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2006.05.21, Part II

大橋(鳥居川)〜古池登山口〜種池

大橋近くの調整池?,10:04-10:05
地図を見ると,さきほどの大橋の側にある中部電力 鳥居川第三発電所の取水口から取り込まれた水はこの調整池を経由して, 下流にある発電所まで流れていく模様。

戸隠キャンプ場から古池登山口へ(信濃町),10:05-10:06
1枚目:県道36号 信濃信州新線は大橋から右にカーブ。北北東から東北東に変わる。 2枚目:道は東向きに変わったため前方にあった黒姫山が見えなくなる。 3枚目:ここにもミズバショウが。

古池登山口,10:07-10:08
1,2枚目:古池登山口に到着。すでに多くの車が止まっていた。登山者もいれば,一般の観光客も。様々。 3枚目:バス停(西登山道入口)があるが時刻表はない。現在はここに止まるバス路線はない筈。いつ頃走っていたのだろうか・・・。

                川中島バス 西登山道入口 バス停

古池登山口から種池へ(信濃町),10:08
1枚目:道路脇に狭い駐車スペースがあり,その奥に登山口がある。 2枚目:「黒姫山登山道案内図」

古池登山口から種池へ(信濃町),10:08-10:15
今回はミズバショウの開花シーズンのため,あちこちにたくさんの人がいた。 前を行く人はカメラの三脚を担いでいる。登山というよりはミズバショウ等の写真撮影に来たのだろう。 今回は道がかなりぬかるんでいた。前回は一部ぬかるんでいた所はあったものの,ほとんどは乾いていたので歩きやすかった。 今回は春先の雪解け水の影響が残っているのだろう。歩いた道のほとんどがドロドロ状態だった。
また,途中には,野外実習に来たらしい大学生の集団がいた。学生らは10人程度ずつ3,4箇所に散らばって先生の説明を受けていた(計40〜50人?)。

古池登山口から種池へ(信濃町),10:16-10:18
1枚目:道の途中で右手に種池が見えた。 2枚目:しばらくするとこのようなT字路が。 3,4枚目:ここを右折すると前方突き当たりに種池がある。

種池に到着(いつもガイドで位置確認,信濃町),10:18-10:19
1枚目:登山口から約10分ほどで種池へ到着。 前回ここへ来た時(1995.6.12)は,周囲の樹木には葉が生い茂り,草茫茫の状態で前がよく見えなかったが, 今回はまだ樹木は芽吹いていないものが多いので見通しが良く,かなり離れた位置からも池を望むことができた。
3,4枚目:前回は池端も草で被われていたが,今回は草はほとんど生えておらず,池底に落ち葉が見えるくらいで水は澄んでいた。 前回の採集では,この種池のサンプルにたくさんの原生生物がいた。今回はどうだろうか。 まずは,ここで採集(種池 No. 1)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), キロモナス(Chilomonas), スファエラストルム(Sphaerastrum), サッカメーバ(Saccamoeba), マヨレラ(Mayorella), コクリオポディウム(Cochliopodium), ナベカムリ(Arcella), ユーグリファ(Euglypha filifera), トリネマ(Trinema), アスピディスカ(Aspidisca), ウロスティラ(Urostyla), コレプス(Coleps), リトノタス?(Litonotus), フロントニア(Frontonia acuminata), レンバディオン(Lembadion), ゾウリムシ(Paramecium caudatum) キネトキルム(Cinetochilum), ツリガネムシ(Vorticella) 小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), スプメラ(Spumella), サヤツナギ(Dinobryon), マルロモナス(Mallomonas), Vacuolaria, トリボネマ2種(Tribonema), クチビルケイソウ(Cymbella), ハネケイソウ(Pinnularia), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ(C. navicula), 接合藻の接合子?, ケンミジンコ, イタチムシ,

