ヘパドナウイルス科 Hepadnaviridae



肝臓(ギリシャ語で hepar)に炎症を起こすDNAウイルスとしてこの名がある。


オルトヘパドナウイルス属 Genus:Orthohepadnavirus
    主なウイルス:B型肝炎ウイルス Hepatitis B virus(HBV)
           地リスB型肝炎ウイルス Ground squirrel hepatitis B virus (GSHV)
           ウッドチャックB型肝炎ウイルス  Woodchuck hepatitis B virus (WHV)

トリヘパドナウイルス属 Genus:Avihepadnavirus
    主なウイルス:ガチョウB型肝炎ウイルス Duck hepatitis B virus(DHBV)
           Heron hepatitis B virus (HHBV)


・感染と病気

 B型肝炎ウイルスは、輸血や麻薬のキセル、たばこの回し飲み等で感染する。出産時、母体の感染血に接触することによる母児間感染もある。急性肝炎、慢性肝炎の原因となる。

・粒子構造

 発見者の名を取ってDane粒子と呼ばれる、直径60nmの球状粒子。エンベロープを持つ。
感染血中には、その他直径22nmの球状の小形粒子や、太さ22nmで様々な長さを持つ管状粒子が見られるが核酸は認められない。

・遺伝子

 二本鎖DNAを遺伝子とする。二本のうち、一方は短いので環状遺伝子の一部に一本鎖部分ができる(ギャップ)。反対側の鎖にもギャップがあり、5’末端には蛋白質が結合している。複製中に、逆転写酵素が働く過程がある。

(矢崎 和盛<法政大学>)


<トップページに戻る>