信濃町 戸隠高原
種 池
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採集日:2009.06.07 ウオッちず で位置確認

種池入口に到着,ここで右折(信濃町),10:13
1,2枚目:パノラマ撮影。 1枚目:前方右に黒っぽい案内板が立っている。 あそこを右折するとその先に種池がある。

種池へ(信濃町),10:13
1枚目:右へ向きを変え,進行方向を撮影。 左に種池の案内がある。 2枚目:その案内板。 最後に「湧出と流出口のない池です」とある。 流入と書かれていないのが不思議な気がしたが,今回,その理由がわかった(後述)。

種池が見えた(信濃町),10:14
1枚目:右折して歩きはじめるとほどなく前方に種池が見えてくる。 2枚目:これは前回(2006.5.21)ほぼ同じ位置から撮影した画像。

種池に到着(信濃町),10:14
1,2枚目:池が近付いたところでパノラマ撮影。

種池(信濃町),10:15
さらに近付いてパノラマ撮影。 ここは池の南西端付近? 手前の水際は土が露出している。 ここは入口なので踏み荒らしによる裸地化の可能性が高い。

種池,南西端(信濃町),10:18
前回は南西端では採集しなかったようだが,まずはここで採集(種池-1)。 水底に多少の水垢はあるものの,あまり原生生物がいそうな雰囲気ではない。実際そうだった。
観察された生物: パラコンディロストマ(Paracondylostoma setigerum), ウロトリカ(Urotricha), コスルニア(Cothurnia), 珪藻各種, セレナストルム(Selenastrum), サヤミドロ(Oedogonium), ヒザオリ(Mougeotia), ワムシ,

種池,南岸へ移動(信濃町),10:19
1〜4枚目:少し南岸沿いに東へ進んだところでパノラマ撮影。 雲が低く垂れ込めて,ガスが沼の上に覆いかぶさってきた。 幻想的な雰囲気で,これはこれで良い景色。

種池南岸(信濃町),10:19
岸辺近くには大きな岩がゴロゴロしているが,皆苔むしている。

種池南岸(信濃町),10:20
1〜3枚目:沼岸に近付きカメラを低く構えてパノラマ撮影。

種池南岸(信濃町),10:20
近くではスゲの仲間が花を咲かせていた。 これは??)。

種池南岸(信濃町),10:21
向かいの株に何匹もの甲虫が群れていた。 どうやら交尾の最中らしい。

種池南岸で採集(信濃町),10:23
その近くで採集(種池-2)。 ここは水底に多量の黒々とした泥があるものの,なんとなくサラリとした感じ。 原生生物はあまりいそうにない。 しかし,前回(2006.5.21) も似たような感じで,実際にはたくさん原生生物がいたので,見た目だけでは判断できない。 翌日以降の観察結果は以下のとおり。やはり結構いた。
観察された生物: マルウズオビムシ(Peridinium), クリプトモナス(Cryptomonas), ウチワヒゲムシ(Phacus landekiensis), トラケロモナス(Trachelomonas abrupta), 小型鞭毛虫数種, ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.), トゲフセツボカムリ( Centropyxis aculeataC. ecornis), ディフルギア( Difflugia sp.), ユーグリファ(Euglypha acanthophora), トリネマ(Trinema sp.), パラコンディロストマ(Paracondylostoma setigerum), トラケロフィルム(Trachelophyllum), コレプス(Coleps hirtus), メソディニウム(Mesodinium pulex), ミドリゾウリムシ(P. bursaria), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium natans), 棘毛類繊毛虫, 小型繊毛虫数種, バキュオラリア(Vacuolaria virescens), 珪藻各種, フタヅノクンショウモ(Pediastrum duplex v. rugulosum), パンドリナ(Pandorina), イカダモ(Scenedesmus quadricauda), ジクチオスフェリウム(Dictyosphaerium), Dimorphococcus lunatus, イトクズモ(Ankistrodesmus falcatus), サヤミドロ(Oedogonium), ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), ホシミドロ(Zygnema), ツヅミモ( Cosmarium connatumC. subauriculatum?, C. subcucumis?), ホシガタモ( Staurastrum incisum?, S. teliferum), アワセオオギ(Micrasterias pinnatifida), タテブエモ(Penium polymorphum), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens), SphaerozosmaNostoc, イタチムシ, ワムシ, ミジンコ,

