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2009.08.26, Part VIII

弥陀ケ原東の斜面沿いを歩く

急傾斜沿いの踏み跡を進むと池塘があった!(庄内町,現在位置),10:06
ほどなく踏み跡の右に池塘らしき場所が現れた。

急傾斜沿いの踏み跡を進むと池塘があった!(庄内町),10:07
しかし,近付いてみると水底には一度乾ききって,ひび割れが跡があった。 池塘には違いないが,これでは原生生物は期待できない。 ここで採集(弥陀ケ原東の斜面)。 予想通り原生生物はごくわずかしかいなかった。 いたのはこういった変化の激しい場所でよく見られる クラミドモナス(Chlamydomonas sp.)に近縁の クロロモナス(Chloromonas)の仲間。 それと シネココッカス(Synechococcus) が目立った。これもこういった環境でよくみつかる種類だ。
観察された生物: トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ウロトリカ(Urotricha), クロロモナス(Chloromonas), シネココッカス(Synechococcus), スティゴネマ(Stigonema), ワムシ,

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:07
ミヤマリンドウGentiana nipponica)。 前回(2006.8.3)は, 弥陀ケ原でも見られたが,今回は弥陀ケ原では見当たらなかった(時期が過ぎていたのだろう)。 しかし,ここではたくさん咲いていた。 弥陀ケ原よりも標高が低いが,ここは残雪が遅くまで残っているので,開花時期が遅れているようだ。 この後,他にも弥陀ケ原では8月初旬に咲いていて,今回(8月末)はすでに花が終わっていた様々な高山植物が ここでは今が盛りと咲いていた。

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:09
チングルマGeum pentapetalum)の群生。 ここでは花が終わって果穂になっていたが,この先ではいまだに花が咲いていた(後出)。

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:09
ふたたびミヤマリンドウGentiana nipponica)を撮影。 残念ながらピンぼけ。

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:12-10:13
1枚目:岩がゴロゴロした踏み跡を歩く。 2,3枚目:弥陀ケ原では見られなかった ニッコウキスゲHemerocallis middendorffii var. esculenta)が咲いていた。

踏み跡を辿って南へ(庄内町),10:14
砂混じりの裸地化した泥炭層の上を歩く。

前方に雪渓が見えてきた(庄内町),10:16
次第に岩がゴロゴロして,どこが踏み跡かはっきりしなくなってきた。 草原というよりは岩場。岩と岩の間に様々な高山植物が育っていた。 画面手前はチングルマ(果穂)の群生。
岩場の先に雪渓が見える。近付くとチョロチョロと水の流れる音も聞こえてきた。 この辺の岩場の下は湿地状になっているのだろう。 そのため湿地によく見られるイワイチョウ(後出)などもたくさん育っていたものと思われる。

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:16-10:17
岩場を進むと チングルマGeum pentapetalum)の花が咲いている場所が現れた。 さきほどよりも遅くまで雪に覆われていたのだろう。 この辺は東向きで日当たりのよい場所のはずだが,ここが一番遅くまで雪が残るというのはやや不思議。 積雪量が多いということ?

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:17-10:18
雪解け後の雪田の底に大群生するというオオツガザクラPhyllodoce alpina)。

踏み跡沿いに咲く花々(庄内町),10:18
イワイチョウFauria crista-galli), 花は少ないが葉がいたるところで育っていた。

雪渓が迫る(庄内町),10:19
1〜3枚目:雪渓に近付いた所で東〜南方向をパノラマ撮影。 1枚目:斜面の先に水辺が見えた。池塘らしき場所もある。 だが,かなり遠い。一応,近付けるところまで近付いてみることにした。 途中に急な傾斜もある。岩がゴロゴロ,ガレ場というほどではないが,足場が悪い。

雪渓周辺に咲く花々(庄内町),10:19-10:20
岩と岩の間に群生するヒナザクラPrimula nipponica)。
この辺はあたり一面,ヒナザクラの花とイワイチョウの葉?で覆われていた(正確には岩と岩の間)。

雪渓の下方にある水辺(庄内町),10:22
1枚目:前方でさらに傾斜がきつくなる。水辺はまだまだ先。 岩の上が草が覆われている場所が多い。草の上は足場がはっきりしないので避けて通るしかない。 そのため,歩ける場所が意外と少ないので一歩一歩足を降ろす場所を探すだけでも一苦労。 2枚目:望遠撮影。 あの水辺の先は,おそらく「にごり沢」の支流になっているのだろう。 とすると現在地は,標高1420〜30m付近。

雪渓の下方にある水辺(庄内町),10:27
さらに急斜面を下って,再度,望遠撮影。 手前の水辺は水路のようで,ここからでも水が前方に向かって流れているのが見える。 奥はおそらく池塘だろう。が・・・。
これ以上近付くのは無理,というか危険と判断。ここで引き返すことにした。

Part IX: 弥陀ケ原東の斜面沿い〜弥陀ケ原:東〜南側の木道
2009.08.26, 10:28 - 10:52