八幡平市(旧松尾村)
黒谷地湿原
黒谷地入口〜熊の泉
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2007.08.23 ウオッちず で位置確認

黒谷地バス停で降車(八幡平市),11:31-11:33
1枚目:まもなくその黒谷地バス停。 2枚目:黒谷地バス停で降車。乗車してきたバスを見送る。

バス停付近の様子(八幡平市),11:33
1枚目:バス停の案内板。この向かいを見ると,,, 2枚目:画面右奥に黒谷地湿原(注)の入口がある。 3枚目:道路を横断して近付く。 4枚目:ここは標高 1438 m。

注:どこからが黒谷地湿原なのかはっきりしない。 この入口から北にある八幡平頂上・茶臼岳分岐(後出)までは,木道脇に小湿原が点在する程度。 分岐の北側にはやや広い湿原が広がっていて,展望台もあるので, 狭義には,その展望台の辺を黒谷地湿原と呼ぶのかも知れない。 ここでは,とりあえず,黒谷地入口から北に点在する大小の湿原をひっくるめて黒谷地湿原と呼ぶことにする。

黒谷地入口(標高 1438 m,八幡平市),11:34
入口の手前から道路側(1枚目)〜入口の木道(3枚目)をパノラマ撮影。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:34-11:35
木道に入るとすぐ周辺には様々な高山植物が咲き誇っていた。 2枚目:ミヤマアキノキリンソウSolidago virgaurea subsp. leiocarpa forma japonalpestris)と 3枚目:オオノアザミCirsium aomorense)と 4枚目:シロバナトウウチソウSanguisorba albiflora

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:35
1枚目:このような木道を歩いていくと・・・。 2,3枚目:エゾオヤマリンドウGentiana triflora var. montana)が。 花が咲き始めたばかりのようで,この八幡平では至る所で咲いていたが,ほとんどが一輪だけ咲いていた。 新しい蕾みが育ち始めているものも一部にあったが,ほとんどは一輪のみ。 汚れたり萎みだしたものはまったく見当たらない。 4枚目:オオノアザミCirsium aomorense)と ミヤマアキノキリンソウSolidago virgaurea subsp. leiocarpa forma japonalpestris

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:36
この後は,木道と岩場の道が交互に続く。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:37-11:38
2枚目:ここにもエゾオヤマリンドウGentiana triflora var. montana)が。 この株は花弁が開いている。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:39-11:40
1枚目:画面の左は湿原なのか,笹原なのか不明。 2枚目:木道が続く。 3枚目:所々に小さな沢もあった。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:40-11:41
2本ある木道の間に花が終わり実をつけた コバイケイソウVerantrum stamineum)があった。 しかし,よく育っていない実が多い。虫に食われた跡もある。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:41-11:45
1〜3枚目:木道が左にカーブする地点。その内側に池塘らしき水たまり(2枚目)があった。 1枚目:歩いてきた道。前方にアスピーテラインの舗装道路が見える。 2枚目:水たまりの様子。水深はかなり深いが,池の内部や周辺には池塘特有の植物が多くみられる。 3枚目:これから進む方向。左にカーブした後,前方で右に折れている。 4枚目:ここで採集(黒谷地湿原-1)
観察された生物: ディフルギア( Difflugia bacillariarumD. elegansD. oblongaDifflugia sp.), トゲフセツボカムリ2種?(Centropyxis), Pontigulasia, 小型珪藻各種, ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), ヒザオリに似た未同定の糸状藻類(板状葉緑体,ピレノイドは2個), ミカヅキモ( Closterium sp.), ツヅミモ( Cosmarium sp.), ホシガタモ( Staurastrum pilosum), イボマタモ( Euastrum cuneatumE. crassumE. humerosumの変種?), ハタヒモ(Netrium digitus), フタボシモ(Cylindrocystis brebissonii), ユレモ(Oscillatoria), Hapalosiphon, ミジンコ, ワムシ,

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:41-11:45
前回の蔵王/芝草平(2007.8.17)では,雨に濡れて採集道具を入れる手提げ袋と,その内側に入れていたファイルボックス(どちらも紙製)が ボロボロになってしまったため,廃棄せざるをえなかった。 その上,途中で採集用のカップ付き指示棒をなくしてしまい散々だった。 これは今回の採集直前に新調した採集道具入れとカップ付き指示棒(注)。

