原生生物と日本産アリ類の広域画像データベース

4 データベースの構成と利用状況

4-4. ディレクトリサービスとサーチエンジンの利用

ディレクトリサービスへの登録
 サーバの設置した後は,いかにしてその存在を外部に周知し利用してもらうかが問題になる。アリおよび原生生物の両サーバともに,当初は,雑誌や新聞等で紹介してもらうことを期待し,実際そのような形で周知された。だが,これら従来のメディアは,一時的に大勢の人々に情報伝達する機能にはすぐれているが,一過性である点に問題がある。 

 データベースは継続して利用されなければ意味がないので,その存在を周知する方法も継続して周知してもらえることが望ましい。幸い,WWWの普及とともにすぐにインターネット上では,以下に示すディレクトリサービスやサーチエンジンといった情報検索サービスを無料で提供するサーバが次々と誕生した。
 そこで,以後は,それら国内外の情報検索サービス(ディレクトリサービス)へデータベースのURLとその内容紹介を登録する作業を行なった(ただし,アリについては英語版が完成していないために登録したのは国内のみ)。アリについては,農水のUNIXサーバを,原生生物については,5つのサーバを各ディレクトリサービスごとに適当に選んで登録した(表4-3)。  

 また,その後,ディレクトリサービスも多様化し,一部は,教育や研究分野に限定して情報を提供するものも現れた。それらの多くは,自らネット上を調べてURL情報を公開している(表4-4)。
 

 

サーチエンジンの登場
 ディレクトリサービスの登場から少し遅れて,新しい情報検索サービスが現れた。それはサーチエンジンと呼ばれるもので,インターネット上で公開されている各サーバにあるテキストデータを収集し,その全文検索が可能なデータベースを作り一般に無料公開したものである。

 利用者が,このサーチエンジンにアクセスして,自分が探したいキーワードを入力すると,(世界中のサーバから収集した)データの中から,キーワードを含んだhtmlファイルを探しだし,そのURLの一覧が表示される。その中から適当なURLを選ぶと自動的に各サーバへ移動して内容がチェックできる,という仕組みである。

 

 従来のディレクトリサービスでは,各サーバのホームページのタイトルとその簡単な紹介しかわからなかったのに対して,サーチエンジンでは,各サーバにあるすべてのテキスト情報を検索できるので,各サーバへいちいちアクセスして内容を調べなくても済む。サーチエンジン上でいっきに世界中にあるURLの中から望みの情報を引き出すことができるのが利点である。これは大変便利な機能だが,一方では,あまりに検索されるURLの数が多すぎて,自分が必要とするものがどこにあるかわからない,という皮肉な結果に終わる可能性もある。
 

図4-2 ディレクトリサービスとサーチエンジン
 ディレクトリサービスでは,各サーバのホームページのURLと簡単な紹介文がのみが登録されるだけなので,データベースのように内部にあるURLにどのようなものがあるかはアクセスしないとわからない。
 一方のサーチエンジンは内部のURLをすべて収集してデータベース化するので直接アクセスしなくてもサーチエンジン上ですべてを検索できる。