白河市/南湖森林公園
カエル池
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観察された原生生物名一覧( 22 種)

採集日:2015.08.23 ウオッちず で位置確認

少し進むとカエル池があった(白河市),11:14
前方に近くで草刈り機で草刈りをしている男性がいたが,

南湖森林公園,カエル池(白河市),11:15
その手前,路面よりやや高くなった場所に池があった。 何の案内もないが,ここが「カエル池」らしい。

南湖森林公園,カエル池(GPSによる標高 402m,白河市),11:15
1枚目:さきほど訪れたトンボ池同様,池の一部に排水枡があった。池じたいは,トンボ池よりやや小さめ。
手前の池岸に生えているのは ハリイEleocharis congesta,カヤツリグサ科 ハリイ属)?
2枚目:排水枡の近くで採集しようかと近付いてみたが,藻塊も水垢もあまりなさそうだ。 中止。
とはいえ,ここには湿原特有の草が色々生えている。 これに気づいたのは撮影した画像をみてから。期待していなかったので,詳しく写真撮影しなかった,残念。
前方,水面に写っているのは ミタケスゲCarex michauxiana var. asiatica,カヤツリグサ科 スゲ属) ?? それなりに期待できるかも。

南湖森林公園,カエル池(白河市),11:16
1,2枚目:池の北側へ移動してパノラマ撮影。
撮影時には気づかなかったが,写真をよく見ると水底に無数の亀裂があるのがわかる。 これは,池がかつて干上がっていた証拠だ。 そのためか,後述するように,ここの原生生物はトンボ池に比べると少なめだが, トンボ池同様,大型の接合藻など湿原特有の原生生物が大量増殖していた(注)。 富栄養化した平地の水辺に多くみられるクロロコックム類はまったく見られなかった。

注:干上がった際には,増殖中の原生生物のほとんどは死滅したはず。 シスト化などで休眠状態に入った一部の細胞が生き残り,それらが雨水がたまった後でふたたび増殖を始める。 しかし,総ての種が一斉に増殖する訳ではなく,最初は一部の種が先発する形で増殖を始める。 この頃は,競争相手が少ないので,一部の種が大量増殖することが多い。 現在はそのような状態にあると思われる。 水環境が安定すると,次第に他の種も「目を覚まして」次第に観察できる種数が増える (それにともない種間の競争も激しくなるので,各々の種は,細胞数が減少する)。 ただし,もともといなければ種数が増加することはないが,,。

南湖森林公園,カエル池(白河市),11:16
後ろを見ると黄色い花が咲いていた。 これは オミナエシPatrinia scabiosaefolia,オミナエシ科 オミナエシ属) ??

南湖森林公園,カエル池(白河市),11:17
ここはさきほどの場所よりも水垢が多い。 それらを狙って 採集(カエル池)
種数はトンボ池より少ないが,ここは藻類が多くいた。 トンボ池は従属栄養の種が中心だったが,ここは独立栄養の種が中心だった。 とくに,比較的珍しいイボマタモ(Euastrum germanicum) が大量増殖していた。 これはいままで 長瀞の岩畳でしか観察できていなかった種類だ(germanicumじたいの画像はまだない)。
他にも中型〜大型のツヅミモ類( Cosmarium binumC. maculatumC. quadratumC. reniforme) や, アワセオオギ(Micrasterias rotata) がたくさんいた。 これらは湿原でよく見られる種類ばかりだ。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.), 小型鞭毛虫数種, リトノタス(Litonotus armillatus), ウロトリカ(Urotricha), レンバディオン(Lembadion lucens), 棘毛類繊毛虫, 珪藻各種, イカダモ( Scenedesmus tibiscensis), サヤミドロ(Oedogonium), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), ミカヅキモ( Closterium sp.), ツヅミモ( Cosmarium binumC. maculatumC. portianumC. quadrumC. reniforme), 小型ツヅミモ(Cosmarium sp.) ホシガタモ( Staurastrum polymorphum), 小型ホシガタモ( Staurastrum sp.), イボマタモ( Euastrum ansatumEuastrum denticulatumE. germanicum), アワセオオギ(Micrasterias rotata), ワムシ, ミジンコ,

南湖森林公園,管理道路を西へ(白河市),11:19
1,2枚目:パノラマ撮影。
1枚目:左端に「鏡山」の文字が見える。左は案内図にある「鏡山遊歩道」の入口のようだ。
2枚目:しかし,・・・,iPad mini を見ると,ここは元は「南湖古道」の途中で, それに新しく敷設された管理道路が合流する形になっているのがわかる。
3枚目:案内図(本日10:56撮影)を見ると,古道に入った途中から「鏡山遊歩道」が分岐するように描いてある。 だが,実際には,往路では東側からこの南湖古道に入ろうとした訳だが,途中で道が消えていた。 現在は南湖古道は通行できないのかも知れない(注1)。 そのために,ここには南湖古道と書かずに「鏡山遊歩道」(実際は,画像にあるように鏡山のみ)の名前のみを示してあるのかも知れない。 ならば,この案内図にも通行止めの印くらい付けてほしいものだ(注2)。
3枚目:本日10:56,南湖口で撮影した案内図。

注1:「南湖古道」で検索しても,ヒットするのは中国語のweb pageのみ。 近年,白河市の「南湖古道」を歩いた人は誰もいないのかも知れない。 ということは,やはり廃道になった?
注2:と,この時は思ったが,既述したように,南湖古道が廃道になったのは,この森林公園が開設された後の可能性が高い(2010年以後)。 よってこの案内図が描かれた当時は,まだ廃道になっていなかったと推察される。

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