央部付近に近付くとやっと木道の周囲に水たまりが現れた。 2枚目:かなり水は少なくヘドロに近い状態だったが,なんとか採集できた (唐花見湿原-1)
観察された生物(6/5): クリプトモナス(Cryptomonas), ミドリムシ(Euglena sp.), トラケロモナス(Trachelomonas), ナベカムリ(Arcella), トゲフセツボカムリ(Centropyxis), Lesquereusia, ヘレオペラ(Heleopera), スピロストマム(Spirostomum minus), アンフィレプタス(Amphileptus), ストロンギリディウム(Strongylidium), ウロトリカ(Urotricha), プロロドン(Prorodon), 小型繊毛虫数種, バキュオラリア(Vacuolaria virescens), オフィオキチウム(Ophiocytium bicuspidatum), タルケイソウ(Melosira), 他の珪藻各種, ミクロスポラ2種(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. baillyanumC. intermediumC. lunula), ツヅミモ( C. pachydermum), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens var. dissiliens), ワムシ, イタチムシ,
観察された生物(6/6): リピドデンドロン(Rhipidodendron), 縦溝のある小型繊毛虫, フタヅノクンショウモ(Pediastrum duplex), ナベカムリの仲間?(Arcella, pseudostomeがだ円形),

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:37
上記の場所のすぐ近くでも採集(唐花見湿原-2)。 ここにはかなり水があった。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, クリプトモナス(Cryptomonas), 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), サヤツナギ(Dinobryon sertularia), マルロモナス(Mallomonas), ミクロスポラ2種(Microspora), クレブソルミディウム(Klebsormidium), ゲミネルラ(Geminella ellipsoidea), ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium intermedium), Bambusina, ケンミジンコ, ワムシ,

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:40-10:42
さらに少しいくと,両側に大量の藻塊が浮かんでいる場所があった。 繁殖してからだいぶ時間がたっているらしく,ドロリとしてまもなく腐ってしまいそうな状態だったが, とりあえずここでも採集(唐花見湿原-3)。 カップですくうと,糸状藻類の大きな塊だけが入ってきた。ピペッティングで小さくばらそうとしても駄目だったので, 指でつまんでむりやりちぎって小さくしたものを採集用の試験管に入れた。
観察された生物: トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ナベカムリ(Arcella), 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), マルロモナス(Mallomonas), ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia)多数, ミカヅキモ( Closterium pronum), ハタヒモ(Netrium digitus), Bambusina

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:43-10:44
上の採集地点からわずかに進んだ所。 木道の反対側で採集(唐花見湿原-5)(注)。 ここには大きな糸状藻類の塊はなく,最初から細かく千切れた藻塊が入ってきた。
観察された生物(6/5): 渦鞭毛虫の一種, マルロモナス(Mallomonas), Assulina, 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), ミクロスポラ(Microspora)多数, ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium minutum), カメガシラモ(Tetmemorus laevis), ミカヅキモ( Closterium pronumC. intermedium), ツヅミモ( Cosmarium oblongum ?), Bambusina 多数, ワムシ,
観察された生物(6/8): トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.), ディアフォロドン(Diaphoropodon), Assulina, 共生藻を持つオフリディウム(Ophrydium), オーキスチス(Oocystis), ミカヅキモ( Closterium abruptum), ツヅミモ( Cosmarium globosum), ホシガタモ( Staurastrum margaritaceumS. simonyi), センチュウ,
観察された生物(06/20): ホマロズーン(Homalozoon vermiculare),

注:本来なら唐花見湿原-4とすべきだったが,すでに4まで採集したと勘違いして,5と書いてしまった。 画像に合わせて4ではなく5としておく。

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:44
湿原からはシュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii),周囲の林からは エゾハルゼミTerpnosia nigricosta)の鳴き声がしていた。

        ←音声(エゾハルゼミとシュレーゲルアオガエル?)

唐花見湿原 (大町市八坂,旧八坂村),10:46
さらに進んだところで,またまた採集(唐花見湿原-6)。 マット状に繁茂したミズゴケの隙間から採集したが,大きな藻塊はなく薄茶色の透明な水。
観察された生物: トラケロモナス(Trachelomonas volvocina)多数, ディフルギア(Difflugia), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ(Closterium intermedium), Bambusina 多数,

Part II: 唐花見湿原
2007.06.04, 10:46 - 10:59

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