B型肝炎ウイルス



Hepatitis B virus.   HBV


ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae) オルソヘパドナウイルス属(Orthohepadnavirus)のウイルス

感染と病気

輸血や麻薬タバコの回しのみ、体液の接触等で感染し、肝炎を引き起こす。

粒子構造と遺伝子

直径約42nmの球状粒子。厚さ約7nmの膜(エンベロープ)を持つ二層構造をしており、内部に直径約27nmのコア粒子がある。発見者の名を取ってDane粒子とも呼ばれる。感染血中には、この他、直径約22nmの球状の小型粒子、直径約22nmで長いものでは700nmに及ぶこともある様々な長さを持つ棹状粒子が存在する。遺伝子を持つのはDane粒子であり、小型粒子、棹状粒子には認められてはいない。遺伝子は環状二本鎖DNAであるが、一方の鎖が短く環状構造の中に長い一本鎖部分がある。反対側の鎖も完全な環状ではなく切れ目があり、5’末端には蛋白質が結合している。遺伝子の複製過程に、逆転写酵素が働く過程がある。粒子の表面にある抗原には、adr,adw,ayr.aywなどの亜型がある。

(矢崎 和盛<法政大学>)


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