科学とインターネット
ネットワーク上の学術情報を評価しバックアップする社会システムの必要性 月井・木原・鵜川
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3 当該研究の位置付け

 既述したように,本研究と同じ内容の研究は,調べたかぎり国内外を問わず他では行なわれていない。ただし,米国では昨年来,Internet Archive(http://www.archive.org/)と呼ばれる活動が行なわれている。これはネットワーク上で公開されている情報をすべてArchiveして,貴重な歴史資料として保存していこうとする大胆な試みである。(昨年は2テラバイト程のデータを収集したとの報告があった)しかし,問題は,情報の内容の如何にかかわらず手当たり次第に収集した結果,プライバシーに関係したものなど発信者が永続的な保存・公開を望まないものまで集めてしまったため,せっかく集めた情報が利用できないという問題が起きている。
 我々の研究では,収集する対象を公開を原則とする学術情報のみに限定し,情報発信者の了解を得た上で archiveすることで,そのような問題が起こらないよう配慮している。


Internet Archive初期画面

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