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ディノブリオン属 Dinobryon

サヤツナギ属;Ehrenberg
| bavaricum | cylindricum | divergens | sertularia |

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Dinobryon1 Dinobryon2
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1; Dinobryon sp. (divergens ?), 2; Dinobryon sp. (sertularia ?),

Dinobryon 門/綱:細胞長さは大きくても 5〜20 μm。淡水性。
細胞前端部に1〜2本の不等長鞭毛がある。長い方が羽型(2列の側毛;mastigonemesがつく)で前方向き。 Pleuronematic flagellumとも呼ばれる。 2本目がある場合は、短く裸で後ろ向き。その根元が膨らんでいて細胞の窪みにある。その付近にある 葉緑体の内部に赤い眼点がある。 1個の核をもち、それはpleuronematic flagellumの基部と cross-striated rottletでつながっている。 核内には1〜2個の pulsating vacuolesがある。
細胞内に1個もしくは2個ある葉緑体は、クロロフィルa, cを含むが、β-カロチン、キサントフィルが多いため、 黄緑色(golden-yellow)ないし黄褐色(golden-brown)を示す。このため gold algae とも呼ばれる。 二重膜と小胞体槽からなる被膜をもつ。三重のチラコイド、帯状ラメラ ( girdle lamella )からなる。
細胞は裸出ているものが多いが、中には寒天質や殻をかぶるものもいる (Synura, Mallomonas, Paraphysomonas)。 Dinobryonなど ロリカ内で生活するものもいる。 extrusomeとして discobolocystsを持つ。
有鞭毛と無鞭毛の2相がある。群体を形成するものもいる。 無性生殖は分裂と内生的なシストによる。有性生殖はDinobryonなど一部で知られている。
貯蔵物質は、液胞内のクリソラミナリン(Crysolaminarin、=ロイコシン)と油滴。
独立栄養または従属栄養の両方がいる。約1000種。

目:  準備中

属:浮遊性で分枝した樹枝状の群体。 各細胞は細い細胞質の糸でロリカに接着している。ロリカは円筒形で funnel-shaped mouthをもつ。 不等の2本の鞭毛をもつ。葉緑体は1個ないし2個。眼点あり。細胞先端部に2個の収縮胞。 シストを形成するものあり。細胞分裂の際,娘細胞の片方はロリカの縁から新しいロリカを形成 することにより樹枝状の群体となる。分類はロリカとシストの形態による。

D. divergens まばらか,または,密に分枝する。
被殻の基部は円錐状で細長い。先は尖がる。上部は円柱状で口部はやや開いている。 側辺はやや脹らみ,不規則に波打つ。被殻の径は7〜12μm。長さは30〜70μm。
池沼,湖水にふつうにみられる。
D. sertularia 密に分枝している。
被殻は短いツリガネ状。基部は湾曲した円錐状。上部は途中少し細くなるが,口部は開いている。 側辺はふくらむが平滑。被殻は径8〜14μm。長さ24〜45μm (「Illustrated Guide・・」p. 63 では 径7〜11μm。長さ25〜40μm)。 シストは平滑で,球状,10〜14μm。
池沼,湖水にふつうにみられる。

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Species (synonyms)

  1. Dinobryon bavaricum Imhof var. bavaricum
  2. Dinobryon cylindricum var. alpinum
  3. Dinobryon divergens Imhof var. divergens
  4. Dinobryon sertularia Ehrenberg var. sertularia
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