佐久穂町/茅野市
茶水の池
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最初に登場する麦草ヒュッテ前の水たまりは,車道を挟んで北側にある茶水の池と水路でつながっているようなので, 両者を一括して「茶水の池」として扱うことにした。
観察された原生生物名一覧(現在 20 種)

採集日:2010.06.20 ウオッちず で位置確認

麦草ヒュッテ前の広場の隅に水たまりがあった(佐久穂町/茅野市),12:29-12:30
1,2枚目:パノラマ撮影。 野草園(麦草園地)と車道へ降りていく道の間に水たまりがあった。 輪郭がはっきりしない。斜面を流れてきた水が一時的にたまる場所なのかも知れない。
藻塊や水垢はまったく見られないが,ひとまず採集(麦草ヒュッテ前の水たまり)。 原生生物の種数はわずかだが,白駒湿原にいたのと同じ種類のコウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), がここにも結構な数いた。 他にミクラステリアス(アワセオオギ)やペニウムも若干だがいた。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, 小型鞭毛虫数種, 小型繊毛虫数種, クレブソルミディウム(Klebsormidium), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula)多数, アワセオオギ(Micrasterias thomasiana), タテブエモ(Penium margaritaceum), ユレモ(Oscillatoria), ケンミジンコ,

水たまりから南側をパノラマ撮影(佐久穂町/茅野市),12:31
遠く見えるのが丸山(標高 2329.6m)。手前が野草園。
1枚目:ここは「野草園」となっているが,この後,車道側から見える場所には「麦草園地」と書かれた看板があった。

車道へ出る前に戻りのバス時刻を確認(佐久穂町/茅野市),12:31-12:32
2枚目:復路のバスは 15:50。この1本のみ。あと3時間20分ある。 この後,雨池へ向う遊歩道に入るが,ガイドブックでは,往路が1時間10分,復路が1時間20分となっていた。 計2時間半。このガイドブック通りなら雨池で20〜30分滞在しても十分間に合うはず(注)。

注:ここへくるまでのガイドブック(ヤマケイアルペンガイド6,八ヶ岳,山と渓谷社,2008)と実際のコースタイムを比較してみた。
白駒池入口→休憩舎:ガイドブック約20分,実際14分(10:44-10:58,途中の採集時間3分を含む)
休憩舎→にゅう分岐:ガイドブック20分,実際9〜10分(往路10:58-11:08,復路11:44-11:53頃)
白駒池入口→麦草峠:ガイドブック25分,実際28分(12:01-12:29,途中で行った花の写真撮影時間を含む)
このように,おおよそガイドブックと同じか,やや早めだったのだが,,。 後述するように,麦草峠〜雨池間だけはガイドブックより大幅に遅れてしまった。 原因は,私がもともと滑りやすい岩場の下りが苦手だったこともあるが, 雨の後でより滑りやすく,ぬかるみ,水たまりだらけで歩きにくくなっていたこともある。 それにしてもガイドブックにあるコースタイム(往路が1時間10分,復路が1時間20分)は, 白駒池周辺を歩く時とはだいぶ条件が異なるようだ。 白駒池周辺は一般向け,麦草峠〜雨池間は,健脚であることを想定しているのだろう。

公共トイレの案内にしたがい,ふたたび鹿避けの柵を通る(佐久穂町/茅野市),12:32
車道へ出ようとすると,柵の中に「公共トイレ」の案内があった。 トイレへ行こうと考え,さきほどと同じように,柵を開けて中へ入った。 (しかし,途中はひどいぬかるみ。車道を通ってもトイレに行けることを後で知った)

公共トイレは西にやや離れた場所にあった(茅野市),12:33-12:34
1枚目:トイレはすぐ近くにあるかと思いきや,そうではなかった。 途中のぬかるんだ道には木道が敷設してあったが,,。 2,3枚目:トイレは駐車場の隅にあった(3枚目)。だが,その駐車場の手前がひどくぬかるんでいた。 木道は途中で途切れている(2枚目)ので,ぬかるみの中を通っていくしかない。 靴は泥だらけになった。

