第1回日本進化原生生物学研究会: 原生生物における種の実在性 by 月井雄二

3. 結 論

3-2. まとめ

 原生生物は,識別可能な形態的・機能的特徴が少ないため,とり得る変異幅(種類)が限られている。多くは進化的起源が古いので,すべての変異が出尽くしている(変異が飽和している)可能性が高い。
 原生生物は多数の野外変異を観察するのが難しい(観察限界がある)。このため,種の境界の有無が不明だが,観察量を増やした場合,種の境界が存在しなくなる可能性がある。
 その場合,我々が「種」と呼んでいるものは見かけだけで,種は実在しないことになる。
図19 まとめ

       Copyright 2004 by Yuuji Tsukii