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2009.06.28, Part V

田代平(1)

田代平分岐(標高 約1260m,仙北市),10:13-10:14
1〜3枚目:分岐の手前でパノラマ撮影。 ここは田代平山荘から250mほど西の地点。 田代平は,ここから田代平山荘まで(東側,3枚目)と, 大白森・小白森,ないし,蟹場温泉から乳頭山に向う登山道(北北西側,1枚目)沿いに広がっている。 湿原の本体は北北西側で登山道沿いに,途中,潅木地帯を挟んで1 kmほど続いている。

分岐に立つ2本の標柱,どちらが正しい?右?(仙北市田沢湖田沢),10:14
左側には「乳頭山山頂 2.0 km→,大白森方面←」とあるが, 右側には「乳頭山→ 1.4 km,大白森←7.0 km」と書かれていて,山頂までの距離が一致していない。 見た目は右の方が詳しいし,新しそうなので,おそらく右が正しいのだろう。。。。

考察1:右の標柱には,脇に「孫六温泉→2.0 km」とあるが,孫六温泉がある登山口付近の標高は810m。 登山口〜田代平分岐までは距離が2.0 kmで,標高差が450m(1260-810)。移動時間は77分(08:57-10:14)だった。 一方,ここ(田代平分岐)から山頂までは距離が1.4 kmで,標高差が218m(1478-1260)なので, 平均の傾斜は登山口〜田代平分岐の方が急(登山口〜田代平分岐は0.2;田代平分岐〜山頂は0.16)だったことになる。 よって,足の疲れを考慮したとしても,ここから山頂までは1時間ほどで到達できるはず。 往復2時間。 この後,山頂には行かずに田代平だけを往復して登山口に戻ったのが12:00頃で, 当初予定していた復路のバスの発車が15:30(考察2)。とすれば,山頂まで往復しても時間的には十分,復路のバスに間に合ったはず (ただし,空吹湿原には行けなかったかも知れない)。
考察2:16:35発というのもある。往路は45分で駅から乳頭温泉に着いたので, もし,復路も同じだとすると,駅に着くのが17:10。 これでも復路の新幹線(17:28発)に間に合ったはず。 16:35まで歩き回れば,空吹湿原も訪れることができただろう。
ただし,上記はもし膝が痛まなければの話。 もし,山頂&空吹湿原の両方を訪れたとすると,全体の累積標高差は約900m弱になる。 これは2年前に千沼ヶ原を訪れた時とほぼ同じ。 2年前は下山途中で膝が痛みだし,予定より1時間以上かかってしまった。 今回も膝が痛み出せば山頂&空吹湿原の両方を訪れるのは無理だったのは確実。 最近はよく歩いているので足が慣れているとはいえ, 前日(6/27)もかなり歩き回ったので, 山頂まで行くと膝痛が発症した可能性が高い。

田代平分岐から乳頭山山頂方向を撮影(仙北市田沢湖田沢),10:14
地図によるとこちら側にも湿原があるらしいが,メインの部分は反対側なので, こちら側は余裕があれば後で訪れることにする。

大白森方向,まずはこちらへ進む(仙北市田沢湖田沢),10:14
ということでまずは大白森・小白森方面に向った。 方角的には北北西。標高は徐々に下がっていく。 既述したように,現在の標高は1260mだが,国土地理院の地図によると, いったん1230m付近まで下がり,その先で若干(10m程)上がって,最後に1210mまで下がったところで湿原は終っている。 したがって,田代平分岐〜湿原北西端間の累積標高差は50,ないし60mほどになる。
一方,分岐から田代平山荘までの標高差は10m余。よって田代平を東西に往復した場合の累積標高差は,およそ70mになる。
なお,国土地理院の地図では,ここから50mほど進んだ先から250mほどの区間は,岩手県雫石町内を通り, その後,ふたたび秋田県側に戻るように描いてある。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 ),10:14
木道周辺は荒れている。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:15
1枚目:チングルマGeum pentapetalum)と, 2,3枚目:??)。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:15-10:16
1枚目:この辺までは平坦だが, 2枚目:徐々に下り始める。
上述のように,この辺か,もう少し先で秋田県を出て岩手県に入るはず。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:16-10:17
1枚目:ハクサンチドリDactylorhiza aristata)と, 2枚目:回復作業中の場所?

