HOME | 研究資料館 | 地域検索 | 採集の記録 | 2010 . 08 . 10 | お知らせ

2010.08.10, Part XIV

大仁郷湿原(イワカガミ湿原)その2

大仁郷湿原,木道の分岐まで到達した(東成瀬村),13:22-13:23

既述したが左へ行くとその先に野鳥の森があるのだが,,ここは右へ(東成瀬村),13:23

大仁郷湿原,前回は木道の更新中で,この先が通行止めになっていた(東成瀬村),13:23

前回の様子(2007.6.24,09:38-09:39撮影)。

大仁郷湿原(東成瀬村),13:23-13:24
右の池塘?で採集(大仁郷湿原-4)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena mutabilis), 小型鞭毛虫数種, 共生藻を持つコスルニア(Cothurnia imberbis), モナス(Monas sp.), 珪藻少々, ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), ツヅミモ( Cosmarium globosum), 未同定の糸状藻(細胞内に油滴のようなものが多数),

大仁郷湿原,湿原を縦断する水路を横断する(東成瀬村),13:25-13:26

大仁郷湿原,水路の様子(東成瀬村),13:26

大仁郷湿原(東成瀬村),13:26-13:28
白い泥の表面が緑色をしていた。 これを採集(大仁郷湿原-5)。 翌日の観察により,緑色の正体は ミドリムシ(Euglena mutabilis) が大量増殖したものであることが判明。 この時,Euglena mutabilisに混じって,わずかに レプトファリンクス(Leptopharynx,注1) がいた。細胞質が緑色をしていたので共生藻がいるのかと思ったがそうではなかった。 彼らはEuglena mutabilisを餌にしていたのだった。 その翌日,採集後2日目(8/12)にはほとんどのEuglena mutabilisを食べ尽くしてしまった。 よって3日後(8/13)に撮影したサンプルの画像に写っているのはEuglena mutabilisではなく, Pseudomicrothoraxばかりとなった。ものすごい繁殖力だ(注2)。
観察された生物: ミドリムシ(Euglena mutabilis)多数, レプトファリンクス(Leptopharynx,注)

注1:当初は,これを シュードマイクロソラックス(Pseudomicrothorax) と誤認した。 しかし,細胞が飢餓状態になって細胞が透明になると,シュードマイクロソラックスとは異なっていた。 その後,シュードマイクロソラックスではなくレプトファリンクスであることが判明。 ミドリムシを捕食した直後は,細胞が肥大してシュードマイクロソラックスとそっくりになるため,誤認してしまった。 実験室では,Euglena mutabilisだけでなくEuglena gracilisも捕食することがわかったので, 以後はEuglena gracilisを餌にして培養を続けている。
注2:このレプトファリンクスは同じサンプルにいた訳だが,野外ではなんらかの理由で両者は接触する機会が抑えられていたのだろう。 それがピペットで吸い取る際に一緒になって混じってしまい,同一環境に置かれることで, 次々とEuglena mutabilisがレプトファリンクスの餌食になってしまったようだ。

大仁郷湿原,草が白い泥で覆われている(東成瀬村),13:28

大仁郷湿原,湿原の東へ来ると乾燥してくる(東成瀬村),13:29-13:30

大仁郷湿原,空には青空も見えるのだが,ポツリポツリと雨粒が(東成瀬村),13:30
2枚目:一応,ピントが合ってから撮影したはずだが,,。 露出が空の明るさに合ったままシャッターが降りたようだ。真っ暗。 Coolpix S8000は,どうも露出調整がおかしい。

大仁郷湿原,湿原を出る(東成瀬村),13:31

湿原の外を通る周回路に沿って歩く,右へカーブ(東成瀬村),13:31

振り返って歩いてきた湿原をパノラマ撮影(東成瀬村),13:32

湿原の外を通る周回路に沿って歩く(東成瀬村),13:33

左は駐車場へ向う遊歩道,このまま周回路を進む(東成瀬村),13:34

Part XV: 大仁郷湿原〜須川高原温泉
2010.08.10, 13:34 - 14:38