公共トイレ(茅野市),12:34
トイレの脇に「北八ヶ岳自然休養林」の案内があった。 左下には「麦草峠,標高 2120 M」とある。

車道(299号)を通って雨池へ向う遊歩道の入口へ(茅野市),12:36-12:37
1枚目:車道へ出る。 2枚目:雨池へ向かう遊歩道の入口へ向かう。 現在歩いているのは茅野市。遊歩道の入口(および,麦草ヒュッテの入口)付近が 茅野市と佐久穂町の境になっていた。

左が雨池へ向う遊歩道の入口(佐久穂町/茅野市),12:37
1〜3枚目:遊歩道の入口の手前でパノラマ撮影。

雨池へ向う遊歩道へ入る(佐久穂町/茅野市),12:37
1,2枚目:佐久穂町の標識を右に見ながら遊歩道へ入る。

遊歩道へ入ってすぐ「茶水の池」が現れる(佐久穂町),12:38
1,2枚目:入るとすぐ右手に池が見えた。ここが「茶水の池」。 遊歩道の右には車道の下をくぐってきた水が滔々と池に注いでいた。 これを見て「これだと原生生物はあまりいそうにないな」と思う。

茶水の池(佐久穂町),12:39
1〜4枚目:池の全景が見渡せるところでパノラマ撮影。
1枚目:前方で道は左右に分岐している。左は大石峠・茶臼山へ向う登山道。 雨池へ向かう遊歩道(登山道)は右へ入り,茶水の池の上に敷設された木道を通る。 2枚目:池の両側から続く木道は前方で一緒になり,樹林帯の中へ入っていく。 3,4枚目:車道側から流れてくる水路。かなりの量が流れ込んでいた。
どこを見渡しても,池の底や端は薄茶色の泥で覆われていた。 藻塊はおろか水垢らしきものはここからは見当たらない。

茶水の池(佐久穂町),12:39
池端の様子。水際に生えている草も湿原でよく見かけるというよりも, 普通の道端に生えている草と同じ。水中にも同じ草があるが,皆,薄茶色の泥で覆われている。

左は大石峠・茶臼山へ向う登山道,ここは右へ(佐久穂町),12:40
1〜3枚目:分岐に来て左右をパノラマ撮影。 上述のように,左は大石峠・茶臼山へ向う登山道。 2,3枚目:右は木道だが,池端が入り組んでいるためか,途中で池の上を通る。

茶水の池(佐久穂町),12:41
木道に入る前に,分岐手前の池端で採集を試みた。 水辺は薄茶色の泥があるのみで藻塊はおろか水垢らしきものはまったく見えない。 期待せずに 採集(茶水の池-1)してみたが,,。 予想通り,原生生物はほとんどいないが, どういう訳か,さきほどから紹介しているコウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), だけがたくさんいた。
観察された生物: 棘毛類繊毛虫, モナス(Monas sp.), 珪藻各種, コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), ミジンコ,

茶水の池の北側を通る(佐久穂町),12:41

茶水の池(佐久穂町),12:42-12:43
この辺は水底の泥の上がうっすらと緑色をしていた。 その辺をピペットで吸い取ってみた (茶水の池-2)。 案の定,ここにはたくさんの原生生物がいた。 この辺は大量の雪解け水が池に流れ込んでも,水流から外れた場所で原生生物が流されにくいのかも知れない。 極端に多いという訳ではないが,湿原に特有の大型接合藻が結構いた。 今回の採集サンプルの中では,観察できた原生生物の種数はここがもっとも多かった。 長い時間,バスに揺られて来た甲斐があった,というものだ。
観察された生物: キクリディオプシス(Cyclidiopsis acus), ディフルギア( Difflugia), Lesquereusia, 小型スピロストマム(Spirostomum), 棘毛類繊毛虫, ゲミネルラ(Geminella), ミクロスポラ(Microspora), ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula), カメガシラモ(Tetmemorus brebissonii), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. intermedium), ツヅミモ( Cosmarium connatumC. oblongumC. quadrifarium), イボマタモ( Euastrum affineE. ansatum), アワセオオギ(Micrasterias), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens), ユレモ(Oscillatoria), ワムシ, ミジンコ, センチュウ,

茶水の池を出て北北東へ,雨池を目指す(佐久穂町),12:43
1,2枚目:木道の合流点手前でパノラマ撮影。 2枚目:右は茶水の池の東側を通ってきた道。復路ではこちらを通って車道へ出た。 合流点には「茶水ノ池 二一五二M」と書かれた標柱が立っている。

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