3-1-4. 動画の取込みDV (デジタルビデオ)テープから再生された動画を取り込むためのパソコンとして,法政大学備品 Power Macintosh G3 MT266 180Mb/6Gbを利用した。また,動画をパソコンに取り込むための画像入力ボードとしてハードウェアコーデック(信号変換)採用のインタウェア社製DVカードを採用した。
[採用機種]Interware社製 DV Cinema Gear カード
動画の取込みは,上記のカードとビデオデッキとを専用ケーブルで接続し,カードに附属している取込み用ソフト(DV Clipper)を用いて作業を行なった。このシステムでは,動画データは DV-NTSC圧縮と呼ばれる方式で圧縮され,ハードディスク上に動画ファイルとして記録される(注:DV-NTSC圧縮では,コンピュータ表示に用いる画像RGB 24ビットと比べてデータサイズは約1/10に圧縮される)。
また,DVビデオデッキで再生された動画は,リアルタイムでパソコンに転送されてくるが,この動画データは大容量のため,取り込む側のパソコンの処理能力が低いと,動画フレーム(画面)の撮りこぼしが起こる。撮りこぼしを防ぎ,再生されたすべてのフレームを切れ目なくディスク上に書き込むには高速ハードディスク(Ultra-wide-SCSI HDD)が必要である。そのために以下の機種を採用した。
[採用機種]YANO電器製 ハードディスク NJ4500HD-UW
DVテープに記録された動画の編集は,テープでは行なわず,すべていったんコンピュータに取り込み,デジタルファイル化したもので行なった。取り込んだ動画ファイルの保存用媒体としては,昨年初頭(1998年)から普及が始まったDVD-RAMディスクを採用した。DVD-RAMを採用したのは,これが現在普及している記録媒体として,データあたりのコストがもっとも安い(1 M bytesあたり約1円)からである。
[採用機種]Panasonic社製 LF-D100JA
動画の編集をテープ上で行なわず,デジタルファイル化したものを使って行なうことにした理由は以下のとおりである。
まず,通常のビデオ編集では,一次データのあるテープから必要なカットを選び出し,それらをイベントリストとしてまとめた上で,一括して別テープへ転写する作業を行なう。しかし,動画データベースの場合は,撮影した各カットの動画は,将来様々な目的で利用される可能性があるので,あらかじめ特定の目的にしたがって取捨選択するわけにはいかない。
また,静止画の場合は,動いている原生生物を撮影するため,撮影された画像(スライド)の中には,ピントが合わなかったり,構図が良くないなどの理由でデータベースに使えないものが混じってくる。そのため,デジタル化(フォトCD化)の前に,データベースに収録できる画像(スライド)とそうでないものを選別する必要がある。しかし,動画の場合は,静止画の場合のような撮影ミスや不要なカットはほとんどなく,したがってそのような理由で捨てるべきデータもない。
以上のような理由から,撮影された動画データはほとんどすべてをデジタル化し,保存する必要があると判断した。そのようにして蓄積した動画ファイルのストックの中から,必要に応じて適宜ファイルを選んで編集・圧縮作業を行ない動画データベースを構築しネット上で公開していく方針である。
現在は,動画を一次データとして DVD-RAMディスクに保存する作業を行なっている。今後は,取り込んだ各動画ファイル(サンプルごとのファイル)を各カット(場面の切替わり)ごとに切り分け,各カットに学名や場面の説明などのテロップを入れる予定である。この作業には,動画編集ソフトである Adobe Premiereを使用する。