種池 種池 種池 種池

種池(信濃町),10:19-10:24
今回は念入りに採集をしようと考えて,池の東縁を歩いて何ケ所かで採集することにした。 次はここで採集(種池 No. 2)
観察された生物: ナベカムリ(Arcella), ディセマトストマ(Disematostoma), レンバディオン(Lembadion), 他の小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), クリプトモナス(Cryptomonas), ミドリムシ(Euglena), トラケロモナス(Trachelomonas), アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), スファエラストルム(Sphaerastrum), ナベカムリ3種(Arcella), ディフルギア(Difflugia), ユーグリファ(Euglypha filifera), トリネマ2種(Trinema), ディレプタス(Dileptus), コレプス(Coleps), トラケロフィルム(Trachelophyllum) アスピディスカ(Aspidisca), 巨大レンバディオン(Lembadion sp.), 他の棘毛類繊毛虫, サヤツナギ(Dinobryon), トリボネマ2種(Tribonema), タルケイソウ(Melosira), 他の珪藻各種, クラミドモナス(またはクロロモナス,青木湖隣の休耕田にいたものと同じ種類), ラジオフィルム(Raadiofilum,初めての観察), タテブエモ(Penium sp.,長い,太い), ユレモ(Oscillatoria), ワムシ, クマムシ, ケンミジンコ, コケムシ(卵),

種池 種池

種池(信濃町),10:25-10:26
ここでも採集(種池 No. 3)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), アカントキスチス(Acanthocystis sp., 棘の先端は二又分岐せず), ナベカムリ(Arcella), ディフルギア(Difflugia), クリプトモナス(Cryptomonas), ユーグリファ(Euglypha), ラッパムシ(Stentor), ロクソフィルム(L. meleagris), ウロトリカ(Urotricha), ウロレプタス(Uroleptus), スチロニキア(Stylonychia), 棘毛類繊毛虫, 巨大レンバディオン(Lembadion sp.), フロントニア(Frontonia acuminata), キネトキルム(Cinetochilum), ツリガネムシ(Vorticella)とそれに寄生する何か, 小型繊毛虫数種, スプメラ(Spumella), シヌラ(Synura), ヌサガタケイソウ(Tabellaria), クサビケイソウ(Gomphonema), 他の珪藻各種, 接合藻の接合子?, アナベナ(Anabaena), ワムシ, イタチムシ, ミジンコ,

種池 種池 種池

種池(信濃町),10:26-10:28
ここで採集(種池 No. 4)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena), クリプトモナス(Cryptomonas), トラケロモナス(Trachelomonas), ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema), アスピディスカ(Aspidisca), コレプス(Coleps), ウロトリカ(Urotricha), ウロレプタス(Uroleptus), レンバディオン(Lembadion), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium), ツリガネムシ(Vorticella) モナス(Monas guttula), サヤツナギ(Dinobryon), オフィオキチウム(Ophiocytium parvulum), トリボネマ(Tribonema), Vacuolaria, タルケイソウ(Melosira), ヌサガタケイソウ(Tabellaria), Navicula sp.), 他の珪藻各種, クラミドモナス(Chlamydomonas), ミカヅキモ(C. navicula), ツヅミモ(Cosmarium sp.), 接合藻の接合子?, イタチムシ, ラッパムシ(Stentor), ワムシ(Sinantherina sp.),

種池 種池 種池 種池

種池(信濃町),10:28-10:29
最後はここで採集(種池 No. 5)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), 小型鞭毛虫各種, ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema), コレプス(Coleps), レンバディオン(Lembadion), 小型繊毛虫各種, シヌラ(Synura), Vacuolaria, トリボネマ(Tribonema),
タルケイソウ(Melosira),
ご覧のように,この辺からの眺めが良い。そのため,池端には三脚にカメラを固定して熱心に池と前方の黒姫山を撮影している人が二人いた。

種池 種池

種池(信濃町),10:32
採集を終えて池を出る途中で池端にタチツボスミレViola grypoceras A.Gray)? が咲いていた。

種池 種池

種池から古池湿原へ(信濃町),10:33-10:34
1,2枚目:雪の影響? 3枚目:さきほどのT字路へ出た。今度はここを右折して古池&古池湿原へ向う。

前回同様,種池は原生生物が非常に豊富だった。 これは,見るかぎりでは,池に出入りする水の流れがない(おそらく湧水のみ?)か非常に少ないため,水流で流し出される ことがないことが一番の理由だろう。勿論,冷涼な環境であることや,人間の影響が極力抑えられてきた(注)ことも影響しているだろう。 いずれにしても,原生生物の宝庫で貴重な場所であることは確か。
注:色々調べると,この種池は周辺住民からは神聖な場所として長年扱われてきた,ようだ (参照URL)。 そのため,人為が及ぶことがなかったのが幸いしたともいえる。

Part III: 古池〜古池湿原
2006.05.21, 10:40 - 10:58