飯豊町 |
沼ノ口湿原
Part I: 国道113号〜沼ノ口湿原 |
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採集日:2015.07.12 | ウオッちず | で位置確認 |
タクシーを降りたところで左前右を撮影(飯豊町),13:16
1枚目:乗車して来たタクシーを見送る。
3枚目:この先に「嬉ケ沢橋」があるので,とりあえず橋の近くまで歩いてみることにした。
橋の手前で左〜前をパノラマ撮影(飯豊町),13:18
1枚目:道路の向い側にわずかだが人が入っていけそうな場所があった。
しかし,道路際には何の案内もない。
2枚目:前方に見えるのが「嬉ケ沢橋」のはず。
ここがそこだ(飯豊町),13:18
1枚目:なんとか人が通れそうな踏跡が続いていた。
2枚目:iPad mini で現在地を確認。
奥に入る前に橋名を確認(飯豊町),13:19
たしかにここには「嬉ケ沢橋」と書かれている。
ただし,読みが違った。ここには「Ureshigasawa Bridge」と書かれている。「うれしがさわ」だ。
一方の国土地理院の地図では,白川側の「嬉ケ沢」の「嬉」部分にわざわざ「うるし」と振り仮名がふってある。
う〜む,これはいったい・・・?
漢字表記は同じだが,読みが違うということだろうか?
それともどちらかが間違っている?
なお,ネット上にある地図のほとんどは国土地理院と同じネーミングを採用している。
宇津川側の支流についてはとくに名前は記されていない。
沼ノ口湿原へ(飯豊町),13:19-13:20
1〜3枚目:踏跡を辿って樹林の中に入ったところでパノラマ撮影。
2枚目:前方になにやら標柱がある。
また,手前に錆びた鉄製の支柱らしきものがある。途中で折れたように見える。
ネットにある沼ノ口湿原の写真には,
ここに鉄製の案内板があった様子が写っている。
そこには「姥懐県行造林,災害予防」と書かれてある(注)。その下には
「面積 6.06 ha,樹種 スギ, アカマツ, カラマツ,期間 自 昭和12年8月,至 昭和72年7月,
山火事防止 山形県」とあるので,その案内板は昭和12年当時(か,それ以降)に設置されたことがわかる。
昭和12年は1937年,78年前だ。
注:「姥懐」(うばふところ)というのは区域名で,
「建築基準法第6条第1項第4号の規定による市町村の区域,平成8年6月11日山形県告示第652号,改正<中略>平成25年4月12日告示第405号」
という文書によると,「飯豊町大字手ノ子」内の区域として,沼ノ口の前に「姥懐」の名前がある。
境界はどこかわからないが,さきほどの嬉ヶ沢橋の東側一帯を「姥懐」と呼ぶようだ。
その南側が「沼ノ口」ということなのだろう。
それにしても「姥懐」というのは変わった名前だが,語源には諸説あるらしい。
いわゆる姥捨山伝説に関わるものが多いそうだが,ネットで公開されている木村氏の説は,
もともとは「うば・ふところ」ではなく「うばふ・ところ」で,読みは「うぼうところ」。
意味は「中世の頃,見晴らしのよい場所にあった交易の中心地」だろう,とのこと。
たしかに,この辺は斜面沿いで北を宇津川が流れる見晴らしがよい場所だ。ここもその意味かも知れない。
さきほど訪れた下小松古墳群は山形県内でもっとも古墳の多い場所とのことだが,それだけこの辺では古くから多くの人が暮らしていた訳だから,
交易の中心地がこの辺にあってもおかしくないだろう。現在の様子からは想像しずらいが,,,。
沼ノ口湿原へ(飯豊町),13:20
1〜3枚目:標柱の手前で再度,パノラマ撮影。
標柱には「沼ノ口湿原自然環境保全地域 山形県」と書かれている。かなり古そうだ。
踏跡は標柱の前で左に折れて,坂を上がって行く。
足下は大量のスギの枯葉・枯枝で覆われている。ふかふかして歩きやすい。
4枚目:iPad mini で現在地を確認。
まだ入ってわずかしか進んでいない。
沼ノ口湿原へ(飯豊町),13:21-13:22
トリアシショウマに似ているが・・・。
??()
白い花の上にオレンジ色の羽のトンボが止っていたので,撮影しようとしたが,
カメラを構える間に飛んでいってしまった。
傾斜が急な場所を通過(飯豊町),13:23
2,3枚目:iPad mini で現在地を確認。まもなく湿原のはずだが・・・。
傾斜がかなり急になる(飯豊町),13:24
わずかにデコボコがあるので,かつては階段状になっていたようだ。
