米沢市〜福島県北塩原村
吾妻連峰の湿原群
Part III: 〜いろは沼〜ヤケノママ分岐
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採集日:2011.09.08 ウオッちず で位置確認

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ,中大巓東尾根を下る(北塩原村),09:59
この辺からはかなり急な岩場の道となる。 今回は撮影しなかったので前回の画像を以下に示す(下段)。


前回の様子(2007.07.01,10:02-10:07撮影)。 画像ではわかりにくいが,かなり急な下り坂だ。

坂の途中でふたたびパノラマ撮影(北塩原村),10:00

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ,中大巓東尾根を下る(北塩原村),10:04-10:08
1,2枚目:道端で咲く エゾリンドウGentiana triflora var. japonica), またはエゾオヤマリンドウGentiana triflora var. montana)。 3枚目:岩の上に小さな木の実が4つ。湿っている。消化された後?量はわずかだが,これは?もしかすると? あまりにわずかなので,これがクマの糞だとは断定できなかったが, この後,弥兵衛平では木道の上にはっきりクマの糞とわかるものがあった。

やっと岩だらけの急坂が終わった(北塩原村),10:09
前方に木道が現れた。ここからは平坦な道が続く。やれやれ。
人形石を下り始めて(09:40)ここまで来るのに29分かかった。 前回は42分(09:25?-10:07)。ここでも時間の短縮ができた。 すでに前回のコースタイムより2分ほど早まっている。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ,中大巓東尾根を東へ(北塩原村),10:11
1枚目:木道の手前には水たまりがあるが,ここは池塘ではない。踏み荒らしでできた裸地だ。 2枚目:前回の様子(2007.07.01,10:09撮影)。

前方に広がる湿原が「いろは沼」(北塩原村),10:12
この位置からはわからないが,左前方の湿原には池塘が点在する。 さきほど東尾根を下る途中で見えた。 木道の先に見えるピークが藤十郎の西端(標高 1860 m)。

いろは沼(北塩原村),10:12
ここで唯一,木道に脇にある池塘。 前回(下段)は,裸地と湿原の境に岩(下段1枚目)があり,そこに足を置き,カップ付き指示棒を使ってなんとか採集できた。 しかし,今回は,その岩が消えていた。これでは採集できない。パス。
その後,上段の1枚目と下段の1枚目をよ〜〜く比較したところ,もしかすると岩は泥に埋まって見えなくなったのかも知れないことがわかった。 前回(下段)と今回(上段)では撮影位置が若干異なる(今回の方が先にやや進んでいる)が, 木道の向いにある泥炭層の部分と湿原の境の形はおおよそ同じだ。 ただし,画面左端にある苔群落?の部分は,前回は泥炭層上に小さく孤立した状態にあったが, 今回はかなり成長(?)して広がりつつあるのがわかる。 そして,前回は泥炭層の表面がひび割れていたが,今回は,全体に柔らかな泥がかぶった状態に変わっている。 おそらくこの泥によって岩が覆われ,見えなくなっていた可能性が高い。


前回の様子(2007.07.01,10:10撮影)。

いろは沼(北塩原村),10:13
2枚目:この辺に岩があったのだが,,,。
追記:正確にはこの画面よりやや右側のはず。

いろは沼を通過(北塩原村),10:15

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:19
いろは沼を過ぎると,潅木地帯と草原,または,湿原が繰り返して現れる。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:19-10:20
湿原地帯には木道が敷設されている場所もある。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:22
木道に沿って細長い池塘がある。残念ながらやや離れているので採集不可。


前回の様子(2007.07.01,10:25-10:26撮影)。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:23
岩だらけの登山道に変わる。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:23
1,2枚目:パノラマ撮影。 左に池塘がある。ここも道から離れているので採集不可。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:23
1枚目:今度は右に池塘が現れた。ここは木道沿いなので採集できそうだ。ここでは前回も採集している。 2枚目:前回の様子(2007.07.01,10:28撮影)。
手前の池塘の周囲は踏み荒らしで裸地化している。 ここはやや広々しているので,かつては大勢の人がここで休憩をしたのかも知れない。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:24
1枚目:ピント外れ。手前の池塘の近くまで続く踏跡がある。かつては多くの人が歩いた証拠だ。 2枚目:手前には「立入禁止」の立て札がある。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:24
1,2枚目:パノラマ撮影。 少し先には,木道から手が届く位置に池塘がある。

弥兵衛平・弥兵衛平湿原へ(北塩原村),10:25-10:26
1,2枚目:前回同様,ここで採集(藤十郎の池塘-1a, -1b)。 2枚目:画像ではわかりにくいが,中には緑色の小さな粒々が多数あった(2枚目)。 共生藻を持つラッパムシ, Stentor pyriformis)だ。 現在,この種について主に研究中(いまだに培養方法を開発する段階だが・・・,注)。 前回(2007.07.01)もここにいた。
この時は「もしかすると,弥兵衛平湿原まで到達できないかも知れない」とまだ考えていたので, 「その場合は,この先ではほとんど採集できない恐れもある」ということで,同じ場所で2本採集することにした。 Stentor pyriformisは,これまで持ち帰る途中で全滅したことがあるので,万が一を考えてのことだ。
3枚目:水面にカメラを近付けて水底の様子を撮影しようとしたが,,。反射があってあまり写らなかった。 しかし,よ〜〜く見ると,水底にはうっすらとだが緑色の粒々が多数あるのがわかるはずだ。 (この後,別の池塘では反射しない状態で水底をきれいに撮影できたので,後でそちらも御覧いただきたい)
観察された生物: トゲフセツボカムリ( Centropyxis), 共ディフルギア( Difflugia oblongaDifflugia sp.), 生藻を持つラッパムシ(Stentor pyriformis), レンバディオン(Lembadion lucens), 珪藻各種, ジクチオスフェリウム(Dictyosphaerium), グロエオキスティス(Gloeocystis sp.), ボツリオコッカス(Botryococcus braunii), サヤミドロ(Oedogonium), ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ(Closterium abruptum), ツヅミモ( Cosmarium globosum), ホシガタモ( Staurastrum senarium), イボマタモ( Euastrum cuneatumE. humerosum), ハタヒモ(Netrium digitus), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens), クロオコッカス( Chroococcus pallidusC. turgidus), メリスモペディア(Merismopedia), ユレモ(Oscillatoria), Hapalosiphon, ワムシ, ミジンコ,

注:実験室で培養を試みた限り,この種(Stentor pyriformis)は他のラッパムシ (Stentor coeruleus, S. elegans, S. igneus, S. muelleri, S. roeseli, S. polymorphus),および, 私がこれまでに培養を試みた他のどの繊毛虫と比べても, 分裂速度が非常に遅い。なのに,湿原では大量に増殖して池塘の水底を覆い尽くしているのは,なんとも不思議だ。

前回の様子(2007.07.01,10:29-10:30撮影)。

ヤケノママ方面への分岐を通過(北塩原村),10:27-10:28
1枚目:右がヤケノママ方面へ降りていく道。ここは直進(画面左へ)。
さきほど中大巓の西尾根を下る途中,ここを眺めた時,ヤケノママへ降りていく遊歩道が見えた。 その途中に湿原らしい場所もあったので,次回は訪れてみたい(この時は湿原があることには気づいていなかった)。


前回の様子(2007.07.01,10:31-10:32撮影)。

Part IV: 〜大平温泉分岐(藤十郎)〜西吾妻一切経縦走線を東へ 2011.09.08, 10:28 - 10:47

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