科学とインターネット
ネットワーク上の学術情報を評価しバックアップする社会システムの必要性 月井・木原・鵜川
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2 学術的な特色・独創的な点
  及び予想される結果

 本研究の代表者,及び研究分担者はいずれも生物情報学を専門とするが,本研究のテーマは学術研究全般に関係する極めて基本的な問題である。このような社会システム作りをめざした研究は,我々が調べたかぎりでは国内外を問わず他では行なわれていない。また,本研究課題を実現するためのハード面の技術としては,後述するサーチエンジンなど既存の技術を応用することができ,新規の技術開発は必要ない。必要なのは,2つの社会システムを機能させるための人的な組織作りとルール作りであり,それを広めるための社会的な合意の形成にある。
 かりにこれらの社会システムが構築されれば,学術研究の全分野においてネットワークを利用した情報の公開がさかんになり,学術研究の発展に大きく寄与すると予想される。また,ネットワーク上で公開された学術情報は,学術雑誌と異なり,広く一般市民の目にも触れやすくなるため,今後の学術研究の在り方に大きな変化をもたらす可能性がある。


YahooACARAなどはディレクトリサービスと呼ばれ,ネット上で公開された各サーバにある入り口だけを分類して一覧表示している。分野ごとに分かれている点はいいが,各サーバの奥深くにあるデータについては,直接アクセスしないかぎり何があるかわからない。
一方のGoo, AltaVistaなどのサーチエンジンは,Robotというデータ自動収集プログラムによって各サーバで公開されているテキストデータを手当たり次第に集めてデータベース化し,一般に公開している。全文検索が可能なので直接アクセスしなくとも何があるかを知ることができる。


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