しかし,現在はほぼ斜面だ。登るのはそれほど問題ないが,降りる際は滑りそうでかなり危険だった。
坂を上がりきると前方に湿原が見えた(飯豊町),13:25
1枚目:左右に案内板があった。
2枚目:右側がこれ。
左側にある「解説板」(飯豊町),13:25
案内の部分が取れて後ろに落ちている。
ネットにある数少ない沼ノ口湿原のweb pageには,案内があった頃の写真が掲載されている。
それを見ると,この部分にはさきほどの標柱と同様,
「沼ノ口湿原自然環境保全地域」というタイトルが記されていたようだ。
沼ノ口湿原に到着(飯豊町),13:26
1〜3枚目:湿原の中央を横断する木道の手前でパノラマ撮影。
1,3枚目:木道の脇にも通路がある。
どうやら湿原の周回路のようだ(この後確認した)。
沼ノ口湿原(飯豊町),13:26
木道に入る。最初の部分は湿原に埋没している。
沼ノ口湿原(飯豊町),13:27
1枚目:少し進むと木道の下にわずかな水たまりがあった。
2枚目:ここはあまり採集ポイントがないはずなので,
とりあえずここで
採集(沼ノ口湿原-01)。
翌日の観察の結果,沼ノ口湿原ではここが一番,原生生物が豊富だった(種数)。
1枚目:木道の表面は色褪せてはいるが,腐っている部分は見当たらなかった。
このような防水処理されていない木道は4,5年で腐りだすらしいので,
この木道はすくなくとも4,5年前に更新された可能性が高い。
観察された生物:
マルウズオビムシ(Peridinium),
渦鞭毛虫の一種,
クリプトモナス(Cryptomonas ovata),
ミドリムシ(Euglena schmitzii),
トラケロモナス(Trachelomonas horrida),
リピドデンドロン(Rhipidodendron),
小型鞭毛虫数種,
スファエラストルム(Sphaerastrum),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.),
小型アメーバ,
ナベカムリ(
Arcella gibbosa,
A. vulgaris,
Arcella sp.),
ディフルギア(
Difflugia bacillariarum,
D. elegans),
Lesquereusia modesta,
アミカムリ(Nebela collaris),
フレンゼリナ(Frenzelina),
未同定のラッパムシ(Stentor sp.),
コレプス(Coleps heteroacanthus),
プロロドン(Prorodon sp.),
スティコトリカ(Stichotricha),
ストロンギリディウム(Strongylidium),
ユープロテス(Euplotes),
レンバディオン(
Lembadion bullinum,
L. lucens),
フロントニア(
Frontonia depressa,
F. marina),
ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria),
ツリガネムシ(Vorticella pulchra),
シヌラ(Synura),
珪藻各種,
ブルボケーテ(Bulbochaete),
ゲミネルラ(Geminella ellipsoidea),
ミクロスポラ(Microspora),
サヤミドロ(Oedogonium),
ヒザオリ(Mougeotia),
アオミドロ(Spirogyra),
ホシミドロ(Zygnema),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium nodosum),
ウネリマクラ(Docidium undulatum),
ミカヅキモ(
Closterium baillyanum,
C. dianae,
C. intermedium,
C. kuetzingii),
ツヅミモ(Cosmarium),
イボマタモ(
Euastrum cuneatum),
トゲツヅミモ(Xanthidium armatum),
アワセオオギ(
Micrasterias ceylanica,
M. denticulata,
M. truncata),
ハタヒモ(Netrium digitus),
ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens),
