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2010.06.13, Part XII

矢ノ原湿原(2)

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),14:52
1,2枚目:パノラマ撮影。坂を下ると次第に沼の水面が近付いてきた。

矢ノ原湿原,沼岸へ近付く(昭和村),14:53
1〜3枚目:さらに近付いてパノラマ撮影。 手前はササ,その先の水際ではミツガシワ(注)と思われる草が群生している。

注:葉がだいぶ大きいので,最初はミツガシワのようには思えなかったが, この後,沼の南端付近で咲いている花をみてミツガシワであると確認した。

矢ノ原湿原(昭和村),14:53
沼岸へ向う踏跡があったので,そこを辿って近付いた。

矢ノ原湿原(昭和村),14:54
1〜3枚目:近付いたところで周囲をパノラマ撮影。 沼岸ではミツガシワMenyanthes trifoliata)が大きく育っていた。 ただし,この時は周囲に花が咲いていなかったので(実もない),最初はこれがミツガシワだという確信が持てなかった。 葉がこれまで見て来たどれよりも大きかったからだ。 既述したように,この後,湿原の南端近くでわずかに花が咲いているのを見てミツガシワであると確信した。
先に訪れた宮床湿原(標高850m)では花が咲いていたが葉はまだ小さかった。 矢ノ原湿原の標高は約660m(国土地理院の地図で推定)なので200mの標高の差が影響しているのかも知れない (ここは開花時期が宮床湿原より早いはず)。

矢ノ原湿原,沼岸で採集(昭和村),14:55
ここで採集(矢ノ原湿原-1)。 結構いたが,湿原に特有のものはほとんどいない。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.), 透明なウチワヒゲムシ(Hyalophacus), キクリディオプシス(Cyclidiopsis acus), エントシフォン(Entosiphon), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), 小型太陽虫, ナベカムリ(Arcella sp.), Lesquereusia, ユーグリファ(Euglypha tuberculata), スピロストマム(Spirostomum), アスピディスカ(Aspidisca), コレプス(Coleps), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans), クリスチゲラ(Cristigera phoenix), ミクロトラクス(Microthorax), 棘毛類繊毛虫, 小型繊毛虫数種, イカダモ(Scenedesmus quadricauda), ブルボケーテ(Bulbochaete), Achromatium, ケンミジンコ, ワムシ,

矢ノ原湿原,少し進んだ先にも岸辺に近付ける場所があった(昭和村),14:55

矢ノ原湿原,沼岸(昭和村),14:55
??

矢ノ原湿原,沼岸(昭和村),14:55
これはオオカサスゲCarex rhynchophysa)?

矢ノ原湿原(昭和村),14:57
ここで採集(矢ノ原湿原-2)。 ここはあまり数は多くない。ほとんどが従属栄養のもの。湿原に特有のものはほとんどいない。
観察された生物: キクリディオプシス(Cyclidiopsis acus), リピドデンドロン(Rhipidodendron), ナベカムリ( Arcella gibbosaA. mitrataArcella sp.), ディフルギア( Difflugia acuminataD. oblongaDifflugia sp.), ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema enchelys), パラコンディロストマ(Paracondylostoma setigerum), コレプス(Coleps), 珪藻各種, イボマタモ( Euastrum ansatum), ケンミジンコ, ワムシ,

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),14:58

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),14:59

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),14:59

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),15:00
1,2枚目:パノラマ撮影。この辺は南湿原の中央付近だと思うが,ここから先は水面全体がミツガシワで覆われていた。

矢ノ原湿原,沼沿いの遊歩道を南へ(昭和村),15:00
かなり古い標柱。「あなたが来たあと□,いつもきれい□□」と読める。

矢ノ原湿原,湿原らしい風景が現れた(昭和村),15:01
1,2枚目:パノラマ撮影。 前方に湿原の南端が見えて来た。その周囲は沼地ではなく,狭義の「湿原」になっているようだ。 この先でその湿原に敷設された木道を歩くことになる。

矢ノ原湿原(昭和村),15:02

矢ノ原湿原(昭和村),15:03
1,2枚目:南湿原の南端近くまで来た。あたりは一面ミツガシワで埋め尽くされている。

矢ノ原湿原(昭和村),15:05
遊歩道が沼岸に接近している場所に来た。 あたりは一面,ミツガシワMenyanthes trifoliata)。

矢ノ原湿原,ミツガシワの根元で採集(昭和村),15:06
ミツガシワに近付くとその下にはまだ水があった。 ミツガシワや枯草の間にピペットを入れて採集(矢ノ原湿原-3)。 ここは前の2ケ所(沼岸)よりもやや多い。 また,湿原に特有の種類も若干だがいた。
なお,サンプリングチューブの先のミツガシワではわずかだが花が咲いていた。 他より遅れて咲いたのだろう。既述したように,これを見てミツガシワであることを確信した。 しかし,周囲を見ても花はわずかで,大きく成長するはずの実はまったく見当たらない。 この矢ノ原湿原では,今年は花があまり咲かなかったのかも。。。
観察された生物: カリキモナス(Calycimonas physaloides), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), ナベカムリ(Arcella sp.), Lesquereusia, ユーグリファ(Euglypha sp.), トラケロユーグリファ(Tracheleuglypha), ディプロフリス(Diplophrys sp.)またはその仲間, ラッパムシ(Stentor fuliginosus), スピロストマム(Spirostomum intermedium), ロクソフィルム(Loxophyllum), カエネア(Chaenea), プロロドン(Prorodon sp.), コレプス(Coleps heteroacanthus), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), 珪藻各種, ミカヅキモ(C. intermedium), ワムシ, ミジンコ, イタチムシ,

Part XIII: 矢ノ原湿原(3)
2010.06.13, 15:06 - 15:17