3-1-5. 動画の保存状況既述したように,今回の動画撮影は,撮影時に各原生生物の属ごとにテープを用意し記録する方式にした。これまでに撮影されたDVテープは約200本であるが,これらに記録された原生生物は約200属,300種余になる。各属の撮影時間は平均30分弱であり,したがって総撮影時間はおよそ100時間である。
撮影は各サンプルごとに平均で2分前後の長さで行なっており,総サンプル数は,推定で3000個程度になる。各サンプルの動画には,細かな場面の切替わりが10〜20秒ごとにある。仮に20秒を1カットとして計算すると,これまでに撮影したカットの総計は約18000個と推定される。
2分ほどの長さの動画を連続して取り込むと,記録された動画ファイルは400 Mバイト弱の大きさになる。したがって,2分程度の動画ファイルを5〜6個,計12分ほど取り込むと2〜2.4 G バイトとなり,DVD-RAMディスク片面の容量(初期化後 2.3 Gバイト,注)とほぼ等しくなる。
注:現在のシステムでは両面を同一のボリュームとして扱えない。したがって,DVD-RAMディスク1ボリュームの最大容量は片面の2.3Gバイト(初期化後)である。
そのため,動画ファイルの撮影時間の合計が,およそ10〜12分の長さになった時点で,いったん取込みを中断し,ハードディスク上に記録された動画ファイルをDVD-RAMディスクにコピーして保存ファイルとした。ついで,ハードディスクにあるファイルを消去した後,取込みを再開する,という作業を繰り返した(現在,継続中)。
上記のように,動画の長さでおよそ10〜12分が一枚のDVD-RAMディスク片面に収録できる。両面のDVD-RAMディスクを使用した場合,やや多目に見て1枚のディスクに30分弱(0.5時間)の動画が記録できることになる。したがって,これまでに録画した動画約100時間分をすべて取り込むためには,およそ200枚のDVD-RAMディスクが必要になる。
DVD-RAMの問題点
上記の作業工程で現在一番の問題となっているのが,高速ハードディスクからDVD-RAMディスクへの書き込みの遅さである。現在のDVD-RAMドライブ(Panasonic 社製 LF-D100JA)では,撮影時間でわずか12分程度の動画ファイル(約2Gバイト)をDVD-RAMディスクの片面にコピーするのにおよそ1時間かかっている。これが作業の進行を著しく遅らせている。当面の対策としては,処理システム(パソコン本体,DVD-RAMドライブ,動画取込み用ボード,高速ハードディスク)を増やして効率化をはかる以外にないが,予算や人手の問題がネックとなっている。