注:外側の黒い袋は,近所のスーパーで購入したエコバック。ナイロン繊維?でできた丈夫な造り。水に濡れても問題なし。 内側にあるファイルボックスは今度はプラスチック製のものにした。これも耐水性は完璧。 また,駒込ピペットを入れる筒だけは従来と同じ紙性だが,それをファイルボックスに固定する方法も工夫した。 これまではその都度,テープでファイルボックス内側の角に筒を固定していたが,これだとテープを貼ったり剥がしたりするのが面倒なので, 今回はファイルボックスの角からやや離れた両側2ケ所に穴を開け,そこから適当な長さのビニール製のヒモを通して外側で結び, そのヒモとファイルボックスの間にできた隙間に紙性の筒を立てられるようにした。 これだと,固定するのも楽だし,多少強い力で押されても,テープの時のように筒が倒れてしまう恐れもない。 また,ファイルボックスをザックに仕舞う際にも,ヒモなので,とくに問題なくファイルボックスを折り畳むことができる。
カップ付き指示棒は,予備のカップと指示棒が残っていたので,出発前日の夜,自宅で自作した。 作り方は簡単で,ガスコンロの火で尖った金具を熱して,カップと指示棒の先に付いているプラスチックの部分に穴を開け, その穴に細めの針金を通して両者を結べばよい。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:46-11:47
1,2枚目:途中にまた池塘らしき水たまりが現れた。 3枚目:ここでも採集(黒谷地湿原-2)
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ディフルギア( Difflugia bacilliferaD. oblonga), トリネマ(Trinema), ラッパムシ(Stentor igneus, 共生藻類有り, S. pyriformis, 共生藻類有り), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), ペロニエラ(Peroniella hyalothecae), エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), クレブソルミディウム(Klebsormidium), コウガイチリモ( Pleurotaenium minutumPleurotaenium sp.), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. pronum), カメガシラモ(Tetmemorus brebissoniiT. laevis), ツヅミモ( Cosmarium globosum), ホシガタモ( Staurastrum furcatum?, S. hystrixS. wandae), トゲツヅミモ(Xanthidium armatum), イボマタモ( Euastrum cuneatumE. humerosumの変種?), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ(Penium sp.), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens var. tatrica), Bambusina, クロオコッカス(Chroococcus turgidus), シネココッカス(Synechococcus), ミジンコ, ワムシ, イタチムシ, センチュウ,

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:47-11:48
また, エゾオヤマリンドウGentiana triflora var. montana)が。 これは花弁がかなり開いているが,花は一輪のみで他に蕾みは見当たらない。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:49
1枚目:途中にはこのように潅木地帯(ないし笹薮)もある。傾斜のある場所には,やや古いタイプの横棒がついた木道が。 2枚目:この頃,空はだいぶ晴れ上がっていた。この調子でいってくれれば,と願ったが,後述するように, この後は,ふたたび雲が多くなった。晴れ間が安定して続いたのはこの頃くらい。この後は晴れたり曇ったりの繰り返しとなり, 次第に雲が多くなった。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:49
1枚目:潅木地帯(ないし笹薮)と,,, 2枚目:小湿原の繰り返しが続く。

黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:50-11:52
1枚目:やや広い湿原が現れた。 2枚目:池塘もある。これは木道からやや遠いが,その先に, 3枚目:もう一つあった。これは木道にやや近い。 4枚目:上述のカップ付き指示棒を使って池塘の岸辺近くの水を採集(黒谷地湿原-3)。 5,6枚目:カップの中の水を駒込ピペットで吸い込み,採集用の蓋付き遠沈管に入れようとしたところ, 水中に緑色の粒が多数浮かんでいるのに気づいた。フラフラ泳いでいるようにも見えたが, 肉眼では何なのかハッキリ識別できない。 撮影後,この画像(6枚目)を拡大してみたところ,やや細長い三角形をしていたので,クロレラを共生させたラッパムシであることが判明。 こういった湿原の池塘にはよく見られるタイプ。この後の他のサンプルにも,ここほどではないが,結構な数が見られた。
観察された生物: ディフルギア( Difflugia oblonga), アミカムリ(Nebela marginata), ラッパムシ(Stentor igneus, 共生藻類有り, S. pyriformis, 共生藻類有り), ペロニエラ(Peroniella hyalothecae), エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium minutum), ミカヅキモ( Closterium pronum), ホシガタモ( Staurastrum hystrix), トゲツヅミモ(Xanthidium armatum), イボマタモ( Euastrum cuneatumE. crassum), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ(Penium polymorphum), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens var. tatrica), Bambusina, メリスモペディア(Merismopedia), ケンミジンコ,


黒谷地湿原を北へ(八幡平市),11:53-11:54
1枚目:途中にある茂みに入る手前に,, 2枚目:小さな湿原があり,そこに小さな池塘があった。 3枚目:ここでも採集(黒谷地湿原-4)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ステイニア(Steinia), 棘毛類繊毛虫, ディセマトストマ(Disematostoma minor), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), クロロモナス(Chloromonas), ミクロスポラ(Microspora), ミカヅキモ( Closterium rostratum), ホシガタモ( Staurastrum simonyi?), Staurastrum sp., 4放射型,角は丸い,棘有り,やや小型,縦に長い), イボマタモ( Euastrum cuneatum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus),

熊の泉(八幡平市),11:55
途中にある水場。 黒谷地入口から0.5 kmとある。黒谷地入口から歩き始めたのが11:34なので,ここまで500 mを移動するのに21分かかったことになる。 採集や写真撮影をしながらなのでだいぶ時間がかかった。

Part II: 熊の泉〜八幡平頂上・茶臼岳分岐 2007.08.23, 11:55 - 12:04

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