種池南岸(信濃町),10:24
沼岸から少し離れたところで群生していた草。 葉の断面が円形(のはず)。結構太め。 図鑑では見たことがあるのだが,名前がすぐに思い出せない。 これは??)。

種池南岸(信濃町),10:25
さらにその近くで群生している別の植物。 すでに葉の先端が変色している。 これは??)。

種池南岸(信濃町),10:25
さらに南岸沿いを東へ進もうとしたが,倒木等が岸辺にあり先に進むのを断念。 1,2枚目:南岸から戻る前に再度パノラマ撮影。 ガスで対岸が見えにくい。

種池南岸(信濃町),10:26
岸辺近くにあったヤナギの仲間? これは??)。

種池の南西端まで戻り,今度は西岸沿いを北へ(信濃町),10:27
1,2枚目:入口まで戻ったところでパノラマ撮影。 2枚目:今度はこちら。西岸沿いにある踏み跡を辿って北へ進む。 これまではこの西岸沿いはほとんど歩かなかったが,今回歩いてみて種池の北側に湿地(湿原?)が広がっていることを知った。
と書いてから,あらためて3年前に撮影した画像と見比べてみた。 その結果,3年前は池の北側も樹林帯ぎりぎりのところまで水辺が広がっていたことに気づいた。 3年前は5月で雪解け水の影響でかなり水位が上昇して北側の湿原が水没していたようだ。 今回は6月ということで水位が下がり,その結果,池の北側に湿原が現れたと思われる。 ちなみに下段が3年前の5月に池の南岸から北方向を撮影した画像。遠くに黒姫山が写っている。 この画像を見ると,北岸は樹林帯のすぐ側まで水面が迫っているのがわかる。 また,その手前には草地が水面から顔を出している場所が所々にある。


2006.5.21,10:28-10:29撮影
種池 種池

種池北西端付近からの眺め(信濃町),10:28
踏み跡は途中からはっきりしなくなり,足下は草で覆われたやわらかな湿地状態になる(注)。 なるべく強く踏み締めないように気をつけつつ先へ進んだ。 1〜4枚目:池の北西端付近まで来たところで池方向をパノラマ撮影。 上述のように,種池の北側にはかなり広い湿地(湿原)があった。 良く見ると,前方になにやら水路のようなものがある。 近付いてみることにした。

注:この時は何故踏跡が途中までしかないのか理由がわからなかった。 上記のように,この辺は季節(ないし雨量の多少)によっては水没している。 よって,ここを歩ける期間が限られているので踏み跡がつかないのだろう。

種池,水路があった(信濃町),10:28-10:29
1〜3枚目:水路の手前で左前右を撮影。 北側の樹林帯から池に向かって水が流れていた。 水路は糸状の薄赤茶色(おそらく酸化鉄?)のぬるぬるしたもので埋め尽くされていた。 水の流れとともにゆらゆらと揺れている。
前に書いたように,種池入口にある案内板には「湧出と流出口のない池です」とあり,流入についての記載がなかったが, その理由がこれのようだ。 春先は水位が上昇するのではっきりしなくなるが,水位が下がるとこのように流入する水路が出現するので, 流入口がないとは書けなかったのだろう。
しかし,このように流入していても水位が下がるということは, 流入した水は,蒸発だけでなく,一部は地下に浸透することで池から失われている可能性もある。

種池,水路で採集(信濃町),10:29
何もいないだろうと思いつつ採集(種池-3)。 いなかった。 糸状の成分はおそらくバクテリアと思われる。 比較的短かめで長さの揃った細い糸状細菌がたくさんいた。
観察された生物: 未同定の繊毛虫, アオミドロ(Spirogyra),

種池,入口近くの西岸まで戻り採集(信濃町),10:31
水路があるので湿原の東側へは到達できそうにない。 1枚目:入口近くまで戻り, 2枚目:草のある場所の水辺で採集(種池-4)。 ここには結構いそうな気がしたのだが・・・。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), バキュオラリア(Vacuolaria virescens), タルケイソウ(Melosira), 他の珪藻各種, ミカヅキモ(Closterium abruptum), ツヅミモ( Cosmarium connatum), タテブエモ(Penium spirostriolatum), スティゴネマ(Stigonema), ケンミジンコ,

種池分岐まで戻る(信濃町),10:32
前方を右折。 なお,ここから種池に向かったのが10:13だったので,19分で戻って来たことになる。 やや予定より長め。池の北側に湿原があったので,想定した以上に種池に滞在してしまった。

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