チリモ(Desmidium coarctatum),
スティゴネマ(Stigonema ocellatum),
ワムシ,
イタチムシ(Chaetonotus hystrix),
センチュウ,
沼ノ口湿原(飯豊町),13:28
1〜4枚目:少し進んだところで,湿原の東側をパノラマ撮影。
1枚目:入ってきた方向。
2,3枚目:東側。前方(2枚目付近)が湿原の東端だ。
木道の入口近くには
ミツガシワ(Menyanthes trifoliata,ミツガシワ科ミツガシワ属)
が群生している。
これを見て,ここが昔からの湿原であることを確信した。
4枚目:進行方向。
この画像でわかるように木道際は,周囲にくらべて草の量が少ない。
最近,誰かが草刈をした可能性もあるが,もともと草が生えにくくなっているのかも知れない。
狭い木道なので,踏みつけによってこうなった可能性もある。
とすれば,木道際は下が固くしまっているはずだが,実際には木道際もフカフカの状態だった(後述)。
木道じたいはしっかり固定されているのだが・・・。
もしかすると昔は踏み付けられて固まったのだが,長い間人が訪れなかったことでもとのフカフカ状態に戻ったのかも知れない。
と思ったが,草の少ないエリアが木道から等間隔で続いているのを見ると,
やはり定期的(おそらく春先?)に草刈り(道刈り)をしているのだろう。
木道脇にたくさんある枯れ草が,それを示しているのかも知れない。
沼ノ口湿原(飯豊町),13:28
1〜3枚目:上と同じ位置で,今度は木道の西側をパノラマ撮影。
沼ノ口湿原(飯豊町),13:28-13:29
1枚目:少し進むと木道の左側に
ミツガシワ(Menyanthes trifoliata,ミツガシワ科ミツガシワ属)
の群生があり,そこにわずかだが水たまりがあった。
2〜4枚目:採集しようとしゃがむと,
ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea,トンボ科 ハッチョウトンボ属)(雄)
がやってきて後ろ向きに止まった。
それを撮影。前から撮りたかったが,あまり近付くと逃げてしまうので撮れたのはこれだけ。
5枚目:ハッチョウトンボが飛び去った後,
採集(沼ノ口湿原-02)。
ここにも結構な数の原生生物がいた。ただし,最初の場所よりは少なめ。
観察された生物:
クリプトモナス(Cryptomonas sp.),
リピドデンドロン(Rhipidodendron),
小型鞭毛虫数種,
アカントキスチス(Acanthocystis sp.),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.),
ナベカムリ(Arcella vulgaris,
フセツボカムリ(
Centropyxis aculeata,
C. constricta),
ディフルギア(
D. acuminata,
D. oblonga,
アミカムリ(Nebela hippocrepis?)または似た種,
ヒアロスフェニア(Hyalosphenia nobilis),
スフェノデリア(Sphenoderia),
未同定のラッパムシ(Stentor sp.,黄色),
コレプス(Coleps heteroacanthus),
小型プロロドン(Prorodon sp.),
スティコトリカ(Stichotricha),
シュードコニレンバス(Pseudocohnilembus),
レンバディオン(
Lembadion lucens),
ディセマトストマ(Disematostoma minor),
フロントニア(
Frontonia marina),
棘毛類繊毛虫,
シヌラ(Synura),
珪藻各種,
ゲミネルラ(Geminella ellipsoidea),
ヒザオリ(Mougeotia),
アオミドロ(Spirogyra),
コウガイチリモ(
Pleurotaenium nodosum),
ウネリマクラ(Docidium undulatum),
ミカヅキモ(
Closterium rostratum),
ツヅミモ(
Cosmarium pseudopyramidatum),
Homoeothrix,
Achromatium oxaliferum,
ワムシ,
ケンミジンコ,
センチュウ,
Part II: 沼ノ口湿原(1) 2015.07.12, 13:30 - 13:42 |