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:17
チングルマGeum pentapetalum)の群生。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:17
坂を下った先に大きな池塘が見える,その先が標高1239mの小ピーク。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:17-10:18
1枚目:ヒナザクラPrimula nipponica)と, 2枚目:ウマスギゴケPolytrichum commune)。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:18
イワカガミScizocodon soldanelloides)。 明るすぎてピンクの色がでない。

田代平を北北西へ,階段を降りていく(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:19
1枚目:急な階段が始まる手前で進行方向を撮影。 階段を降りた先にも湿原があり,その中間付近に大きな池塘があるのが見える。 また,後述するが,その池塘の脇から直線的に手前にある木道まで伸びる踏跡がある。 木道はその踏跡を左に迂回する形で敷設されている。 2枚目:太い丸太を組んだ木枠でできた階段を降りる。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:20
イワイチョウFauria crista-galli)。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:20-10:21
1枚目:イワカガミScizocodon soldanelloides)と, 2枚目:ヒナザクラPrimula nipponica)。

田代平を北北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:22-10:24
坂を下りわずかな潅木地帯を抜けると・・・。

田代平を北北西→北西へ(仙北市田沢湖田沢 or 雫石町),10:24
やや少なめのワタスゲEriophorum vaginatum)が出迎えてくれた。 前方に人影があるが,熱心に写真撮影をしていた。 木道はここでやや左に折れ,北北西から北西向きに変わる(ただし,一時的。すぐに北北西に戻る)。
注:ここから少し先で雫石町から仙北市に戻るはず。

田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:25
腰をかがめて ワタスゲEriophorum vaginatum)を撮影。 汚れていないきれいな果穂だ。なんとなく初々しさを感じるほど。

田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:25
途中から木道が2本になった。その訳は・・・。

田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:25
木道の脇に池塘があるためだった。

田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:26-10:28
この先,あまり池塘はなさそうなので,,。この池塘で少し多めに採集することにした。 池塘の右(1枚目),左(2枚目),やや中央より(3枚目)の3ポイントで採集(田代平-1a, -1b, -1c)
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), キクリディオプシス(Cyclidiopsis acus), カリキモナス(Calycimonas physaloides), 小型鞭毛虫数種, アミカムリ(Nebela marginata), 共生藻を持つラッパムシ(Stentor), クリスチゲラ(Cristigera phoenix), ツリガネムシ(Vorticella), 小型繊毛虫数種, サヤツナギ(Dinobryon sertularia), 珪藻各種, イカダモ(Scenedesmus), アステロコッカス(Asterococcus sp.), ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ(Pleurotaenium minutum), ミカヅキモ( Closterium dianae ?, C. idiosporumC. rostratum ?), アルスロデスムス( Arthrodesmus extensus), ツヅミモ( Cosmarium globosumC. oblongumC. parvulum?, C. quadrifarium), ホシガタモ( Staurastrum hystrixS. subaviculaS. wandae), イボマタモ( Euastrum ampullaceumE. cuneatumE. humerosumE. pinnatum ?), ハタヒモ(Netrium digitus), フタボシモ(Cylindrocystis), クロオコッカス( Chroococcus pallidusC. turgidus), ユレモ(Oscillatoria), Achromatium oxaliferumAchromatium oxaliferum ワムシ, イタチムシ, センチュウ, クマムシ, ミジンコ, ケンミジンコ,

田代平を北西へ(仙北市田沢湖田沢),10:29
左手前にも池塘らしき場所があったが,すでに干上がっていた。 その先には水が残っている池塘があるが,遠すぎて採集不可。

Part VI: 田代平(2)
2009.06.28, 10:29 - 10:45