平成9年度知的基盤整備推進制度
「生物系研究資材のデータベース化及びネットワークシステム構築のための基盤的研究開発」
2-1. 生物資材情報発信のためのWWWサーバ構築サポートシステムに関する研究

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3.研究成果の詳細内容

3-5. 今後の課題



 静止画についてはかなり最適化が進んだが,動画のディジタル化・データベース化についてはいまだ試行錯誤の段階にある。今後ネットワークの高速化にともない動画関連の技術が進化すると予想されるので,それらを適宜取り入れて動画のデータベース化法を開発する必要がある。
 また,上記のように研究資材のディジタル化・(広域)データベース化に関する技術は,今後ますます簡単・便利になっていくと予想されるが,問題は多くの生物系研究者がそのことを理解できずにいることである。今後はより一層研究者への啓蒙活動が必要になろう。
 一方で,データベース化の技能を持っていてもデータベースの作成が業績として評価されないために躊躇している研究者も多い。したがって,サポートシステムとしては,データベース化活動を業績として評価するなんらかの方策を検討する必要もある。
 さらに,ネットワーク上で学術情報を発信する場合には,意図するしないに関わらず,それは一般への情報公開になっていることにも留意すべきである。前述のCD-ROMの配布では電子メールによって希望を募ったが,その際に利用目的を明記してもらった。その結果,公開されたデータベースについては,様々な人々が様々な目的で利用しようとしていることがわかった。研究目的以外にも,教育,企業活動や純粋に個人的興味からデータベースに関心を持った人もいた。
 このような研究目的以外の利用に対してどのように対応するかは様々な立場があるだろうが,学術研究がそれらの一般市民によって支えられていることを考えれば,できるかぎり希望に答えることが重要だと思われる。また,データベースの内容についても,専門家だけでなく専門外の利用者にも理解しやすいように,表現方法などに工夫を加えることも意味があると思われる。


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